魔導書の神判とは、遊戯王OCGのカードである。2014年2月現在、禁止カード。
「LORD OF THE TACHYON GALAXY」(2013年2月16日発売)で登場。
速攻魔法
※「LORD OF THE TACHYON GALAXY」収録のカード(LTGY-JP063)による
このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、
このカードの発動後の自分または相手が発動した魔法カードの枚数分まで、
自分のデッキから「魔導書の神判」以外の「魔導書」と名のついた魔法カードを手札に加える。
その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ
魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。
「魔導書の神判」は1ターンに1枚しか発動できない。
発動ターンに発動された魔法カードの数に応じて「魔導書」をサーチし、さらにその枚数に応じてデッキから魔法使い族モンスターを特殊召喚できる。
エンドフェイズサーチだからそのターンには使えないし、大丈夫……なわけはなく。
まず、「グリモの魔導書」で「セフェルの魔導書」をサーチし、セフェルで墓地のグリモの効果を適用して適当な魔導書をサーチ、使用すればそれだけでエンドフェイズに3枚の魔導書サーチが約束される。このカードを含めても消費したカードは2枚のはずだが、なぜかエンドフェイズには手札が増えている(セフェルに必要なモンスターを出しておく必要はあるが、コストにするわけではない)。
手札に「魔導書士 バテル」とこのカードの2枚があれば、このコンボは達成可能。セフェルに必要な魔法使いもバテル自身で条件を満たせる。
また、別に魔導書を発動しなければサーチできないわけではないので、「トゥーンのもくじ」を使えば損失0枚(正確にはこのカードの分1枚だが、後半の特殊召喚も入れれば差し引き0)で3枚のサーチが可能。
これで肝心の魔導書にろくなカードがないのであればまだ許されたかもしれないが、魔導書自体のスペックも低くなく、サーチに始まり、攻撃力強化(サーチ付き)に魔法・罠耐性、ドロー(除去したら蘇生)、種別を問わないカード除外などなど、いろいろと揃っている。
さらに魔導書を利用するモンスターのほうも、手札の魔導書3枚を見せて(「捨てて」ではない)特殊召喚でき、手札か墓地の魔導書をコストに万能除去ができる「魔導法士 ジュノン」などが揃っている。前述の3枚を発動すれば、エンドフェイズにこのカードの効果で3枚をサーチし、さらに「魔導教士 システィ」を特殊召喚してその効果でジュノンをサーチすることで、次のターンにはジュノンが出せてしまう。ついでに2枚目の神判も一緒に手札に入れておこう。
手札2枚からこれとは恐ろしい。
ちなみに、ジュノンで除外した魔導書、普通ならもう使えないというデメリットになるはずだが、「アルマの魔導書」で手札に回収可能。むしろ除外したほうがいいんじゃないか……。
アルマが都合よく手札に来ない?そこで神判ですよ。
そもそも魔導(書)自体がサーチなどに長けたテーマであり、1ターンに複数枚発動するのは難しくない。そのようなテーマにこのようなカードを与えてしまえばどうなるかは火をみるより明らかなはずであるのだが、実際はこの通り。
遊戯王は基本ルールとしてマナなどのカード発動コストを特に設定しない(個別に手札やライフを要求するものはある)ため、手札の枚数がそのまま行動の限界となるのだが、そのようなバランスのカードゲームにおいて、損失を0にできるどころか使えば使うだけ手札が増えるという意味のわからないカード。
制作側はろくにテストプレイをしていないのではないかと疑われるだけなら今までも散々あった(これも本来異常だが……)のだが、このカードに至ってはパックを売るために分かってて出したのではないかとすらいわれる。
申し訳程度に同名カードのサーチは不可能になっているが、「グリモの魔導書」などほかのカードでサーチはいくらでも可能であり、しかもそのサーチ用のカード自体をこのカードで呼びこめてしまうため、何ら意味をなしていない。
サーチだけでも大概だが、何を思ったか特殊召喚の効果付き。
前述のシスティのほか、有用な魔法使い族モンスターをいろいろと使える。「ブラック・マジシャン」なぞかわいいもので、「昇霊術師 ジョウゲン」を出しておけば、相手の特殊召喚を封じて防御が可能。その他、当時の環境では墓地除外を封じる「霊滅術師 カイクウ」なども強力であった。
強いてこのカードの弱点を挙げるなら、サーチ能力が優れすぎているため、エンドフェイズの手札上限6枚を超える恐れがある点。ぜいたくな悩みである。
とはいえ、どうしても気になるならば上限以上にサーチしなければいいだけの話であり、また、仮に墓地へ捨ててしまってもジュノンや「ゲーテの魔導書」のコストとして使い道があるので無駄にはならない。
ほかの弱点としては、サーチしたカードは次の自分ターンまで待たねば使用できない点。
これも、「一時休戦」を使えば少なくともライフを減らされる恐れはほぼなくなり、後は前述のジョウゲンなどを出しておけばほぼ相手の反撃の芽は摘める。
元々魔導(書)は、環境トップには及ばないファンデッキレベルの扱いを受けていたのだが、このカードの登場で一転、征竜と環境を二分するトップデッキと化した。このカードの対策となる「闇のデッキ破壊ウイルス」や「ドロール&ロックバード」などの採用率も急上昇し、2012年9月から翌年3月にかけての、さまざまなデッキが群雄割拠していた環境を一瞬で吹き飛ばした。
「青き眼の乙女」の登場で、シンクロ召喚や「青眼の白龍」という攻撃力を手にして1ターンキル(1ショットキル)も容易になり、大会上位陣のデッキタイプが【征竜】、【青眼魔導】、【青眼魔導】、【青眼魔導】、【魔導】、【征竜】、【青眼魔導】、【征竜】……と並ぶことも珍しくなくなった。後はたまに【ヴェルズ】などが顔を出してくるくらい。
こんなカードだが、初出でのレアリティはノーマル。
このようなふざけたカードが許されるはずもなく、2013年9月1日の制限改訂で、無制限カードからいきなり禁止カードに指定された。登場から禁止まで197日という、傍目には商品を買った者を馬鹿にしているとしか思えない(プレイヤーからすれば当然の処置だが……)速度で禁止指定と相成った。
この改訂では、魔導と環境を二分した征竜のキーカード4枚(通称「子征竜」)も禁止指定を受けており、この4枚のうち2枚は登場から169日で禁止指定となっており、禁止最速はこちらになっている。だからこのカードのほうがマシとかそういう次元の話ではないが。
2013年3月からの環境は、デュエリストにとっては忘れたいが忘れられない暗黒時代となった。
この改訂ののち、魔導は再び中堅からファンデッキ程度といった評価に落ち着いている。いかにこのカード1枚がパワーバランスを大きく崩していたかがわかるだろう。ちなみに征竜はしぶとく生き残っている。
このカード1枚のせいで、神判を採用しないタイプの【魔導】デッキを使っていても(デッキを見せない限り相手には判別できない。しばらくデュエルしていればわかるだろうが)フリーデュエルへの参加がためらわれたり、このカードの巻き添えでほかの魔導が規制を受けるのではないかと心配せねばならなかったり、このカードは【魔導】デッキ使いですら煙たがるほどの存在であり、規制を受けたこと自体はほとんどのデュエリストが好意的に受け止めている。そもそもこんなカードを世に出してしまったコンマイへの恨みは消えないが。
後半の特殊召喚効果の存在から、「神の警告」で無効化されてしまう。
とはいえ、先攻1ターン目に使われたら防ぎようがない。この場合の防御手段は「ドロール&ロックバード」など、非常に限られる。
速攻魔法なので、相手ターンにも発動可能。相手が発動した分の魔法カードもサーチ枚数にカウントされるので、相手ターンの初めに発動しておけば相手を牽制することができる。手札に複数枚たまってしまった場合の使い道。
カードのモチーフはタロットの大アルカナ20番、「審判」(JUDGMENT)か。正位置で「復活、結果」、逆位置で「行き詰まり、悪い知らせ」などの意味を持つ。まさにそのとおり。対応するアルカナフォースは未登場。
魔導書の神判に関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
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最終更新:2025/12/14(日) 02:00
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