日本住血吸虫 単語


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ニホンジュウケツキュウチュウ

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日本住血吸虫とは、寄生虫の一種である。

概要

学名は「Schistosoma japonicum」。
扁形動物門吸虫綱二生吸虫亜綱有壁吸虫目住血吸虫科住血吸虫属に属する寄生虫で、哺乳類全般に寄生する。
中間宿主は、淡水に生息する巻貝の一種であるミヤイリガイ(カタヤマガイ)。
住血吸虫は成熟するとミヤイリガイの中から水中に出てくるが、その水中に哺乳類が入ると、住血吸虫によって皮膚を突き破られ体内に侵入されてしまう。

「日本」とついているが日本特有の寄生虫というわけではない。
現在の分布地域は中国や、フィリピンなどの東南アジアで、日本では絶滅した。

1904年に病理学者の桂田富士郎が日本でこの寄生虫の存在を発見し、日本住血吸虫と命名した。
1913年には寄生虫学者の宮入慶之助が、ミヤイリガイが中間宿主であることを特定し、感染ルートを解明した。

日本住血吸虫症

人に寄生することで起こる疾患を「日本住血吸虫症」という。
症状としては、まずかゆみのある皮膚炎が出る。
その後、発熱や咳などの風邪に似た症状があらわれる。(肝臓や脾臓が腫れることも)
慢性期に入ると、下痢や腹痛、血便などの消化器官異常をはじめ、肝硬変、肝臓がん、黄疸、腹水、脳疾患などが起きる。
それらが悪化して命を落とすことも……。

この日本住血吸虫症は古くから、山梨県・福岡県・佐賀県・広島県の一部地域で風土病として知られており、腹水によって腹部が大きく膨らむことから、「水腫脹満」「はらっぱり」などと呼ばれていた。(特に感染者が多かった山梨県では「地方病」と呼ばれていた。)

その後この病気の原因が日本住血吸虫という寄生虫であることが判明、感染ルートも解明され、感染予防指導の徹底やミヤイリガイが生息できない環境を造る取り組みなどにより患者数は激減、1978年を最後に新規の患者の報告はなくなった。
日本は世界で唯一日本住血吸虫症を撲滅した国といわれている。

余談だが、Wikipediaの地方病 (日本住血吸虫症)の記事は内容の充実ぷりが半端ないことで知られ、SNSなどで度々話題になっている(他の記事と併せてWikipedia三大文学と呼ぶようなインターネットミームも発生している)。必見である。

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関連項目

  • 動物の一覧
  • 地方病(風土病)
  • 寄生虫
  • 寄生生物

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