電脳冒険記ウェブダイバーとは、株式会社タカラ(現:タカラトミー)のプラグイットシリーズの一環として展開したロボット玩具の第一弾、およびそれに基くロボットアニメである。
一部の描写(主に登場するロボット達)の描写にCGを用いたアニメや、TVと連動してゲームが遊べる玩具が話題となった。
-時は西暦2100年-
コンピュータ文化が栄え、「ワールドリンク」というコンピュータネットワークが世界中に展開する時代。
その膨大な電脳世界の中の一角には、世界中の子供達が交流する仮想体験空間「マジカルゲート」が存在した。
しかし、そのマジカルゲートに謎の悪性コンピュータープログラム「デリトロス」が現れる。
デリトロスはマジカルゲートの機能を侵蝕、ワールドリンクならびに人間世界をも消滅させるべく動き始める。
小学4年生の「結城ケント」は、マジカルゲートを守る防衛プログラム「ウェブナイト」の一員である「グラディオン」と出会い、弟であるカイトや自らの友達を救う為デリトロスと戦うことを決意するのであった。
結城ケント 声 - 小林由美子
本作の主人公、グラディオンのウェブダイバー(ウェブナイトとシンクロ出来る少年)となる。
剣道が得意技で、その実力は大人並とも言われている。加えて機械工作も得意。
ウェブナイトであるグラディオンと深い友情を築き、その関係が後に物語の大きな鍵となる。
有栖川アオイ 声 - 菊池志穂
本作のヒロインとも言うべき存在。ケントの幼馴染で、優れたコンピューター操作技術を持つ。
当初は彼女が最後の敵という案もあり、その名残が前期OPの1カットに残っている。
ジャン・ジャック・ジャガール 声 - 中井将貴
マジカルゲート内でケントと友人になったフランス人の少年。首元の翻訳機を介してケント達と意思疎通をしている。
特技はフェンシング、また料理が得意。
浅羽ナオキ 声 - 竹内順子
ケントの親友にしてライバル。
負けん気が強い熱血漢で、百番勝負と称しケントと張り合うことが多々。
粗暴な性格だが時に繊細な一面も見せる。
倉知ショウ 声 - 甲斐田ゆき
ケントのクラスメイト、冷静な判断力と何でもこなす器用さの持ち主。ケント達からは厚い信頼を得ていた。
クールに見えて性格は温厚。ケントの弟「結城カイト」とも仲が良く、しばしば彼の支えとなる。
結城カイト 声 - 高木礼子
ケントの弟、小学1年生。
デリトロスによってマジカルゲート内に閉じ込められるが、後にケントとグラディオンの活躍により現実世界へと帰還した。
カロン 声 - 甲斐田ゆき
ケントの父親である「結城タケト」が作ったミニコンピュータ。マジカルゲートの管理プログラムがインストールされている。
語尾に「ピョコ」を付けて話すのが口癖。
グラディオン 声 - 杉田智和
マジカルゲートを護るウェブナイトのリーダー、騎士形のウェブナイトで機関車に変形することが可能。
勇敢で強い意志の持ち主で、正々堂々とした戦いを信条としている。
ケントと堅い友情で結ばれ、もう一人の主人公とも言える活躍をする。
CGによる描写やTVと連動した玩具が売りである本作品だが、それらの要素に対する評価は製作者側の期待に反してあまりにも残念なものだった。
当時からTVアニメ業界で注目されていたCG描写は、手書きアニメとの親和性が無く違和感バリバリな上に、棒立ちでロボット達がロクに動かないという有様で、CGの利点を生かしきれて無く、お世辞にも良いものとは言なかった。
このCG描写が導入されたのはスポンサー側のタカラの意向で、「電脳世界の雰囲気を出すため」「以前CGを導入したビーストウォーズが成功したため」といった理由で無理矢理導入したモノらしい。CG描写に関わったスタッフは3人だったという噂も。
スタッフは当初手描きアニメーションでの製作を念頭に入れていた様だが・・・。
TVと連動して遊べるというギミックを持つ各種玩具「ウェブナイトシリーズ」も、そのギミックがアダとなり値段が高騰、対象となる子供たちには少々手を出しづらい玩具となってしまった。
特にシリーズのフラグシップである「DXグラディオン」は、TVゲームとしての機能を内蔵している為に定価7980円という高価な商品となり、子供たちや小売店を泣かせる結果となった。(そもそもグラディオンを除く「ウェブナイトシリーズ」の連動ギミックは、グラディオンをTVに繋がないと機能しない)
結果、ウェブナイトシリーズの売り上げは伸び悩んだ。
かくして、駄目アニメと駄目オモチャのタイアップが問題視されたウェブダイバーであるが、個性的なキャラクターや独自の世界観で展開するストーリーは視聴者達に評価され、今でも懐かしアニメとして支持する声は多い。
また、CGを除いた手描き描写の完成度・安定性には定評がある。
特に最終回における、本来の姿を取り戻したグラディオンとデリトロスのバトルシーンは素晴らしく、今までの残念なイメージを払拭するような壮絶な戦いを見せてくれる。(CG描写の不自由さにはスタッフ達も苛立ちが溜まっていたらしく、最終回においては「グラディオンを別の姿(人間体)に変身させるというアイディアで誤魔化すことで、CGを使わずに済んだ」とのこと)
不評であった「ウェブナイトシリーズ」も、ゲームとの連動機能を内蔵しているにも関わらず良好なプロポーション・デザイン・変形ギミックを維持しており、老舗玩具メーカーであるタカラの意地と技術を見せ付けた。
このウェブナイトシリーズで培われた技術は、後番組である「爆闘宣言ダイガンダー」や「トランスフォーマーユニクロン三部作」を経て、後に世界的な好評を博した「トランスフォーマームービーシリーズ」のオートモーフィングギミックやメックアライブギミックに生かされる事となる。(つい最近まで展開していた「トランスフォーマーアニメイテッド」においても同様)
ともかくOPアニメの完成度の高さが好評。
R.A.Mが熱唱するテーマソング「DIVER#2100」「SO DIVE!」は作品の世界観ともマッチしており、それに合わせたアニメーションもキャラクター・ロボット・アクションのバランスが取れており、ウェブダイバーを知らない人でも一見の価値がある。
何はともあれ、本編と違い手描きで描写されたウェブナイト達が最高に格好良い。
…OPで期待した手前、肝心の本編にガッカリした人も多いのではないだろうか?(【OP詐欺】の頁も参照)
ちなみに、先に挙げた「DIVER#2100」と「SO DIVE!」はオープニング差し替えMADで何気に多用されている。
また、OPアニメの話題性に隠れがちだがEDアニメもなかなかの見物。
↑前期OPアニメの動画、左が本放送版で右がDVD特典版(ノンテロップ)。
0:55あたりのカットに差異が見られる。
ここで登場するシルエットはなんらかの複線であると噂され、スタッフ・視聴者共に一時期話題となった。
↑こちらは後期OPアニメ。
OPアニメは前期・後期どちらも完成度が高いことが解るだろう。
大人の都合が無ければ本編も手描きアニメになる筈だったのだが…悔やんでも仕方が無い。
↑R.A.MによるOPテーマ。
「未来」「電脳」をイメージさせるクールかつ熱い旋律、そして作風とのシンクロっぷりには感服せざるを得ない。
↑こちらがEDテーマソング。
OPテーマの主題が「未来」と「電脳」ならば、EDテーマは「友情」「冒険」を主題としているようにも思える。
OPの影に隠れがちだが、こちらも名曲。
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最終更新:2025/12/08(月) 15:00
最終更新:2025/12/08(月) 15:00
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