アドルフに告ぐ(英:Message to Adolf)とは、
である。この記事では1について記載する。
概要
漫画誌ではなく、自身初の一般週刊誌に連載された、手塚治虫晩年の代表作。
第二次世界大戦下の日本とドイツを舞台に、ヒトラーの出生の秘密を暴く文書を巡り、弟を亡くした新聞記者と二人のアドルフを中心として戦争とは、民族とは、そして正義とは何かを時代の奔流に飲まれて行く人々の姿とともに描く。
マンガでありながら一種の文芸作品としての扱いで売り出され、1985年に発行された最初の単行本(全4巻)はハードカバーという異色の装丁となっていた。その後、ペーパーバック装丁の単行本や文庫本、コンビニ向けの廉価版など、何度も形を変えて発行され続けている。
ラジオドラマ化や舞台化がなされており、特に1993年にTBSラジオで放送されたものはギャラクシー賞を受賞するなど評価が高い。
ストーリー
1936年、ベルリンオリンピックを取材にきた峠草平は、弟がナチスドイツを揺るがす事実が書かれた文書を手に入れ日本に送ったことで党員に殺されたことを知り、この件に強く執着する。
一方、神戸に住むドイツ総領事館員ヴォルフガング・カウフマンの息子、アドルフ・カウフマンは周囲に反対されながらもユダヤ人のアドルフ・カミルと親友同士だったが、力を強めていくアドルフ・ヒトラーの影響で二人の仲は大きく捻じ曲げられていく。
登場人物
- 峠草平
- この物語の主人公であり、狂言回し。オリンピアン顔負けの体力を持つ元マラソン選手で現在は協合通信のドイツ特派記者。ガタイが良く男らしい顔をしているためあちこちでモテる。不屈の精神で弟の形見となった文書のため闘う。
- アドルフ・カウフマン
- もうひとりの主人公その1。ドイツ人と日本人のハーフ。少年期はイジメられっ子であり、そのイジメから助けてくれるカミルがユダヤ人なこともあってナチスドイツに反発していたが、ナチス党員の父の方針でアドルフ・ヒトラー・シューレに入学させられ、そこで純粋なヒトラー・ユーゲントとして成長して行く。
- アドルフ・カミル
- もうひとりの主人公その2。関西弁が特徴的な、ドイツから神戸に亡命してきたユダヤ人。信念の強い少年で、イジメを受けるカウフマンをかばったことから親友となる。しかし、世界情勢の影響もあってカウフマンとは離ればなれとなる。そして、峠の弟がもたらした「秘密の文書」を巡って彼も巻き込まれていくことになる。
- アドルフ・ヒトラー
- 喜怒哀楽が激しい独裁者。ヒステリックで考え込むうちに自分の世界に入っていってしまうという性癖が強調されて描かれている。彼自身の「ある秘密」がこの物語の大きな舞台装置となっている。
- 由季江
- アドルフ・カウフマンの母。夫のヴォルフガングとは大恋愛の末の結婚だったが、彼がナチス党員となった頃から夫婦仲は冷めつつある。やがてヴォルフガングのある疑惑を巡って悲劇が起こることとなる。この作品のメインヒロインでもあり、峠との偶然の邂逅から思わぬ運命に引き込まれてゆくことになる。
- アセチレン・ランプ
- 残忍なゲシュタポ極東諜報部長。娘が峠に関わって自殺したこともあり彼に憎悪を燃やす。
- 赤羽
- 拷問が趣味の悪名高い特高刑事。本作のハム・エッグ枠。
関連動画
関連静画
関連チャンネル
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 鉄腕アトム
- アラバスター
- ブラック・ジャック
- 火の鳥(漫画)
- 七色いんこ
- どろろ
- ふしぎなメルモ
- 鳥人大系
- 人間昆虫記
- 赤の他人
- ガラスの城の記録
- 現地調査
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