統一球変更隠蔽問題とは (トウイツキュウヘンコウインペイモンダイとは) [単語記事]

統一球変更隠蔽事件とは、2013年度からやや飛びやすくなるように仕様が調整されていたにも関わらず隠蔽していた事件である。

概要

この事件を語る前に統一球について説明をする。

そもそも統一球とはWBC等国際基準に合わせる事や球団間で使用するボールが異なる事で公平性が欠く事がありその為2011年度から12球団全てがミズノ製の低反発ゴム材を用いた統一球を採用した制度である。なお、この制度を導入したコミッショナーは加藤良三である。

結果として2011年度と2012年度はプロ野球ファンならご存知の通り極端な高投低打となってしまった。

ちなみにこの統一球、メジャーで使用されてる球と比べるとメジャーの方が高く弾んだらしく、2012年のプレシーズンマッチで対戦した巨人や阪神の複数の選手からの証言も出ている。

ソース→http://number.bunshun.jp/articles/-/221063?page=2

そういう経緯等もあって、当時日本プロ野球選手会である新井貴浩はNPBと12球団に、統一球について改めて検証と見直しを求めている。

が、NPB側は否定的な回答もし2013年度も使用される事にもなった。

そして2013年度シーズン開幕戦以降、異変が起きた。今までと違い球が弾むようになったのだ。

例として上げるなら発覚する6月11日までトニ・ブランコが23本も本塁打を放った事、統一球に苦しんでいた小笠原道大等が復活した事、6月5日の試合で陽岱鋼が統一球初の看板直撃弾を放つ等異常とも思える本塁打が急増した。

この事実に色んな所から今季から球が変わったのではないかと疑惑が出たが、NPBも製造元であるミズノも一貫して否定した。

何が問題か

契約、選手生命

日本プロ野球選手会の嶋会長は「ボールが飛ばなかったシーズンを基準に出来高契約を結んでいる選手（投手）もいる。労働条件が変わってしまっている」と怒っており、6代目選手会を勤めた宮本慎也も「去年で辞めた選手で、もう１年できた選手もいるかもしれない。出来高でも、ホームラン打者ならこれぐらい、という線で結んだら、（ボールが変わって）その倍打つかもしれない。選手だけの問題じゃなく、球団経営にも影響が出てくる」と見解を示している。

この通り労働条件が変わってしまった事で給料や選手生命が大きく狂ってしまう。

八百長疑惑、あるいは同然

オリックス監督の森脇浩司が「今年のボールは明らかに飛距離が違う。配球で間違いがあると、取り返しがつかなくなる」と語ってる通り当然結果にも影響してしまう。つまり場合によっては選手や監督、コーチが知らない八百長が起こる事もありうる・・・いや疑惑も出てしまう。球を変える事によって打撃が得意の特定の球団が有利になる事があるからである。