根室本線 単語


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※台風の被害による橋りょう流出および路盤流出の影響で、東鹿越駅~新得駅間で当面の間、終日運転を見合わせます。バス代行輸送を実施しています。

根室本線(ねむろほんせん)とは、滝川駅と根室駅を結ぶJR北海道の鉄道路線(幹線)である。

概要

根室本線
基本情報
運行事業者 北海道旅客鉄道
起点 滝川駅
終点 根室駅
総路線距離 443.8km
総駅数 61駅
(一般駅:5駅、旅客駅:54駅、貨物駅:2駅)
路線記号 A(滝川)
T(東滝川~落合)
K(新得~釧路)
B(東釧路)
軌間 1,067mm
最高速度 120km/h
(上落合(信)~釧路)
95km/h
(滝川~上落合(信))
85km/h
(釧路~厚床)
80km/h
(厚床~根室)
全通 1921年8月5日

北海道鉄道敷設法によって、建設が決定した路線。

当初は、旭川駅が起点となっていたが、後に滝川駅に起点を変更した。(旧線の旭川駅~富良野駅は富良野線に改称)
その後、昭和41年に落合駅~新得駅が新線に切り替わり、昭和56年に石勝線が開通したことによって、札幌方面との所要時間が大幅に短縮された。

余談であるが、新線新狩勝トンネルから新得駅付近の地図を見てみると、トンネル東側から新得駅の間で不自然な曲線を描いていることがわかる。これは旧線を廃止し新線に付け替える際、当初は新狩勝トンネル東出口から南方へ曲がった後南東に直進し、そのまま十勝清水駅へと直結する予定で新線の建設が計画されていたからである
新得駅は当初新線の開通と同時に廃止される予定だったが、これを知った新得町の町議会や地元町民などから猛反対の声が上がり、結果的に新狩勝トンネル南方約5km付近から線路をUターンさせ、新得駅に繋げる方針へ変更された(地図だけを見ればトンネルから一見そのまま東側へ線路を伸ばして新得駅へ繋げれば良さそうにも見えるが、そんなことをすると列車が登れないような急勾配が出来上がってしまうため、そもそも無理な話なのである)。
さらには計画変更後に付近を線路が通ることが決まった道立畜産試験場から蒸気機関車の排煙による畜産物への悪影響を懸念する声があがり、トンネルを除いて試験場から原則1km以上離れた場所に新線を敷設するように、との要求があった。
こうした様々な要求を当時の国鉄が受け入れた結果、結果的に新狩勝トンネルから新得駅までの区間には不自然な曲線が出来上がってしまい、落合駅-新得駅間の距離も旧線より逆に200m長くなってしまった、という訳である。
もっとも、曲線半径と勾配の緩和により落合駅-新得駅間の所要時間は旧線と比べて概ね3分の2に短縮されている。

石勝線の開通により、滝川駅~新得駅での定期特急列車の運行はなくなっている(札幌駅~富良野駅間を運行する臨時特急列車はある)。ただし、普通列車・快速列車であれば、滝川駅~帯広駅は乗り換えなしで移動できる場合が多かった。これは、石勝線の新得駅~新夕張駅で普通列車が運行されていないという事情もある。

また1日1往復だけ、滝川駅から釧路駅を通して運行する普通列車・快速列車もあった(308.4km、釧路行きは全線普通列車・約8時間、滝川行きは帯広から快速・約7時間)。釧路駅行きの列車については、所要時間では最長の普通列車である(距離では山陽本線の岡山発下関行が最長)。このため、全線乗車した乗客に記念証明書をプレゼントするというキャンペーンを2015年度まで行っていた。

しかし、2016年の台風の影響で東鹿越駅〜新得駅間が不通となると、代行バスでの移動を余儀されることになった。また同区間を含んだ富良野駅〜新得駅間は乗客が少ないこともあって、経営難であるJR北海道にはこの区間を復旧する体力もなく、ついにはバス転換を検討すべき区間に指定されることになった。
当初は地元からは反対の声が強かったが、国からの支援が望めない状況で地元の金銭負担は不可能であることから、2022年に廃止・バス転換とする方向で意見がまとまった。
人口が少ない地域であることから、バス事業者との調整に時間がかかって廃止時期がなかなか確定しなかったが、最終的に2024年3月に廃止とすることで纏まった。整備新幹線の並行在来線以外では初の分断本線となる。

釧路駅~根室駅には「花咲線」の愛称がある。この区間は運行形態としても滝川・帯広方面とは分断されており、定期列車で釧路駅をまたぐ列車は存在しない。

旧線(落合駅~新得駅)について

1966年10月1日に廃止となった、落合駅~狩勝信号場~新内駅~新得駅の区間のこと。

新内駅付近にある狩勝峠は、日本新八景や鉄道省が選定した日本三大車窓の一つだった。
なお、廃線後に新内駅~新得駅は、1967年~1979年に狩勝実験線として、当時頻発していた貨物列車の脱線事故を検証するための実験や、火災事故時の列車の燃え広がり方などを検証するために廃車した客車を実際に炎上させた状態で走行するなど、様々なデータを得るための実験に使用された。

運行列車

2024年3月現在の情報を示す。

  • 特急「おおぞら」(新得駅~釧路駅)・「とかち」(新得駅~帯広駅)
  • 快速「はなさき」「ノサップ」(釧路駅~根室駅)

2024年3月15日までは快速「狩勝」が滝川駅~東鹿越駅間を運行していたが、末期には通過駅が東滝川駅と平岸駅の2駅のみと、ほとんど普通列車と変わらない状態であった。

使用車両

2023年1月現在の情報を示す。

  • キハ261系(特急「おおぞら」・「とかち」)
  • キハ40系(普通)
    • 2024年現在、滝川駅~東鹿越駅のみで使用。2022年3月11日までは新得駅~釧路駅でも使用されていた他、釧路駅~根室駅(花咲線)にも代走で入線する事があった。
  • キハ54形(普通・快速「はなさき」・「ノサップ」)
    • 釧路駅~根室駅(花咲線)のみで使用。釧路駅~東釧路駅は釧網本線の列車としても入線する。
  • H100形(普通)
    • 2022年3月12日より、新得駅~釧路駅の全普通列車で使用。

駅一覧

廃駅・廃止信号場及び過去の接続路線については、JR発足日(1987年4月1日)以降に存在していたもののみ掲載する。

本線

おおぞら:特急「おおぞら」 とかち:特急「とかち」 快速:「はなさき」「ノサップ」
●:停車 ▲:一部停車 |:通過
◇:列車交換可能 |:列車交換不可 ∨:ここより下は単線

駅番号 駅名 停車駅 ■乗換・備考 線路 所在地
普通 快速 とかち おおぞら
A21 滝川駅 石勝線直通 石勝線直通 ■JR北海道:函館本線 滝川市
T22 東滝川駅
T23 赤平駅 赤平市
T24 茂尻駅
T25 平岸駅
T26 芦別駅 芦別市
T27 上芦別駅
T28 野花南駅 ■JR北海道:根室本線(旧線)(1991年10月22日廃止)
滝里駅 1991年10月22日廃止(旧線区間)
(T29) 島ノ下信号場 2017年3月4日旅客駅から格下げ
■JR北海道:根室本線(旧線)(1991年10月22日廃止)
富良野市
T30 富良野駅 ■JR北海道:富良野線
T31 布部駅
T32 山部駅
T33 下金山駅 空知郡
南富良野町
T34 金山駅
T35 東鹿越駅
T36 幾寅駅 平成28年台風第10号による不通区間
T37 落合駅 平成28年台風第10号による不通区間
上落合信号場 (石勝線との設備上の分岐点)
新狩勝信号場 上川郡
新得町
広内信号場
西新得信号場
K23 新得駅 ■JR北海道:石勝線
K24 十勝清水駅 上川郡
清水町
平野川信号場
(K25) 羽帯駅 2018年3月17日廃止
K26 御影駅
上芽室信号場
K27 芽室駅 河西郡
芽室町
K28 大成駅
K29 西帯広駅 帯広市
帯広貨物駅 貨物駅
K30 柏林台駅
K31 帯広駅
K32 札内駅 中川郡
幕別町
(K33) 稲士別駅 2017年3月4日廃止
K34 幕別駅
K35 利別駅 中川郡
池田町
K36 池田駅 ■北海道ちほく高原鉄道:ふるさと銀河線(2006年4月21日廃止)
昭栄信号場
K37 十弗駅 中川郡
豊頃町
K38 豊頃駅
K39 新吉野駅 十勝郡
浦幌町
K40 浦幌駅
常豊信号場
(K41) 上厚内信号場 2017年3月4日旅客駅から格下げ
K42 厚内駅
(K43) 直別信号場 2019年3月16日旅客駅から格下げ 釧路市
(K44) 尺別信号場 2019年3月16日旅客駅から格下げ
K45 音別駅
(K46) 古瀬信号場 2020年3月14日旅客駅から格下げ 白糠郡
白糠町
K47 白糠駅
K48 西庶路駅
K49 庶路駅
東庶路信号場
K50 大楽毛駅 釧路市
K51 新大楽毛駅
K52 新富士駅 ■釧路開発埠頭:西港線(1999年9月10日廃止)
釧路貨物駅 貨物駅
新富士駅の構内に所在
K53 釧路駅 ■JR北海道:根室本線(貨物支線)(1989年8月1日廃止)
B54 東釧路駅 ■JR北海道:釧網本線
武佐駅
別保駅 釧路郡
釧路町
上尾幌駅 厚岸郡
厚岸町
尾幌駅
門静駅
厚岸駅
糸魚沢駅 2022年3月12日廃止
茶内駅 厚岸郡
浜中町
浜中駅
姉別駅
厚床駅 ■JR北海道:標津線(1989年4月30日廃止) 根室市
初田牛駅 2019年3月16日廃止
別当賀駅
落石駅
昆布盛駅
西和田駅
花咲駅 2016年3月26日廃止
東根室駅 日本最東端の駅
根室駅

貨物支線(1989年8月1日廃止)

駅名 ■乗換・備考 所在地
釧路駅 ■JR北海道:根室本線(本線) 釧路市
浜釧路駅 貨物駅

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関連項目

  • JR北海道
  • 鉄道事業者・路線一覧
  • 駅名一覧(北海道地方)
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