精神現象学とは、G・W・F・ヘーゲルによる哲学書である。1807年に刊行された。
原題は「学の体系」(System der Wissenschaft)。意識・自己意識・理性が、弁証法によって絶対知に発展してゆく過程を叙述したもの。精神という主人公が様々な寄り道をしながら自己成長をとげていく物語とも形容される。
ヘーゲル哲学においては、『大論理学』『エンチクロペディー』『法哲学』に先立つヘーゲルの初の著書であり、ヘーゲル哲学の導入として位置づけられる。
なお、『精神現象学』を、カント『純粋理性批判』やフィヒテ『知識学の基礎』に並ぶ「難解書」と呼ぶことがある(『知識学の基礎』ではなく、ハイデッガー『存在と時間』が入れられることもある)。
CだけAA・BBというややこしいナンバリングがされているが、これには理由がある。元々Cについては「理性」と「絶対知」のみが叙述される予定であったが、後から「精神」「宗教」が追加されたのである。
他にも序論が二つあったり、同じ単語であっても前と後で違う意味で用いられていたりと、整理されていない書物であることはヘーゲル自身が認めていたようである。
『精神現象学』について解説した本は多いが、特に有名なのは、アレクサンドル・コジェーヴという20世紀の哲学者のものである。彼が行った講義は『ヘーゲル読解入門』にまとめられ、フランス現代思想に大きな影響を与えた。
ちなみに、東浩紀が提唱する「動物化」という概念はコジェーヴが元ネタである。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 22:00
最終更新:2025/12/06(土) 22:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。