江戸を斬るとは、TBS系列で月曜夜8時にナショナル劇場(現・パナソニックドラマシアター)枠にて全8シリーズが放送された日本のテレビ時代劇のことである。
第1作:江戸を斬る 梓右近隠密帳(1973年9月24日~1974年3月25日)
第2作:江戸を斬るⅡ(1975年11月10日~1976年5月17日)
第3作:江戸を斬るⅢ(1977年1月17日~7月11日)
第4作:江戸を斬るⅣ(1979年2月12日~8月6日)
第5作:江戸を斬るⅤ(1980年2月6日~8月11日)
第6作:江戸を斬るⅥ(1981年2月16日~8月24日)
第7作:江戸を斬る(1987年1月26日~8月17日)
第8作:江戸を斬る(1994年1月31日~7月25日)
主演はパート1が竹脇無我、パート2~6が西郷輝彦、パート7~8が里見浩太朗。
梓右近は将軍・徳川家光の異母弟・保科正之の双子の弟であるが、双子は忌み嫌うものとして捨てられており、大久保彦左衛門に育てられ、現在では長屋に気ままに暮らしている浪人という設定。
3年ぶりに再会した大久保彦左衛門の口ききで、将軍の依頼を引き受けた(最初は断ったが兄・保科正之の説得で引き受けた)右近が、葵の紋所入り懐剣を手に悪を成敗するというもの。
ちなみに真の敵は、幕府転覆を狙う由井正雪(成田三樹夫)。
パート2以降とはキャラクターや時代設定が違い、続編も作られていないのが梓右近隠密帳の特徴である。
『江戸を斬るⅡ』以降からは主人公が『遠山の金さん』でおなじみの「遠山金四郎」となっているが、本作では『金さん』でおなじみの桜吹雪の彫り物は滅多に見せることがない(1シーズンを通してもだいたい2~3回。例外は前半~中盤までに桜吹雪が集中したパート5ぐらい)ので見られた場合は非常にラッキーと思うべし。
また、この金四郎は桜吹雪を見せることを恥としており、お白州で桜吹雪の彫り物を悪人に見せる際に「よくも俺に恥をかかせやがって!」などと言うのも特徴(パート2で大滝秀治演じる悪人相手の時は怒り心頭だった)。
パート2と3では侍姿で活動していた金四郎も、パート4~6では普段は「大工の金公」と称して活動しており、悪人の屋敷に乗り込む際はだいたいがこの大工姿で乗り込むため、桜吹雪の彫り物を見せることはないが、羽織と前掛けを外した状態で乗り込んだ場合は間違いなく見せてくれるので、悪人の前に現れる時の格好で桜吹雪の彫り物を見せるか見せないかの判別ができる。ただし桜吹雪を見せそうな格好をしていても見せない場合もあるので注意。
パート5と6では、ほぼ毎回悪人に向かって言う決め台詞に「お江戸の悪(ワル)を許しちゃおけねぇ男よ」がある。
それ以前のシリーズでも似たような台詞を言ってはいたが、1~2回ぐらいであり決め台詞でもなかった。
パート7~8では、『遠山の金さん』みたいに遊び人(風)の金さんとして活動しているため格好も『遠山の金さん』に近く、桜吹雪の彫り物も見せる頻度が パート2~6に比べるとかなり高い。また、パート7では白頭巾にも扮しており、紫頭巾のテーマ曲(?)をバックに悪党をやっつけている(白頭巾で痛めつけ た後、遊び人の格好で屋敷に乗り込み桜吹雪の彫り物を見せるというパターンもある)。
また、パート7から7年後に放送されたパート8では、パート1~7まで出演していた松山英太郎(パート1:葵小僧、パート2~6:次郎吉、パート7:雨森 忠助)とナレーターの芥川隆行が既に他界しているため、左とん平演じる丁の目の半助と二宮さよ子演じるお蘭が次郎吉ポジションに、ナレーターは杉山真太郎 になっている。
なお、パート4~6ではお京・金太・石橋堅太郎のみ金公=金四郎であることを知らなかったが、パート7と8では金四郎の関係者全員(ライバル南町の同心は除く)が金さん=金四郎であることを知っている。
ち なみに里見浩太朗は、パート7が始まる4年前の1983年(パート6終了から2年後)にフジテレビ系列でやっていた『秘剣揚羽蝶 源氏九郎颯爽記』という時代劇スペシャルで遠山金四郎(主役の源氏九郎と二役)を演じたことがあるが、そこでも普段は「遊び人の金さん」に扮していた。
現在パート2がDVD化されているが、2011年11月18日にはパート3のDVD-BOXも発売された。
『江戸を斬るⅡ』以降のもう一人の主役と言ってもいいのが松坂慶子演じる「紫頭巾」である。
紫頭巾の正体は魚屋「魚政」の長女の「おゆき」で、この「おゆき」は実は水戸藩主・徳川斉昭の娘である。
(松坂慶子自体は『梓右近隠密帳』にも別の役で出演している。)
金四郎とおゆきは相思相愛であり、『江戸を斬るⅢ』にてようやく結婚している。
結婚後もおゆきが紫頭巾として活動しているため、金四郎はなんとかやめさせようと躍起になるもの、生来のじゃじゃ馬ゆえになかなか言うことを聞いてくれないのが悩みの種であろう。
ただ、紫頭巾が現れる時は大概が金四郎のピンチの時なので、金四郎もあまり強く言えていない。
視聴者にとっては、このときのラブラブぶりも見どころのひとつである。
『江戸を斬るⅣ』以降、演じる松坂慶子が多忙のためか江戸を斬るへの出演が激減している。
出演していても紫頭巾が出なかったりと残念なことが多くなっている。
なお、里見浩太朗版の第1作目は設定がリニューアルされたため紫頭巾は登場することがなかったが、それから7年後に復活した第2作目はパート2~6に近い設定になったためか、紫頭巾=ゆきも復活、第5話より登場する。
第2作目でのゆきは大御所(徳川家斉)の御落胤の一人という設定で、演じたのは演歌歌手の城之内早苗である。
『江戸を斬るⅤ』以降の殺陣のシーンのほぼ毎回で勇ましいBGMが流れるようになったが、実はこの曲は金四郎役の西郷輝彦主演の時代劇『風鈴捕物帳』からの流用曲である。
ただし『風鈴捕物帳』での使用例は第7話と最終回のみであり、『江戸を斬る』のように主役(新吉)のアクションシーンで使われる事はなかった。なお、OPアレンジ(初期殺陣のシーンやラストシーン、次回予告で使用)曲も『江戸を斬るⅧ』の紫頭巾の登場シーンで使われている(逆に『江戸を斬る』のBGMも『風鈴捕物帳』で使用されている)。
ちなみに主演の西郷輝彦をはじめとして、谷勘一、山口いづみ、鈴木ヒロミツ、片岡千恵蔵など、『江戸を斬る』シリーズの出演者がレギュラー出演しており、里見浩太朗も第1話で南町奉行・筒井伊賀守役で出演している。
また、音楽担当はいずみたく、ナレーターは芥川隆行と共通している。
なおここまで書いておいてアレだが、『風鈴捕物帳』は石森章太郎(現・石ノ森章太郎)の原作をもとにテレビ朝日系列で放送された東映制作の時代劇であり、TBS系列のナショナル劇場枠ではない(東映は『江戸を斬る』では製作協力)。
オープニングでは、松山兄弟が3番目に、鮎川いづみと榊原るみが4番目にそれぞれ連名でクレジットされている。
このⅣのみ三船プロダクションが製作協力となっており、三船敏郎が千葉周作役としてゲスト出演している。
Ⅰ~Ⅴのオープニングでは2番目にクレジットされていた松坂慶子であったが、Ⅵでは一番最後(トメ)に表示され、由美かおるが代わって2番目となった。
番組タイトルには「Ⅶ」の文字はない。
番組タイトルには「Ⅷ」の文字はない。
オープニングでは、渡辺徹が2番目、城之内早苗と中野みゆきが3番目(連名)、江藤潤が4番目にクレジットされているが、渡辺徹が登場しない回では城之内&中野ではなく江藤潤が2番目となっている。
主題歌がついたのはパート2以降。
「ねがい」(歌:西郷輝彦(Ⅱ~Ⅵ)、里見浩太朗(Ⅶ~Ⅷ))
西郷版のに比べると里見版はスローテンポな曲になっている。
江戸を斬るに関するニコニコミュニティを紹介してください。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 21:00
最終更新:2025/12/06(土) 21:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。