最上義定とは (モガミヨシサダとは) [単語記事]

最上義定（もがみよしさだ　？～1520）とは、出羽国の戦国大名である。最上家9代当主。山形城主。

概要

最上家8代当主・最上義淳の嫡男として誕生する。弟に中野義建、谷地輝幸がいる。

生年は1492年ともされている。

家督相続

1504年に父が病没すると最上家の家督を継ぐ。

近隣の豪族・寒河江氏（大江広元の後裔で毛利氏とは同族）でも寒河江家7代当主・寒河江宗広が同年に病没し、宗広の次弟・寒河江宗綱擁する宗広の次男・寒河江祥真派と宗広のもう１人の三弟・寒河江広直とその養子・寒河江広説（白岩満広の子）擁する六男・寒河江孝広派に分かれてお家騒動が勃発していた。

これに目をつけた義定は父死後間もないこともあり家中を統制することと隣国が混乱している中で勢力拡大できる絶好の機会ととらえて寒河江領に攻め込んだ。（この因果が10年後に最上家のもとに降りかかってくる）

広説の実父である白岩満広らの奮闘により3度侵攻したものの撃退される形になるが、和議により傘下に収めることに成功した。

寒河江氏の内紛は結局孝広側の勝利となり祥真と宗綱は謀殺され、翌年に孝広はわずか3歳で家督を継いだ。（この因果は17年後に最上家のもとに降りかかってくる）

寒河江氏の内紛状況

寒河江祥真

次期当主候補

寒河江孝広

寒河江宗綱

擁立者

寒河江広直

寒河江広説

出羽国南部（旧羽前国域、現山形県）について

前述では出羽国と記述したが、山形県域は戊辰戦争終結後～廃藩置県のわずか数年間は羽前国と称していたのでここの項だけ羽前国と記述する。

羽前国では置賜郡に伊達氏、最上郡に最上氏、村山郡に天童氏や寒河江氏や清水氏などの諸氏、田川郡（庄内地方）に大宝寺氏が治めていた。

当時と現在の最上郡と村山郡の場所や規模が違うことを理解していただきたい。中世は最上郡が南で村山郡は北に存在していたが、現在は最上郡が北にあり村山郡は南にある。また田川郡は当時は遊佐郡（現在の飽海郡）と櫛引郡に分かれていたが、便宜上1664年に合併された状態で記述することをご了承していただきたい。

伊達氏の侵略と衰退

田川郡では羽黒山を傘下に収めて絶対的な権力を手に入れていた大宝寺政氏が病没すると、その子・大宝寺澄氏が大宝寺氏庶家の砂越氏雄と内乱を起こすと漁夫の利を狙って寒河江まで出陣して情勢を伺った。

この時まで山形一帯有数の実力者であった義定の敵はいないものと思われており、天童氏や寒河江氏などの豪族が従っていた。

しかしここで待ったをかけた人物がいた。

西山城や米沢城を領する陸奥の有力大名・伊達稙宗（当時は高宗）であった。

1508年には伊達軍により上山領の高楯城を落として上山義房は天童城へと逃亡した。（上山氏は天童氏の庶流）

現在では山形市と上山市は隣接しており、これにより最上領と伊達領は隣接した。

1514年に稙宗の父・伊達尚宗が亡くなり家督を継いだ。

稙宗が家督相続したということで配下の忠誠心を図ったのか知らないが最上領へ侵攻し始める。

これに対する義定は天童氏などの最上氏庶流諸氏などを味方につけて長谷堂にて伊達軍と激突した。

しかし、岳父・山野辺直広や吉川政周などの有力武将を多数失い、尚宗の妹を娶るという屈辱的な和睦をさせられた。

この時正室であった山野辺直広の娘は自害はなかったにしろ離縁ないし出家させられたか側室に降格になったものと思われる。

長谷堂の大敗が契機となり、実質伊達氏の従属という立場となり、これ以降は勢力拡大もなく逆に衰退させてしまう。

失意の状態であった義定は1520年に嗣子がいないまま病没してしまい、最上氏は断絶の危機を迎えて当主空位の状態が続くこととなる。

直広の娘との間には男子が1人がいたとされるが義定の死後は行方知れずとなった。

義守の家督相続まで

1520年の義定の病没で当主空位となった最上氏は義定継室による伊達氏の支配に抵抗していた上山義房が挙兵するも、稙宗と戦って戦死した。

これを最上氏直接支配の口実ととらえた稙宗は最上領を刈り取っていくが、これに契機として反伊達の挙兵が相次ぎ、稙宗は最上氏の直接支配を諦めて従属支配は続行のまま自領へと戻った。

1522年に義定の大甥である最上義守がわずか2歳で家督を継ぎ、最上家隆盛へと向かうのであった。

義定の生年について

wikipediaやその他の記述ものでは1492年説が出ているが、1つの疑問が生じた。

理由は大甥・最上義守との関係である。

最上義守は1521年生まれであり、義定の弟・中野義建の孫にあたる。

また義守は中野義清の子であるが、兄に中野義政がいる次男であるためわずか29年の中での親子関係の説明が非常に難しくなる。（若狭武田氏の武田信豊のように13歳で子の武田義統が誕生するケースもあるがこれは極めて稀である）

＝最上氏略系図＝

最上義淳

─

最上義定

│

─

中野義建

─

中野義清

─

中野義政

│

─

谷地輝幸

─

最上義守

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける最上義定の能力一覧。

シリーズではただ1度、蒼天録にのみ登場する。しかもPK。

能力は伊達稙宗関連事案がクローズアップされており前半生は取り入れられていない……。

これも東北武将の宿命か………。

軍事能力

内政能力

戦国群雄伝(S1)

戦闘

－

政治

－

魅力

－

野望

－

武将風雲録(S1)

戦闘

－

政治

－

魅力

－

野望

－

教養

－

覇王伝

采配

－

戦闘

－

智謀

－

政治

－

野望

－

天翔記

戦才

－

智才

－

政才

－

魅力

－

野望

－

将星録

戦闘

－

智謀

－

政治

－

烈風伝

采配

－

戦闘

－

智謀

－

政治

－

嵐世記

采配

－

智謀

－

政治

－

野望

－

蒼天録

統率

知略

政治

天下創世

統率

－

知略

－

政治

－

教養

－

革新

統率

－

武勇

－

知略

－

政治

－

天道

統率

－

武勇

－

知略

－

政治

－

創造

統率

－

武勇

－

知略

－

政治

－

最上義定単語