SDガンダムフォース 大決戦!次元海賊デ・スカール!!

SDガンダムフォース 大決戦!次元海賊デ・スカール!!とは、2004年11月3日に発売されたPS2用ゲームソフト。

概要

SDガンダムフォースの制作とほぼ同時進行で進められたPS2用アクションゲーム。

まず、キャラゲー＝クソゲーの法則というのはSDガンダムフォースでも例外ではなかった。
その先陣を切ったゲームボーイアドバンス版はそれに片足を突っ込んでおり、キャラゲーとしては微妙、アクションゲーとしては微妙に理不尽で楽しめない難易度（死ぬと経験値が下がるレベル制）がユーザーを苦しめた。

よって、このデ・スカールもファンからは「まあキャラゲーとして楽しむ」レベルの期待度しかなかった。 

しかしいざ発売されてみると、購入したファンはほぼ全員このゲームにのめり込んだ。

キャラゲー面

一言で言うなら、このゲームの内容は劇場版SDガンダムフォース、と言った所である。
OPムービーはSDガンダムフォースファンなら死ぬまでに一度は見ることを強制したいレベルの完成度だと言っても過言ではない。 

次元海賊デ・スカールが、謎の空中要塞ディメンション・ハイロウをネオトピア上空に展開、世界を飲み込み始めた。
これを防ぐため、お馴染（？）のガンダムフォースの面々が立ち上がるというもの。
デ・スカールは言わずもがな、Vガンのザンスカール帝国がモチーフとされている。
使用キャラクターはキャプテンガンダム、翼の騎士ゼロ、爆熱丸の三人。
それぞれ多数のフォームが存在し、換装してから戦場に向かう流れになるため、実質10人以上のキャラが使えるということになる。おかげでなかなか飽き辛い。
あと実は隠しモードでSDGFのアイドルが使用可能だが、それは後ほど解説する。

まずこのゲームは、会話シーンが脇役含めほぼフルボイスである。
SDガンダムフォースはいくらガンダム作品とはいえ声ヲタ・腐向けに作った作品というわけでもない。
^{_{そもそもそこまで人気がない。}}
そんな状況でこの豪華さというのは、なかなかないと言える。むしろ人気のある原作すらキャラゲーとして内容が適当過ぎることは普通にあることなので、本作は大変恵まれていると言える。
あと隠れエンディングでは出演キャラ同士のコントも見られる。美味しすぎるにもほどがあるというもの。

また、パラレルワールドな設定ながら、やたらと原作ネタが細かい。
先の通りフルボイスであるが、キャラの掛け合いにはしばしば原作の台詞（前半の展開に限るが）が用いられる。それだけでも熱いが、キャラごとに掛け合いの台詞が微妙に変わるという芸コマさまで存在する。
オプション画面では、原作の人気コーナーザコザコアワーが再現されている。
最初では原作と同じくコントが始まり、状況によって内容が変わる。しかもそのつどパターンがあり、何度かつけたり消したりすることで内容がいくらか変わったりという凝りっぷり。
その設定画面においても、ちゃんとザコソルジャー達がどういう調節が出来るのか説明してくれるきめ細やかな親切さ。
ファンには鼻血モノのご褒美である。 

さらにネオトピアエンブレムを全て集めるという隠し条件を全て達成すると、このザコソルジャーが使える隠しモードであるザコザコチャレンジというステージが発生。
最弱の性能のザコソルジャーで、各ステージを頑張って攻略するというもの。
ザコソルジャーの性能は遠近両用で一見使いやすいのだが、火力がなさすぎてかなり厳しい戦いになるのは必須。 

謎のゲームバランス

肝心のゲーム内容だが、キャラゲーだからといって侮りがたし。
十全ではないものの、妙にストイックに設定された戦闘パートは、欠点と良質な部分が奇妙な具合にシンクロしたことで、絶妙なゲームバランスとなっているのである。

まず、このゲームはマリオでいう1-1、1-2にあたる『ブロック』というものが各ステージに三つずつ存在し、それを総括して『エリア』と呼ぶ。
このエリアには総合の制限時間が設定されており、先のブロックに時間をかければかけるほど後のブロックの攻略で余裕がなくなってしまう。
エリアを規定回数クリア後、そのステージにあったボスが登場し、ボスを倒すことで『ステージ』クリアとなる。

エリアは、デ・スカール以外は特定のルームをつなぎあわせた構成となっている。
ルームは用意された数種類の部屋をランダムに組み合わせたものであり、どんな部屋が繋がって構成されているかは入ってみないとわからない。また、同じルームでも出てくる敵は一定ではない。
このシステムは「一生遊べるように」として考案されたものである。一生かどうかはともかく、これのおかげで規則性がなく、毎度ちゃんと立ち回りを考えて戦う必要に駆られるため、やり応えがある。 

攻撃面

攻撃はフォームごとに設定された通常攻撃と、三人のキャラの固有必殺技ボタンで行う。
これもまた奥深いシステムになっていることでファンの間では有名である。

戦闘システムはざっくり言うと三国無双的なものである。
□ボタンの通常コンボは基本中の基本で、特定の攻撃を命中させることで必殺コンボを成立させていくことが出来る。
基本は連打すれば良いのだが、敵はすぐ怯む奴とそうでないのがいるので、ただ連打しているだけだと相性の悪い敵に弱点を突かれてダメージを受け、攻撃が中断される。かといって回避運動をするとコンボが途切れるため、強力な攻撃を放つことが出来なくなる。
そのため、フェニッシュの強力な攻撃が出せなくなるので、最後まで攻撃を出し切るのはなかなか至難になってくる。

必殺技は、攻撃やガードによって必殺技のゲージを貯めてから、△ボタンで放つ。
ゲージが一定値溜まっていればいつでも発射が可能。発射後ゲージは必ずゼロになる。
100％チャージ以外は放つ前にロックした敵の動きに合わせて狙いを定め放つことが出来る。ただし攻撃を受け放題であり、攻撃を受けるとゲージが激減するので、立ち回りをしくじって被弾すると一気に追い詰められる。
チャージ全開状態だと必殺技デモが入り、必ず技を放つことが出来る。ただし発射する方向はボタンを押した時点で向いている方向になるため、命中が確定するポイントで撃たないと無駄撃ちに終わる。

敵を倒すと、経験値＋ブロック・ステージ評価となるアイテムが排出される。ダメージを受けていると回復ゲージを貯めるアイテムも出てくる。
コンボ時の「HEAT UP！」「Finish！」の攻撃、または必殺技で倒すと、これが倍排出される。
ただしこれは敵も習得することができ、一つでもとられると敵がパワーアップor全回復してしまう。だが、回収はしても何も起こらない敵が一部いる。

敵が強くなれば当然攻略は難しくなるが、経験値となるアイテムの排出は倍増する。
よってこのシステムを利用し、わざとこれを一つ与えて肥えさせるという作戦もある。
ちなみに二つ以上与えても一回のカウントであり、二段階パワーアップさせるには時間差で習得させないといけない。
これが意図せずして起こると敵が無駄に強くなり、ピンチに陥りやすい。
肥えた敵を大技で仕留め、大量に経験値を稼ぐというのは、フォームのレベルアップやブロックの評価上げには欠かせないテクニックである。

防御面

○ボタンでガードを行う。このガードは正面からの攻撃しか弾かず、しかも一回防ぐとガードが即解除される。しかもボタンを押してからガード形成まで若干のラグがあるので、最初はこのガードの使い方に苦労する。
封印して戦うことも出来なくはないが、ガードを使いこなさないとゲージが攻撃でしか溜まらず、必殺技ゲージの調整が難儀になるのでオススメは出来ない。
即解除されるということを利用して、二発連続攻撃でも一部はタイミング良くボタンを二度押すことで防ぐことが出来る。 

×ボタンで回避運動を行う。これは＝ダッシュでもあるため、移動面でも使って行けるものである。
これだけ使っていれば敵の攻撃は大体避けられるが、時間がかかってしまい、制限時間のロスとなってしまう。

アイテム

原作をモチーフとした『ステージ』のエリアを前攻略することで習得することが出来る。アイテムにはランクがあり、良いアイテムを手に入れるには『ブロック』ごとの評価を高く維持しなくてはならない。

また、アイテムは三つしか持てないうえに、アイテムは共有出来ない。つまりキャプテンのアイテムを集めたければキャプテンでクリアして専用のアイテムを入手しなくてはいけない。
アイテムの保管はシュウトが9個まで預かってくれるほか、サポートチームのガンイーグルがさらに三つのアイテムを保有・輸送してくれる。ただしサポートチームの到来はランダムであるため、実質ガンイーグルは倉庫扱いである。

• 回復アイテム
  HPを回復する。通常ステージでは回復玉でなんとかなるが、最終面では生命線となる。 
• 必殺チャージアイテム
  必殺ゲージをチャージするアイテム。テクニックを駆使すれば節約できるが、あるとここぞという時に便利。 
• 復活アイテム
  死ぬ前に使うと一度だけ復活出来る保険アイテム。回復アイテムありゃいらねーだろと思うかもしれないが、このゲームは敵の攻撃力が馬鹿高いとべらぼうなダメージを受けて即死亡ということもあるので、実にありがたいアイテム。
• スピードアップアイテム
  移動速度をあげるアイテム。最初から素早いフォームにはまったくといっていいほど恩恵がないが、足の遅いフォームでは本当にありがたいアイテム。それでもこのゲームでは比較的ありがたみが少ない。
• 時間回復アイテム
  制限時間を回復するアイテム。上限以上はあがらないので注意。時間はこのゲームでミスになりやすい原因の一つであるため、実にありがたいアイテム。特に序盤は上手く活用しないと最終ブロックあたりで時間が足りないということがままある。
• バリア
  一定回数、ダメージを全て防ぐアイテム。必殺ゲージの減少を気にせず通常攻撃をぶっぱ出来るというのが強み。
• 爆弾
  ルーム内の敵全員にダメージを与えるアイテム。ありがたみは全体で見れば少ないが、敵全体をある程度弱らせたけどここままじゃ自分が先に死ぬ！or普通に倒したら敵が復活しそう！という時に使うと便利。

使用キャラクター・フォーム

キャプテンガンダム

ガンダム側のメイン主人公。声は神谷浩史。
原作通り射撃用の武器が主であり、セイバーフォーム以外は基本射撃戦フォームである。
射撃戦を仕掛けてくる敵が少なめなこのゲームでは使いやすいのだが、その分格闘戦を仕掛けてくるキャラは異常な攻撃を放ってくる相手が多いため、油断は出来ない。
こういった仕様のため、攻撃をフェニッシュまで繋ぐのは大変難しい。 

• キャプテンフォーム
  いわゆる通常形態。原作同様ライフルで攻撃、さすがに初期に使用するキャラだけあって使いやすい。ただし攻撃はかなり地味なうえに単発なので、動きの早い敵が相手だと弾が外れやすい。フェニッシュ攻撃は強力なビーム弾を発射するが、基本特性は通常攻撃と変わらない。
• ガンナーフォーム
  もっとも使いやすいフォーム。手数の多いマシンガンを装備している。すばしっこい敵を制圧するのが得意だが、一発一発の火力が低いので押し合いには弱い。フェニッシュ攻撃のチャージ弾だけは単発。
• アサルトフォーム
  ショットガンを武器とした近接から中距離のためのフォーム。ショットガンの特製通り近くに高火力、遠くにカス火力という性能を持つ。フェニッシュに繋ぎやすいのが魅力だが、発生が遅いので大体阻止されるか敵がパワーアップした時の無敵時間で回避されてしまう。そのフェニッシュはグレネードランチャーで、撃ち方がかなりカッコイイので当てると気持ちよくなれるのがミソ。
• アクセレイターフォーム
  巨大レーザーを装備したバーチャロンみたいなフォーム。移動に癖があり、武器の使用感覚もちょっと変わっているが、レーザーの範囲が広いので敵をまとめて倒しやすい。最強フォームと名高いが、慣れない人からすると結構キツイ。フェニッシュ攻撃のゲロビは判定が残るので設置技のような感覚で使える。
• デストロイフォーム
  ベビーアームズやレオパルドを思わせる重装甲フォーム。足遅い、攻撃当てにくい、 見た目に反して火力低いと散々なフォーム。範囲攻撃を狙うならアサルトがいいし、敵の制圧ならアクセレイターで十分。フェニッシュ攻撃はいわゆるフルオープンアタックで、近接・長距離と攻撃ができ、爽快感もあるのでこれだけが強み。むしろフェニッシュをぶち当てるために攻撃を調整することこそ、このフォームの真価を発揮させる手段とも言える。
• セイバーフォーム
  キャプテン唯一の近接フォーム。なのに基本爆熱丸よりも使いやすいという爆熱丸涙目なフォーム。ただし爆熱丸ほど乱打力はないので敵の怯み値を稼ぐのは少し苦手。フェニッシュは回転斬りで、刃がビームなだけに範囲が広く扱いやすい。
• アームバスターフォーム 
  シークレットフォーム。Sガンダムを思わせる重武装型。火力はそこそこだがビームの発生が少し遅い上に細く、足も遅いのでちょっと使いにくい。フェニッシュ攻撃が強いが大雑把に言うとアクセレイターフォームの劣化版になる。

翼の騎士ゼロ

お馴染みキザ騎士。剣を幅広く振るうフォームが多く、フェニッシュまで繋ぎやすいうえ、フェニッシュ攻撃の大半が自分を中心とした範囲攻撃なので一体多にはもってこいのキャラ。
ただし前方に対するリーチに弱いのが多く、パラディンフォーム以外は攻撃が届かないこともしばしば。
このゲームはそれぞれのノーマルフォームが扱いにくいが、ゼロだけは通常フォームもかなり実用性が高いという安定した性能を持つ。

爆熱丸

暑苦しい天宮の武者。ノーマルフォームの乱打力のなさにまず失望するが、実は他のフォームを使ってからが本領発揮である。
ゼロとは違って近接されても基本乱打力の高さで敵の攻撃を許さず、一気に畳み掛けて潰すという戦法が得意。無双っぽさを味わえる唯一のキャラクターかもしれない。
代わりに脇腹を狙う攻撃には弱く、囲まれたらロックをひたすら変えて相手を突くしか無いという忙しい欠点もある。 

ステージ

ネオトピア、ラクロア、天宮、デ・スカールロードの4ステージがある。原作のステージは、ディメンション・ハイロウが世界を吸収したことでコピーした世界という設定。

デ・スカールロードは三つの原作ステージを完全クリアした後に選べるようになる。ザコザコチャレンジもステージ選択時に登場する特殊モードである。
それぞれのステージに難易度的な変化はあまりない。登場する敵はそれぞれのステージに見合ったものになるため、得意不得意はプレイヤー次第となる。
ザコザコチャレンジでプレイする場合は、選択したキャラの故郷が強制的にステージとなり、デ・スカールロードにはいけない。

エリアは最終的に三回攻略（3ブロック×3＝9面）しないといけなくなる。エリアを一つ攻略するとネオトピア、ラクロア、天宮の三つが選べる場所に送られる。同じエリアを選ぶと難易度が上昇するため、基本は同じエリアを攻略したほうが高いスコアが狙える。
しかしこのゲームで難易度があがるということは地獄を意味するため、生半可なレベルのフォームでは簡単に返り討ちされる。

デ・スカールロードではまたルールが異なり、ステージのレベルをあげるにはブロック評価をあげないといけない。まあわざわざデ・スカールロードで評価をやたらあげたがるのはマゾとしかいいようがないが。

ちなみに、ブロックなどでHPがゼロになる、時間切れになるなどすると、何故かカオ・リン主任の研究室の発明品の上に落下する。発明品が破壊されるとしばらく使用不可能になり、ハイパーコーティングやシークレットフォームの使用が出来なくなるなどのデメリットがある。
余談だが何回もこれを繰り返すと、それ以降主任がいい加減にしろと言わんばかりに激怒するようになる。 

このため、デ・スカールプレイヤーは1ミスすら恐ろしいまでに忌避している。 

余談

DVD-BOXの特典・ザコザコアワー　Special Edition ではこのゲームのことが語られており、本編の後日談という扱いになっている。
ただしゲーム内容を見ればわかるように設定的にはSDGFの前半時点をモチーフにしており、ハイパーキャプテンは出てこないしダークアクシズもまだ敵対したままである。
それどころか微妙に設定も違う（次元転送装置が完成していたりセーラちゃんが基地にいたり）ので、あくまでもパラレルワールド、と解釈するのが自然。
これはあくまでDVDで秘蔵映像を紹介する展開上、そうなっただけと思われるが、アニメ化されるとしたら後日談という扱いになると思うと、胸が熱くなること受け合いであろう。 

関連動画

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関連項目

• SDガンダムフォース
• トムクリエイト
• キャラゲー
• 隠れた名作