爆発反応装甲(Explosive Reactive Armour、ERA)とは、爆発することで敵弾のダメージを軽減、あるいは無くす装甲である。要するに戦車とかに張り付いている弁当箱もどきのアレである。
構造は金属の箱の中に爆薬が入っているという、字面だけなら非常に簡単な代物。
敵弾が着弾した際にその衝撃を感知し起爆、敵の弾、特にHEAT弾のメタルジェットを横合いから殴りつけることによりその侵徹を阻害することで防御を行う。そのため防御の効果が発揮されるのは最初の一回こっきりである。横からぶつからないと弾やメタルジェットを邪魔する効果が薄く、敵弾を水平として斜め30度ほどの角度が付いていることがベストとされる。そのため戦車の砲塔などに取り付ける際には金具を使って斜めに取り付けるなどの工夫がされることが多い。また、敵の機関銃など素の装甲で耐えられる程度の弱い攻撃で爆発していたら面倒極まりないので一定以上の圧力でしか爆発しない様になっている。
上記のようにERAとは一長一短の要素が強い。しかし利点である格安で簡単に防御アップが狙えるという利点は非常に大きく、世代が古くなったり装甲の劣る戦車でもある程度実戦に耐えるようにできるため世界中で大人気である。
特によく目にするのが、世界中にばら撒かれた装甲貧弱なパットン系列やモンキーモデルのソ連製戦車にERAを山盛りにし、場合によっては電子機器などのアップデートをも行う近代化である。時に整然と、時に乱雑にERAが貼り付けられたそのゴテゴテした姿はなんともいえない独特な雰囲気を漂わせている。
登場当初は装甲の貧弱な旧式戦車の防御力の水増し程度に考えられていたが、近年では非対称戦の増加による死角部分からの対戦車ロケット・ミサイルによる攻撃・被弾が増え、主装甲では補いきれない側面の防御に効果的であることから今までERAを軽視しがちだった西側でも搭載事例が増えている。特に最近は西側対戦車ミサイルのロングセラーであるTOWが西側3世代戦車相手に猛威を振るい、ERA搭載のロシア戦車がそれらに対して高い生存性を誇ったことから見直しが急速に進められている。そのため、これからもあちこちで利用され続けることだろう。
シリアに輸出されたT-90にはショトラ(敵戦車のレーザー測遠やレーザー誘導式の対戦車ミサイルの照準を自動的に感知して照準撹乱の赤外線、レーザー、発煙弾によって敵弾の命中を防ぐ)が付いていた。しかし反政府軍のTOWがあっさりと命中する動画がネットにアップロードされた。
明らかにショトラは機能していなかった。装置のスイッチがそもそも入れられていなかったと思われる。ただ、T-90自身は撃破されなかった。爆発反応装甲が設計通り機能したのだろう。
米軍の持つTOWの最新型は爆発反応装甲への対抗として命中の前に小さな先行爆発を起こしてERAを過早にはじけさせたり、ERAがない上面を攻撃するようにしているが、反政府ゲリラに提供されていたのはずっと古いモデルだった。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/10(水) 21:00
最終更新:2025/12/10(水) 21:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。