13日の金曜日とは、英語圏やドイツ、フランスなどで忌み嫌われている日付である。なぜかは様々な説がある。
次回は2018年4月13日。
このことについて起因する項目は以下の通り。
- 米国産ホラー映画のタイトル。ジェイソンが有名。
- W97M BACKHAND(13日の金曜日に発祥するコンピューターウィルスのひとつ)
- 2000年までに行われた伊奈かっぺいトークライブタイトル
本記事では、映画の方を取り扱う。
概要
第一作が公開されたのは1980年。当時は「正体不明の殺人鬼」という斬新な要素と残虐な描写(いわゆるスプラッター)が話題を呼び、大ヒットとなりました。この正体不明の殺人鬼などの要素はジョン・カーペンター監督の出世作「ハロウィン」の影響があるといわれている。また、この映画により、米ホラー映画におけるセオリーがいくつか確立されることとなる。例えば、セックス描写を取り入れるとか。そして、この映画シリーズにより、ジェイソン・ボーヒーズはホラー映画シーンの著名キャラとなった。(ここから軽いネタバレ)なお、第一作の犯人は母であるパメラ・ボーヒーズ。彼は第1作終盤でパメラの最期を見てしまい、これが殺人鬼へと変えていった。(ネタバレは以上)
2009年2月13日にはマイケル・ベイ製作、マーカス・ニスペル監督によるリメイク版が世界同時公開され、更にはこのリメイク版の続編が製作されることも決定した。なお、この続編がちょうどシリーズ13作目にあたる。
ジェイソン・ボーヒーズについて
この作品に欠かせないのがジェイソン・ボーヒーズだろう。このジェイソン・ボーヒーズ、第5作まではまだ人間っぽいところがあったが第6作以降は不死の存在となり、キャラクターも変化していった。お母さんの存在はどこへ行った。あげく、少年ジェイソンの亡霊があらわれたり、時系列的にも大きく食い違う結果となった。しまいには、フレディ・クルーガーとも戦った。ニコニコでは木材相手に惨劇を繰り広げる芸術家、ジェイソンさんの元ネタとして有名。
経歴・特徴
本格的な殺人鬼として活動し始めた第2作では現在のホッケーマスクではなく穴の空いた布袋を被っていた。3作目で犠牲者から奪って以来気に入ったのか、活動の前に必ずどこからか手に入れている。
武器は主にマチェットや斧、自身の怪力である。
よくチェーンソーが得物だと勘違いしている人がいるが、それは「悪魔のいけにえ」シリーズのレザーフェイスの得物であり、ジェイソン自身はチェーンソーを使用したことはない。むしろ、幾度かジェイソンはチェーンソーで斬りかかられている。ちなみに変わった得物として芝刈り機を使用したことがある。第7作では電動高枝丸のこを使った。
記念すべき最初の得物第一号はアイスピックだったりする。
前述の通り、6作目からは不死の存在となった。その為、生半可な攻撃では彼を止めるのは不可能で、行動不能になるほどのダメージを与えなければとまることは無い。また、「ジェイソンの命日」では心臓さえ残っていれば他者に乗り移ってしまえるほどの生命力も見せつける(ただし、これは一時的な処置で、本格的な復活には同じボーヒーズ家の血筋の者に乗り移らなければならない。が、同じボーヒーズ家の人間に封印される恐れも)。
余談だが、基本的にしゃべらない為、一部作品を除いて声優はいない。
略歴
1946年誕生。リメイク版ではこの限りではない。
- 1作目以前 - 1957年
以前より、奇形であることから周囲の子供に苛められていた。キャンプに参加していた時、麻布を被せられたまま湖に突き落とされる。この時、セックスに明け暮れていたキャンプ指導員らの怠慢のせいで、クリスタルレイクで溺れ行方不明となる。この事故によって母パメラは発狂し、父は彼女から逃げるように姿を消した。
溺死したものと思われていたが、実際は生き延びていた。が、記憶を失っていたと思われ、母親の前に姿を現さないまま、何らかの方法で生存し続ける。
描写がされたことはないが、3作目などで明かされたところによると、この間も、何らかの形で人を襲っていたと思われる。
- 『13日の金曜日』
クリスタルレイクのキャンプ場で殺戮を繰り返していた母パメラが、被害者の反抗によって死亡するのを目撃する。
これと同時期に母の記憶を取り戻したと思われ、彼女の生首を回収している。
ちなみに、今作ラストで、少年期のジェイソンが生存者を湖に引きずり込むカットがあるが、それは被害者の幻覚だった。
- 『13日の金曜日 PART2』(9人殺害)
1作目から3ヵ月後、母の復讐のために、前作での唯一の生存者であるアリスの家に侵入し、彼女をアイスピックで殺害する。 遺体は持ち帰って保存していた。これがジェイソンの初めての殺人であった。
この後、クリスタルレイクに、かつて自分を見殺しにしたキャンプ場指導員の新たな候補生が集まっているのを見て、殺戮を開始。8人を殺害する。
女性1人を取り逃がしたが、掴まらないまま湖周辺で行方をくらます。この生存者は発狂した。
奇形であることにコンプレックスを持っていたのか、今作では麻布に穴を開けたマスクを被って行動していた。ラストシーンでその素顔が映るが、これはシリーズ通して稀な描写である。ちなみに、顔を出した俳優とスーツアクター(?)は別人である。
- 『13日の金曜日 PART3』(12人殺害)
2作目の翌日、クリスタルレイク周辺が恐怖に陥れられる中、湖近辺のカフェで2人を殺害し、やがてすこし離れた別のキャンプ場に逃げ延びる。
ここでも、キャンプをしていた高校生達を殺害。計10人を殺害するが、最後には頭に斧を叩き込まれて沈黙した。
ここで、最初に襲った高校生の持っていたホッケーマスクを初めて被る。前作の麻布袋と比べて洗練されたそのデザインは大人気を博し、彼のトレードマークとなった。気に入ったのか、次作以降でも何らかの形でホッケーマスクを手に入れ続けることとなる。
ちなみに、今作のジェイソンは機敏で、全力疾走で持って追いかけてくる。
- 『13日の金曜日 完結編』(14人殺害)
3作目の事件の直後、遺体として病院へ回収されたが蘇生。クリスタルレイクへと戻りながら、キャンパーやヒッチハイカーを惨殺して行く。
ここで、湖の近郊に住んでいたトミー少年を襲ったことで、以後2度(トミーからしてみれば3度)に渡って戦うこととなる彼との初戦を迎える。母と共に逃げる彼を脅かすが、少年期の自分を彷彿とさせる格好に化けたトミーに動揺し、その隙を突かれて頭部にナタを叩き込まれ絶命する。遺体はクリスタルレイクに埋葬された。ここでジェイソンは完全にその命を失い、シリーズに一旦区切りがつく。
ゆっくり歩いて襲ってくるようになったのは本作から。また、あまり想像できないことだが、2作目~4作目にかけての出来事はわずか2日間に起こったことであり多少の矛盾が存在する。
- 『13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!』(18人殺害)
4作目から10年後、青年となったトミーによって、焼却するために遺体を掘り起こされる。ところが突き刺した鉄芯に落雷が落ち、まさかの蘇生を遂げてしまう。湖近辺で再び殺戮を繰り広げ18人を殺害した。最期はトミーによって鎖を巻きつけられ、湖に引きずり込まれてその活動を再び停止する。
今作では高圧電流によって蘇った死体となっており、体の腐りきったゾンビである。以後、ジェイソンは不死身のゾンビとして活動しはじめ、その能力もだんだんと人外のものへとなっていく。ストーリーが割と強引な展開であるが、これは5作目の新・13日の金曜日で新たなジェイソンを生むはずだったのが、思いのほかその挑戦が不評であったため、本家を復活させることで軌道修正を図ったものである。
トミーとの対決はここで終了し、全て彼の勝利に終わる。が、次回作でまたも子供にボコられる羽目になった。
- 『13日の金曜日 PART7 新しい恐怖』(19人殺害)
6作目から数年後、湖近辺に住んでいた超能力少女・ティナのサイコキネシスによって、湖から引き上げられ覚醒(本来は父を復活させるのが目的であり、人違いである)。またも殺人事件を起こすが、父の想いを受けた少女の超能力の前に成すすべなくフルボッコにされ湖に沈む。 人外と化したジェイソンが本当に手も足も出せずに完敗する、恐らくシリーズで最も情けない姿を晒した作品。
常軌を逸した展開が多く、ホラーとしてみるかコメディとしてみるかで評価の分かれる問題作。
- 『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』(?人殺害)
7作目から数年後、クルーザーの誤運転によって切断された湖底ケーブルに感電し復活。クルーザーの乗組員を襲い、川から海へと抜ける。
ニューヨークへ向かう豪華客船にたどり着き、乗り込んで殺人を犯す。わずかな生存者がボートで逃げ出し、ニューヨークへと何とか辿りつくが、なんとそれを追って泳いで海を渡り、自身もニューヨークへと乗り込む。
生存者を執拗に追いまわすが、最期は工場廃液の溢れる下水道で汚水に流され行方をくらます。
この後、クリスタルレイクに何とかたどり着き、9作目までの間にやはり殺戮を繰り返していたようだ。
2作目の冒頭を除けば、湖の外へ遠征を果たした初の作品。ジェイソンがブロードウェイをノシノシと歩く場面はシリーズ屈指の珍シーン。しかも船の生存者以外には興味がないのか、絡んできたヒッピーに素顔を見せて追い払うと言う平和的な場面もある(が、下水道にいたホームレスはあっけなく惨殺している)。
シリーズでも最も雑な、好意的に言っても大味な作りの作品で、フック一発で被害者の首を飛ばすなど超人的な身体能力が目立つ。今作で最も目に付くのは、下水道などで見せた物理的にありえない先回り=瞬間移動で、あくまで先回りの描写がそれっぽく見えるだけだったそれまでの作品と違って、本当に瞬間移動を果たすようになってしまった。
また、何故か主人公達の前に、溺れることに怯えるジェイソンの霊が現れるなど、もはやシリーズ設定を無視して物語の整合性が取れない作品と化していた。
- 『13日の金曜日 ジェイソンの命日』
8作目以降も幾度となく殺戮を繰り返し、悪い意味でクリスタルレイク名物と化してしまったある日、いつものように女性を狙ったが、それは警察とFBIの囮作戦であり、警官隊と特殊部隊の総攻撃を受けてその体を木っ端微塵にされて絶命する。
が、妙な力で自らの心臓を解剖医に喰わせてその体をのっとり、そこから、新たな肉体となるべき親類――父がパメラの元を去った後に作った、腹違いの妹とその娘――を狙っていろんな人々の体に寄生しつつ殺戮を働く。
最後には妹・ダイアナを殺しその体を乗っ取ったものの、娘・ジェシカ達の抵抗によって聖剣で体を貫かれたことで、二度と這い出ることの出来ない地獄の奥底へと送られた。
が、そのマスクをフレディが回収しており、彼の体をフレディが手中に収めたことが示唆された。
- 『フレディvsジェイソン』
エルム街の住民に殺人鬼の恐怖を思い出させるために、フレディの手で蘇生され、エルム街へと向かう。当初はフレディの意のままに殺戮を働くが、やがて彼の手を離れその獲物を横取りするようになり、彼と決別する。
中盤、夢の中で、溺れたときの恐怖を利用した攻撃を受けて精神を破壊され、死亡したかに見えたが、終盤、被害者達の手で蘇生させられ、フレディに戦いを挑む。最期は痛み分けの形で終わるが、公式設定ではフレディに一応勝利したことになっている(結果としてフレディを殺し、自身は生還したものの、どちらも不死身なのであまり意味はなかった)。
9作目の結末はどこへやら、あたかもいつも通りと言った様子で蘇生した。今作で、エルム街とクリスタルレイクはそこまで離れていないということがわかっている。
対決に当たって互いの弱点をはっきりさせるため、ジェイソンの弱点は「水(溺死の記憶)」と設定された(フレディは「火」)。また、ホームグラウンドは「現実」で、中盤の夢の中の対決ではフレディに敵わなかった。
終盤、フレディを現実世界に引きずり出してからの彼との対決は中々の見物。トリッキーで俊敏な動きで戦うフレディと、少々のダメージをものともせずパワフルに戦うジェイソンは好対照である。
- 『ジェイソンX 13日の金曜日』
とうとう捕獲されて、研究のためにある研究所で冷凍保存されていたが、覚醒して所員を殺害。主人公の抵抗によってもろとも冷凍され、以後400年以上にわたってコールドスリープに入る。そしてまさかの近未来、荒廃した地球にやってきた宇宙船に回収され船内で覚醒。やはり暴れまわるが、武装した女性アンドロイドには手も足も出ず、フルボッコにされた。
手足がちぎれるほどのダメージを受けそのまま死亡するかに見えたが、ナノマシンによる生体改造装置の誤作動によって、とびきり強力な体を持った掟破りの「メタルジェイソン」になって再蘇生。圧倒的な強さでアンドロイドを撃破し再び主人公達の生命を脅かす。
最期には宇宙船の自爆に巻き込まれる。宇宙空間に放出されても生存していたが、ある乗員の決死の行動によってもろとも近くの植民星へと落下した。
大気圏突入・落下にも耐えるという異常な耐久力を見せながら、その星のある湖へ落下した。カップル達がキャンプを楽しんでいるその湖の名は……。
弱点
無尽蔵の耐久力と怪力を武器にしているが、基本的に動きは干満で鈍く、咄嗟の回避行動や防御などは不得手である。(ただし、タフでこそあれ人外の存在ではない5作目までは無駄な負傷は避けようとしている。)
第8作では瞬間移動を身に着けてしまったが、この弱点を突けば彼から逃げることも出来る。後述の理由から水中戦はやめとけ。ニューヨークまで泳いでいったやつに勝てるわけがない。また、母親であるパメラに対する愛情が強く、女性や男の娘なら母親と同じ格好や話し方をすれば殺意がなくなる。
番外編「フレディVSジェイソン」では、昔のトラウマから水が弱点とされるが、これはあの作品独自の設定であり、ジェイソン自身は水泳も得意な方である。事実、8作目の「ジェイソンNYへ行く」では泳いでニューヨークに迷い込むほど。どちらかといえば溺れることへの恐怖が強い。
超能力者とも相性が悪く、第7作の「新しい恐怖」では超能力を持つ少女と対決。本来ならそれほど恐れるほどの相手ではなかったはずだが、相手が強力なサイキネシスの持ち主だった為に、終盤ではフルボッコといっても差し支えないほど、酷い目に合わされ完敗している。
ジェイソン以外の殺人鬼
シリーズ全てがジェイソンによる犯行を描いた作品でないことは有名である。
1作目と5作目に、それぞれ、ジェイソンではない殺人鬼が登場している。
パメラ・ボーヒーズ(1作目)
1作目の犯人だった、ジェイソンの母親。
彼を生んだ当初より、奇形として生まれた彼の身を案じて過剰に愛情を注いでいたとされる。
だが、1957年、息子が溺死した(と思い込んだ)ことによって狂を発し、湖を訪れる人々を殺害するに至る。1作目ラストで、被害者によって首を刎ねられて死亡した。
彼女の生首はジェイソンが回収しており、大切に保存している。
ジェイソンは、唯一愛情を注いでくれた母への想いに囚われており、彼女に似た姿の女性を見ると硬直する。
ちなみに、『フレディvsジェイソン』では、フレディがジェイソンを覚醒させるために彼女に化けて夢の中に登場した。
ロイ(5作目)
ジェイソンに止めを刺したはずのトミーの前に現れた、偽ジェイソン。
正体は、精神病棟内で息子を殺されて発狂した、ロイという救急隊員だった。
トミーも入院しているこの病院で、彼の息子・ジョーイが殺されたことで彼は精神に異常を来たし、何故かジェイソンに扮した上で、連続殺人を働いた。
ただの人間にしては妙にタフで、殺人数もシリーズ2位とかなりアグレッシブな働きをした男。
4作目ラストでは、ジェイソンにトミーが何らかの影響を受けてしまったことが示唆されており、5作目では、死んだはずのジェイソンを登場させて、このジェイソンの正体は本当はトミー自身ではないのか、それともジェイソンの亡霊か、というミステリーを展開していた。
が、結局どこの馬の骨ともわからない登場人物だったロイを偽ジェイソンに仕立ててしまったことで、この5作目は大不評を浴び、製作側は、6作目で強引にジェイソンを復活させることになった。
当初の予定通り行けば、この5作目ラスト(あるいは4作目ラスト)でトミーの精神が完全に新たなジェイソンと化し、6作目以降では彼が殺人鬼ジェイソンとなるはずであった。
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関連項目
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- クリスタルレイク
- ハロウィン(映画)
- スプラッタ
- ジェイソン
- ジェイソンさん
- ジェイソン・ボッツ
- ジェイソン・スタンリッジ