永瀬拓矢とは、将棋棋士である。1992年、神奈川県横浜市生まれ。安恵照剛八段門下。
2015年現在、六段。C級2組に在籍中。
6歳の頃に祖父から将棋を教えてもらったのが、将棋との出会い。小学校6年生で奨励会に入会し、2009年・17歳で四段昇段を決めてプロ入りを果たす。
2011年には18連勝を記録し「最多連勝賞」を、2012年度には新人王獲得・加古川清流戦優勝・勝率1位賞も獲得、2013年には再び「最多連勝賞」を獲得。2013年には順位戦C級2組在籍ながら、「竜王戦ランキング戦・3回優勝」の規定により六段昇段も決めている。
2014年度の棋王戦挑戦トーナメントで羽生善治三冠(当時)を破るなどして挑戦者決定戦まで勝ち上がるが、三浦弘行九段に破れ、惜しくも挑戦を逃す。
2015年3月現在も通算勝率が7割を超える若手俊英として活躍を続ける中、2015年3月より行われる「電王戦FINAL」への出場も決まっている。
デビューの頃は三間飛車を得意としていたが、2013年頃に居飛車党へ転向。かの大名人、大山康晴にも例えられる受けの強さは同じプロにも讃えられている。
が、その棋風以上に彼の代名詞とされるのが「千日手を全く厭わない」姿勢にある。棋士にとってちょっと有利かも?とされる先手番を持っても、不利な状況・面白くない状況に置かれたならば、すぐに千日手の筋を手繰り寄せようとする豪腕の持ち主。
2011年のNHK杯に出場した際も、佐藤康光九段相手にNHK杯では初の「2回千日手」の末に勝利を収めるなど、勝利に対する貪欲さは刮目すべきものがある。
著書のタイトルも、誰が付けたか「永瀬流 負けない将棋」。
先にも述べたが、電王戦Final・第2局へ出場することとなった永瀬六段。ルールに則り貸し出された対戦相手のソフト、「Selene」と事前練習を積み重ね、直前のインタビューでは「角が勝負の鍵になる」「将棋には勝ち負けではない方法がある」と述べていた。
ほぼ全てのファンはこう思っただろう。「あ、千日手やるなコレ」
(今回のルールでは16時を過ぎて千日手が成立すると、引き分けになる)
勝負の鬼、永瀬六段が何を繰り出すのか。ファンの注目を集めながら始まった第2局は、相居飛車からの力戦型という「コンピュータを相手にする人間にとっては相当勝ちにくい戦型」となり、進めるうちに千日手に出来る可能性も消えていった。
しかし永瀬六段はSeleneと互角の読み合いを6時間以上にわたって続け、ギリギリのせめぎ合いとなる。先に王手をかけたのは永瀬六段。 86手目・△16角で王手、次いで88手目に放った△27角成らず(王手)。
あえて「成らず」で、Seleneに時間を使わせるのか?…と視聴者がいぶかる中、事件は起きていた。
Seleneは「角・飛車・歩の成らず」を正しく認識するようプログラムされておらず、Seleneは自玉の王手を放置して89手目・▲22銀と指してしまったのだ。王手放置の反則である。
停止するSelene。何事が起きたのか分からず混乱する現場で、永瀬六段は悠然と述べた。
「これ、放っておくと投了しますよ」
「勝ち負けではない方法がある」ってこういうことかー!!(AA略)
1時間後、ルールに則り「王手放置の反則」にてSeleneの反則負け。永瀬六段の勝利となった。
局後の大盤解説・記者会見にて永瀬六段の真意、「仮に対局が続いていた場合の展開」が明かされ、視聴者はまた度肝を抜かれる。
と、自らの勝ちを読み切った上でバグを指摘するという離れ業だったことが判明。さらに練習対局で、永瀬六段はSeleneにトータルで1割程度しか勝てていないこと、今日の戦型では一度も勝てなかったことも自ら告白した。
「1割しか勝てなかったが、本番でその1割を引けばいいかなと思っていた」
とにこやかに普段通り語る永瀬六段。完璧な勝利を追求する鬼軍曹、勝負の鬼の面目躍如であった。
解説も上手いよ!イベントのお手伝いも頑張るよ!
「電王戦FINALへの道」では他にも永瀬六段の素顔が垣間見れます。
永瀬拓矢に関するニコニコミュニティを紹介してください。
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最終更新:2025/12/06(土) 17:00
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