電王手くんとは、第三回将棋電王戦で登場した、将棋専用のロボットアームである。
第二回電王戦までは、人間(第一回は中村太地六段、第二回は奨励会員の三浦孝介初段{いずれも当時})がソフト側の代指しを務めていたのだが、「人間対コンピュータ、という構図が分かりにくく絵にならない」(飯田弘之・北陸先端科学技術大学院大学教授{元プロ棋士})という要望に応え、DENSOが急きょ製作。一か月という短期間ではあったが、「電王戦ファンが多く製作は大いに盛り上がった」というメーカーの熱意が不可能を可能にした。
構造を簡単に説明すると、自動車のボディのスポット溶接に使われる6軸ロボットアームの先端を、盤上を照らすサーチライト、駒の種類を読み取るカメラ、駒を吸い上げ移動させるシリコンゴム製の吸盤からなる「将棋マニピュレータ」に換装したもの。別体で成り動作のために駒を持ち替える台を駒台の反対側に設置、ここに「人間対コンピュータ」の象徴的場面が出現することとなった。
「棋士のみなさんに対する尊敬の意を込めた動きを見せたい」(株式会社デンソーウェーブ澤田洋祐氏)という宣言通り、デビュー戦となる第一戦・菅井竜也五段との対局で駒を大橋流に並べたのち深々と「お辞儀」、第二戦・佐藤紳哉六段との対局では佐藤六段、記録係、客席の三方向に礼を捧げたのち初手▲1六歩(最新定跡「端歩突き越し戦法」の一手だが「月下の棋士」を知っていれば大笑い必至)、第三戦・豊島将之七段との対局では会場からも拍手が上がるほどのかわいい見事な投了動作を見せる、など面白真面目な動きで視聴者を魅了。第三回将棋電王戦全5局の代指しという大役を見事に果たした。
アームが棋士にぶつからないようにするための各種安全装置・センサー類も充実しており、「技術王国日本ここにありだいぶあさっての方向に」を体現する機械である。
ドイツにゃ人間と卓球の試合するロボットがあるけどこっちだって負けてね~ぞww
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最終更新:2025/12/22(月) 18:00
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