US-2とは、海上自衛隊が運用している新明和工業製の水陸両用飛行艇である。
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海上自衛隊が運用するUS-1Aは、その長距離進出能力、荒天の大洋でも離着水できることなど(波高3mまで離着水可能)、地上滑走路にも着陸できるなどの能力を生かして長らく日本の航空救難で活躍していた。しかし運用開始から20年余り経過し運用側からの要望もあり新たに改良を行うことになった。
主な改良点は以下の通り。
これにより、機体形状にあまり大きな変化はないものの、その内容は大きく変化することになった。与圧キャビンによってそれまで気象条件に左右されていた飛行ルートが制限を受けづらくなる(高度を上げるなどの方法があるので)。職人芸の領域である離着水時を最新の技術でフォローするなどパイロットの負担を軽減できる…など各種メリットがあるためだ。
名称も当初US-1A改であったが、US-2として名称が決定し、現在3号機までが導入中。最終導入数は7機。
つまり世界で7機しか存在しないレアな航空機なのである。
良く動画で見られる白色を基調にした塗装の機体は1号機であり、現在2号機、3号機は濃青色の洋上迷彩の塗装となっている。
US-1A/US-2とも配備は基本的には岩国基地が中心だが、厚木基地に常時1機が派遣され、小笠原諸島などにおける急患移送などに活躍している。
昭和30年代前半にソーナーを使用した対潜飛行艇の構想が検討され、グラマン・アルバトロスを改造したUF-XS実験機による試験を経て昭和40年より新明和工業による試作を開始、昭和45年に部隊使用承認が下りてPS-1と呼称された。PS-1の成功を受けて海難救助、離島間輸送等へ運用を拡大する研究も開始、揚陸用脚の代わりに着陸用脚を装備したUS-1も開発された。昭和63年度以降はエンジンを強化したUS-1Aが調達されている。[1]
もともと飛行艇のメリットとは、島嶼間など飛行場を作れない場所への連絡手段という側面がある。もっとも戦後、ヘリなどの普及により新規に開発するような国は日本、ロシアぐらいとなってしまった。
飛行場いらずで海や湖に離着水出来れば使い勝手が良いと思われるが、着水する際の衝撃などのために機体構造を丈夫にすると、機体そのものが重くなり速度も航続距離も短くなる。また整備など維持管理の手間もかかる。
他の国が余り積極的に飛行艇を開発していないのにはそれだけの理由がある。
日本のUS-2にしても7機しか導入されない機体であるため、費用対効果などの面を考えてよく批判を浴びる機体でもある。
新明和工業は森林火災などで使用できるなどのメリットを生かして民間での発売などを考えているようだが、大洋への離着水能力など、どうみてもオーバースペックにすぎて(それだけ整備などランニングコストもかかるうえ)、価格面に跳ね返る現状を踏まえると導入は難しいだろう。
…つまり、森林火災など対応するにはカナディアCL-215/415ぐらいのサイズでいいわけで、軽トラで十分と思っているところに8tトラックは売れないよね…という泣くに泣けない事情がそこにある。ちなみに海上保安庁も同様の理由で飛行艇配備を見送っている経緯もある。
最近では航空救難でわざわざ数機の飛行艇を維持するなら、C-130による空中給油でヘリを長躯進出させたほうがいいとかV-22オスプレイを導入すればいいとかいう意見もある。
また「単純にPS-1がコケて、(導入した責任所在とか)扱いに困って無理やり救難飛行艇にしたてたのがUS-1で、数を減らすわけには行かないから今も残っているんでしょ?」という辛らつな見方も一部には存在する。
だがちょっと考えてほしい。
世界がUS-2のような航空機を望んでいないのは、日本のような広大な領海を持っていないからで(また適切な場所の島に航空機離発着が出来る施設もない)、ヘリで行くには遠距離過ぎる、時間もない…さらにそれに荒天などの悪条件が重なるような島嶼、あるいは救難事件が発生した場合には「あきらめてください」というわけにはいかない。何事もコストだけで判断できる問題ではないのもそこにある。
ちなみに実例として、アメリカ空軍機が三陸沖太平洋上で墜落した際にアメリカ空軍の要請をうけてUS-1Aが長躯進出。ヘリでは足も短く速度も遅いなかUS-1Aは無事パイロットを救出し空軍から表彰を受けている。
今後、日本の特殊事情を踏まえた上で飛行艇を選択しつづけるか、もしくは違う方法をとるのか、それは次の為政者(納税者)の判断によるだろう。
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最終更新:2026/01/08(木) 19:00
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