SAMとは、地対空ミサイル【Surface-to-Air Missile】または艦対空ミサイル【Ship-to-Air-Missile】の略語である。
地上(または水上戦闘艦)から発射され、空中の目標を撃破するためのミサイルである。誘導装置と推進装置(ロケットモーターなど)をもつ。通常、弾道ミサイルを迎撃するためのミサイル(ABMやミサイル防衛)とは区別される。
主にミサイル・サイトや車両上の発射機で運用されるが、個人で携行・使用可能なサイズものもある。知られているものではFIM-92”スティンガー”などが有名だろう。最近ではこういった携行型対空ミサイルシステム(MANPADS: Man-portable air-defense systems)がテロに使用されることを強く警戒する動きが出ている。
ちなみに大型のものは、捜索・識別用のレーダーや指揮装置などと組み合わせてセットとして運用する。
こういった射程の異なるSAMや、対空機関砲などを組み合わせて多層的な対空防御網を構築するのが基本的な運用法となる。
地対空ミサイルと艦対空ミサイルはどちらも【SAM】と略されるが、艦対空ミサイルの場合
【ship-to-air-Missile】
と【SAM】のSが「surface」ではなく「ship」になるので厳密に言えば別物ということになる(「水上」だってsurfaceじゃあ! と主張することも不可能ではない)。ただし、陸上用のシステムを艦上用に転用したり、航空機搭載用の空対空ミサイル(AAM)をSAMに転用するようなこともしばしばある。
誘導方式はレーダーホーミング、赤外線、可視光画像識別、レーザービーム誘導、手動操作など多岐にわたる。エレクトロニクスに強い日本が存外がんばっている分野でもあり、自衛隊用に各種SAMが開発されている。
代表的な国産SAMを幾つかここでは取り上げる。
なお、対弾道弾迎撃手段として、MIM-104パトリオットSAMシステム最新のPAC-3。イージス艦搭載SAMスタンダード・SM-3型の配備も進んでおり、平成20年春に発生した北朝鮮「人工衛星打ち上げ」事案に際しては、都心等々にPAC-3装備部隊が展開。日本海方面等々にイージス艦が警戒進出したことは、記憶に新しい。
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最終更新:2025/12/12(金) 10:00
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