D-HERO デストロイフェニックスガイとは (デステニーヒーローデストロイフェニックスガイとは) [単語記事]

D-HERO デストロイフェニックスガイとは、遊戯王OCGに登場するモンスターカードである。
略称は「デスフェニ」「フェニックスガイ」など（本項ではデスフェニで記載する）。

概要

D-HERO デストロイフェニックスガイ/Destiny HERO Destroyer Phoenix Enforcer
融合・効果モンスター
星８/闇属性/戦士族/攻2500/守2100
レベル６以上の「ＨＥＲＯ」モンスター＋「Ｄ－ＨＥＲＯ」モンスター
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：相手フィールドのモンスターの攻撃力は、
自分の墓地の「ＨＥＲＯ」カードの数×２００ダウンする。
(2)：自分・相手ターンに発動できる。
自分フィールドのカード１枚とフィールドのカード１枚を選んで破壊する。
(3)：このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「Ｄ－ＨＥＲＯ」モンスター１体を選んで特殊召喚する。

2021年7月発売のBURST OF DESTINYで登場。

(1)の効果は「HERO」デッキであれば相手の攻撃力を大幅にダウンさせることが可能。
注目は(2)と(3)の効果。
(2)の効果はフリーチェーンであり、自前と相手のカードをそれぞれ破壊することで妨害する役割を持つ。しかも対象を取らない効果であるため、「効果の対象にならない」カードも可能。また、自身を選択して破壊することも可能なため、除外や無効化といった相手の効果から逃れることも可能。
(3)の効果は破壊後、主に自身の蘇生に用いられる。そして召喚後に(2)の効果で更なる妨害に繋げることも可能。当然、リリースといった破壊以外で墓地に送られた時は発動しない。

以上より、今までの「D-HERO」融合体にはなかった「このカードを維持する価値」が存在している。また、破壊されても場に戻ってくるため、この効果を使って自身を破壊してもアドバンテージの損失を即座に取り戻せるほか、相手に難易度の高い処理を強要させる点も強力である。
「HERO」であれば、相手の攻撃力を下げる効果によって、より相手への圧力を上げられる。

弱点は墓地のモンスターを除外する《墓穴の指名者》や《D.D.クロウ》、墓地からの特殊召喚を無効にする《屋敷わらし》、相手のモンスターをリリースする壊獣や《超融合》等が挙げられる。

出張性能

このカード自身も強力だが、それに輪を掛けてサポートカードも強力である。いや、強力過ぎて他デッキへの出張が容易に可能となっていた。必要なカードは

召喚に必要なD-HERO：2～3枚
《フュージョン・デステニー》：1～2枚
《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》：1枚

以上3点のみ。これさえあれば最悪適当な効果モンスター2体で召喚可能だ。
デッキリソースとしてはメインが3～5枚、EXデッキがデスフェニ含めて2枚あればいい。

《フュージョン・デステニー》は手札・デッキから素材を墓地に送ることで融合召喚する魔法カード。発動後の召喚制限、召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイスで破壊されるというデメリットがあるが前者は展開した後に発動すればいいし、後者の効果で破壊されても(3)の効果で蘇生可能だ。

《フュージョン・デステニー》が引けなくとも、適当な効果モンスター2体を素材に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》をリンク召喚すればいい。アナコンダで《フュージョン・デステニー》をデッキから墓地に送り発動時の効果をコピーすることでデスフェニ召喚に繋げることが可能。ついでに攻撃力500のアナコンダを破壊要員にする展開も可能だ。

融合素材の代表例は墓地で発動する効果を持っている《D－HERO ダッシュガイ》と《D－HERO ディバインガイ》。前者は1度だけドローフェイズでドローしたモンスターをお互いに確認し特殊召喚することが可能。後者は自身とそれ以外の「D-HERO」カードを除外することで2枚ドローすることが可能。

以上のようにたった2体のモンスター、1枚の魔法カードだけでここまでの展開力を見せる出張パーツはかの《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を彷彿させる。カード自体の性能が強力なドラグーンに対し、融合素材・魔法カード素引きした時の制約が少ないデスフェニというように一長一短。

結果としてOCG版ではドラグーン同様あらゆるデッキに出張要員として組み込まれ、大会でも非常に目立っていた。その為ドラグーンの二の舞になるかと思われていたが、2022年1月の改訂で《フュージョン・デステニー》が禁止になったことでデスフェニ自体は難を逃れる。とはいえ、デッキ融合を封じられたことで「D-HERO」強化の為に実装された本カードが、結果的にデッキ全体の弱体化に繋がったのは否めない。
そして同年4月の改訂で《フュージョン・デステニー》が制限復帰した代わりに、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が禁止となった。今後《フュージョン・デステニー》が緩和すれば「D-HERO」ではまだまだ活躍出来るかもしれない。

遊戯王マスターデュエルでの出張

ここまでOCG版について触れたが、マスターデュエルではサービス開始時点で未実装だった。
2022年5月9日改訂に同作初のリミットレギュレーションが発表され、《フュージョン・デステニー》が準制限となったことからデスフェニの実装が近いのではと言われていた。
その予想は的中し、同日実装の新セレクションパック「リファインド・ブレード」での登場が3日前の5月6日に発表された。

OCG版で禁止のアナコンダがマスターデュエルでは制限カードとして健在なため、新パック登場直後に出張デッキが横行。
パーツのレアリティはアナコンダとデスフェニがUR、《フュージョン・デステニー》含めたそれ以外のカードがRで済んでしまう（というか、アナコンダ以外は同パックに収録されている）。

更に3日後には期間限定イベント・フュージョンフェスティバルが開始。「HERO」は勿論、「デスピア」「シャドール」「サンダー・ドラゴン」など様々な融合デッキで採用されていた。

マスターデュエルのリミットレギュレーションは独自路線であり、現状改訂で禁止になったカードは存在しない。しかし、仮に効果的な制限を加えるとしたら、OCG版同様《フュージョン・デステニー》の制限もしくはアナコンダが禁止カードの有力候補となるだろう。