海上保安庁とは、日本の沿岸警備隊的存在である。
海上の安全と保安を維持する目的で設置された日本の省庁の1つで、国土交通省に属する。
諸外国の沿岸警備隊・国境警備に相当する組織であるが、後述の通り、警察組織と言い張るには無理があるほどの装備を持っている。日本で実戦経験を一番積んでいる組織かもしれない。
海難事故が起こった際に救助を行う組織、または日本のEEZ=排他的経済水域に侵入する密漁船と戦っている組織としてのイメージがあるが、正確には
の4つが主な任務となる。
前述した、事故などの際の救助業務、密漁船・領海侵犯・密漁などに対する警察的業務などはもちろん、海上の船舶の交通管理と、海図の作成や天候情報などの海洋情報の管理も、同庁の業務となっている。
日本の領海・EEZを主に担当している。
災害救助の際などに海上自衛隊と協力することもある。諸外国の船に対応する際、艦艇に対しては海上自衛隊が、船舶に対しては海上保安庁が担当するようになっている。
日本政府の見解では、同庁は軍事組織ではない。原則として、軍事活動には参加しないとされている。諸外国の沿岸警備隊が軍事活動に参加することを認められていることに対して、特徴的な面である。
もっとも、海上保安庁を、それらの他の警備隊と同じく『準軍事組織』として見なす国も多い。
日本が島国であり、EEZ面積も非常に広いこともあってか、世界の沿岸警備隊の中でもトップクラスの重装備。
平時活動している船舶数ではアメリカのコーストガードをも上回っており、同組織とガチでやり合えるとも言われる。
船艇の総保有数は459隻。航空機の保有数は73隻である。これで警察組織であると主張するのはよほど面の皮が厚くないと出来ないが、実際は、日本の持つ広大なEEZの警備・管理にはこれでも足りないぐらいである。
その内訳と役割は以下の通りである。
船艇の大半を占める。その名の通り、警備救難の任務を担う船艇。
巡視船116隻、巡視艇230隻、消防船5隻、消防艇4隻、特殊警備救難艇64隻から成る。
後述の通り、40mm機関砲を積んだ化物から、機関砲4門に加えて対空レーダーまで装備したどう見ても駆逐艦としか思えない船艇など、強烈な船艇が揃っている。
もしまかり間違って密漁船に乗ることになっても、見つかった時に特攻しようとかは考えてはいけない。衝突してきた密漁船はほぼ例外なく転覆・沈没の憂き目に遭っている。
海上の警備において、いちいち海自が出動していては諸外国への刺激となるため、海上保安庁の装備が強化されていくのはある意味仕方ないとも言える。
消防船は、「ひりゆう型」の名で有名。40m先の消火対象に放水可能な優れものであり、特に2代目は、最高27mに達する伸縮型放水塔も備えている。いずれも優れた実績を持つ。
特殊警備救難艇には、放射能漏れを検査する船艇などが含まれている。
海底地形の測量、潮流の調査、海洋汚染の程度を調べる船艇。
正確には、海洋情報業務用船。
灯台・ブイ・電波標識の管理を行う船艇。
灯台の設置は海上保安庁の業務である。灯台見回り用船艇はこの船艇のうち21隻を占めており、絶えず全国の灯台を管理している。
残りの3隻は実習用。
警備や救助、監視などの業務に加え、火山調査・沿岸警備・被災地への物資輸送などにも用いられる。
飛行機27機、ヘリコプター46機から成る。
海上保安庁の保有する巡視船のうち13隻は、700トン以上の大型船『PLH型』であり、いずれも遠方海域での大規模な救助活動の際の総拠点的役割を担っている。が、その中でも、排水量6500tの最大型船艇が、この「しきしま」である。
プルトニウム輸送船の護衛という最も危険な任務を担当しているためか、35mm機関砲・20mm機関砲をそれぞれ2門ずつ装備している。これは、控えめに見ても駆逐艦並みの装備である。また、海自の護衛艦でも現役のOPS-14対空レーダーを装備しており、上空からの襲撃にも対応できるようになっている。
また、大型ヘリ・AS332「シュペールピューマ」を2機搭載しており、周辺海域の哨戒能力も高い。
本来は護衛艦として建造されたものであったため、この重装備もある意味当然である。
また、プルトニウム輸送護衛という任務の性質上、その航路・日程は一切機密事項となっている。内部構造も、シージャックを防ぐために国会議員以外には非公開である。さらに、任務中、船内では小銃を装備した特殊警備隊がスタンバイしている上、乗組員の殆どは海保の職員名簿に名前が載っていないという徹底ぶりである。
本来ならば上記の排水量なども全て機密であった。
今のところ、護衛任務は全て問題なく成功させている。
1992年には、グリーンピースのキャンペーン船「ソロ」が「しきしま」に衝突してくるという事件が起こったが、どう贔屓目に見ても勝ち目の全く無い行動であったため、今ではグリーンピース的にも黒歴史である。ある意味勇敢にも見えるが、もし「しきしま」が本気を出していた場合、例え「ソロ」にセガールが乗っていても撃沈は免れなかったケースである。
4隻存在する巡視船。『PS』は、350トン以下の小型巡視船の区分。
目標追尾型遠隔操縦機能=RFS付20mm機関砲を搭載した怪物。荒れた海の上でも、目標を正確に捉える。
東シナ海の北朝鮮工作船事件で出動したPS03「いなさ」、PS04「きりしま」が有名。
もともと、日向灘不審船事件を契機に開発された船艇であり、その意味では、工作船とやりあうために生まれた船艇であるといえる。
特にブリッジ部分の防弾に十分配慮が成されており、工作船からの銃撃を受けても損害は軽微であった。
荒れる東シナ海の上でも、逃げる工作船を執拗に追い掛け回す機動性を見せた。
最終的には、「いなさ」が工作船を20mm機関砲によって撃沈している。 詳しくは関連動画参照。
PL型は、700トン以上の船艇のうち、「しきしま」などのPLH型以外の、ヘリコプターを搭載していない船艇。
250フィートの大型船艇でありながら、対工作船任務用に機動力を確保するため、船体が軽合金で建造されているという、当時は世界でも類を見なかった船艇。防弾措置は問題なく施されている。
高精度の射撃管制装置=FCSに連接された40mm機関砲を装備している。この機関砲は非常に有効射程が長く、工作船乗員が所持していることもあるRPG-7、携行型対空ミサイルなどの射程外から射撃を行うことが出来る。
また、停止命令を表示する電光掲示板と、赤外線を利用した捜索監視装置を備えており、特に夜間の警備行動に優れている。
↑「いなさ」「きりしま」が出動した、東シナ海の工作船事件の概要。
↑海上保安庁の紹介。
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最終更新:2025/12/07(日) 02:00
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