日韓軍事情報包括保護協定

日韓軍事情報包括保護協定（日韓秘密情報保護協定とも）とは、日本と韓国の間で締結されている軍事情報包括保護協定（GSOMIA：General Security of Military Information Agreement　ジーソミア）である。

概要

この協定は、締結した相手国から得た軍事情報を外に漏らさないようにするための取り決めである。協定の目的はあくまでも「情報の保護」であり、情報の交換や共有には直接的には関係しない。この協定によって、防衛首脳会談や両国軍の幹部による情報交換会議などで機密情報を持ち寄ることができる。^[1]

軍事技術だけにとどまらず、戦術データや暗号情報など有事の際の共同作戦に必要な情報も対象とされる。日米間・米韓間ではGSOMIAが締結されていたものの、日韓間にはなかったのでアメリカの発案で（一悶着あったものの）2016年に締結された。

締結～破棄

2006年には北朝鮮の核の脅威への対抗として、すでに締結されていた日米GSOMIA・米韓GSOMIAに続いて日韓GSOMIAの締結が模索された。しかし、韓国人にとって日本は仮想敵国であり^{[2] [3]}、韓国人から「売国協定」「現政権本来の親日カラー」など強い抗議の声が上がり^[4] 、締結が頓挫した^[5] 。

当面の対応として、2014年12月に国会承認が不要で法的拘束力のない「日米韓軍事情報共有了解覚書」が取り交わされた^[6] 。

中華人民共和国が否定的見解を示すなか^[7] 、韓国メディアは反日世論を大きく取り上げている^[8] 。

最終的に2016年11月23日に協定への署名が行われた。^[9]

効力は1年間で、どちらかが90日前に通告しない限り自動延長されるが、^[10]2019年8月23日に韓国は協定破棄を通告したため、90日後の同年11月22日を以て協定は失効することになる。^[11]

協定の破棄により、韓国側は北朝鮮の新型ミサイルの着弾情報を日本側から得られなくなるが、日本が韓国から得なくてはいけない（GSOMIAに抵触するような）情報は限られており、日本が困るようなことはほとんどない。^[12]

関連動画

関連リンク

• 「日韓軍事情報包括保護協定（日韓 GSOMIA）締結延期の要因分析」

関連項目

• 韓国
• 特定秘密保護法
• 米軍

脚注

1. *【韓国GSOMIA破棄】“反日”のために北のミサイル情報を捨てた文在寅の「自殺行為」だ 2019.8.22
2. *鄭夢準. 「韓国、米政府に日本を仮想敵国と表現するよう要請」聯合ニュース報じる. 朝鮮日報／朝鮮日報JNS, 2006-10-18T12:36:38.
3. *ソウル時事. 「日本を仮想敵に」＝盧武鉉政権が米に提案－韓国議員. 時事ドットコム, 2012-07-02T16:57.
4. *崔宰赫. 韓日軍事情報協定：白紙化の可能性もn Online (朝鮮日報／朝鮮日報日本語版), 2012-06-30T09:58.
5. *李竜洙. 韓日軍事情報協定：土壇場で署名延期、そのワケは？. chosun Online (朝鮮日報／朝鮮日報日本語版）, 2012-06-30T09:56.
6. *日米韓、北情報交換で覚書締結へ　延期の日韓軍事情報包括保護協定の代替措置. 産経ニュース, 2014-12-22T13:01.
7. *ユ・ヨンウォン & アン・ヨンヒョン. 韓米日、北朝鮮の核・ミサイル情報共有へ. chosun Online (朝鮮日報／朝鮮日報日本語版), 2014-12-27T11:12.
8. *ソウル時事. 北朝鮮の脅威を優先＝韓国、反日世論に配慮－情報共有覚書. 時事ドットコム, 2014-12-26T18:19.
9. *日韓秘密軍事情報保護協定の署名 2016.11.23
10. *https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000205832.pdf
11. *韓国、ＧＳＯＭＩＡ破棄を正式に通知. ニコニコニュース, ロイター, 2019-08-23T18:12.
12. *【韓国GSOMIA破棄】“反日”のために北のミサイル情報を捨てた文在寅の「自殺行為」だ 2019.8.22