クリフトとは、ドラゴンクエストIV 導かれし者たちに登場するキャラクターである。
概要
初出は第二章「おてんば姫の冒険」。毎日のように城の壁を蹴破る、おてんばでは済まされないアリーナ姫に片想いしている、サントハイム城の神官である。腕試しの旅と称して出奔したアリーナ姫に同行しているうちに、世界の命運をかけた戦いに巻き込まれていくことになる。
キャラ性能はオーソドックスな僧侶タイプで、スクルトやベホマラーやザオリクといった重要な補助・回復呪文を唯一覚えることのできる優秀な回復要員である。同タイプのミネアと比較するとフバーハを覚えない代わりに回復呪文の揃いが良く、おまけにすばやさ、HP、MPが高く重装備も可能で防御力も高いため、戦場に安心して出せるというアドバンテージが光る。そのためレギュラー起用率は彼の方が高かったようだ。
だがAIの都合上学習するまではとりあえずザキ系呪文をぶっぱなすという悪癖があり(後述)、「めいれいさせろ」のないFC版第五部ではボスにザキ系呪文を放ち続ける姿に多くのプレイヤーが頭を抱えたという。なおPSリメイク版では学習とかそういうレベルではなく常時一定確率でザキ系呪文をぶっぱなすうえにアリーナを最優先で回復する困ったちゃんと化している。ただしその後のDS版スマホ版ではそれらの仕様は無くなり普通のAIに改善されている。
前述のようにFC版のザラキ連呼が原因で無能なイメージが強くネタにされやすいが、本来はパーティーの要となる重要な回復要因である。
原作のFC版ではそこまで濃いキャラ付けはされていなかったが、「ひめにもしものことがあっては このクリフト…。いや、おうさまがどんなになげかれることかっ!」という台詞を密かに片想いしているのだと解釈したプレイヤーは多く、前述のザラキ馬鹿ぶりや雄々しく頼もしいアリーナ姫との対比、主従関係にある若い男女というシチュエーションなどもあり、後に発売されたDQ4コママンガ劇場シリーズでは新山たかしなどをはじめ数多くの作家陣によりクリフトとアリーナのラブコメが定番ネタとして大量に描かれるようになり、さらには小説、CD、漫画版など公式派生作品においても片想いの描写がされたため、「アリーナ姫にぞっこんの愛すべきヘタレ」というキャラ付けが普及していった。
これを受けて後のリメイク版では片想いが公式設定となり、新たに追加された仲間との会話システムではいつでもどこでもアリーナに対する熱狂的とも言えるほどの想いが聞けるようになっており、AIにもアリーナ優先回復機能が付けられた。
リメイク版以降に発売されたスピンオフゲームや他作品へのゲスト出演でもアリーナとセットで片想いネタを強調されたりザラキ厨ぶりをネタにされるなど、とにかくネタにされやすい。
シリーズでもここまで露骨に性格設定をAIに反映されたキャラは他になく、ある意味愛されているとも言える。
ちなみにFC版では容量節約のため「クりフト」と「リ」がひらがな表記にされている。これは「アりーナ」も同じ。
ドラゴンクエストヒーローズでは声優の緑川光が声を担当している。
また女子からの人気も高いらしく、テレビ朝日の人気バラエティ番組アメトークのドラゴンクエスト芸人回では、クリフトが女子に一番人気のあるキャラクターであると紹介される場面もあった。同番組内ではクリフトがアリーナに惚れているという紹介もされた。
クリフトとアリーナ姫
意気揚々と城の壁を蹴破り冒険に出るアリーナ姫を追いかけて旅に出たところから、世界の運命を左右する歯車が回り始める。
教育係のブライとともに苦難を乗り越え遠く離れたエンドールの武術大会にアリーナ姫が出場することとなっても、やはり恋は盲目であり、必死になってサポートに回る彼の姿はけなげであった。当のアリーナ姫は、鉄の爪なんて物騒な武器を手に、大量の薬草を抱えて武術大会でベロリンマンにベロベロにされているとか、もう少し彼のことを考えてあげたほうがいいよ、アリーナ姫は。
さて、姫が見事優勝を成し遂げ、我がことのように喜んだ彼は報告のためにサントハイムへと戻ることになった。しかし、戻った彼の目に飛び込んできたのは、子猫一匹しか残っていない無人の城。以後、彼とブライ、アリーナ姫は、消えたサントハイムの人々を探すため、世界中を冒険することになったのである。
時は流れ、占星術師ミネアの導きにより、世界を救う仲間を集めていた勇者がとある村に立ち寄ったとき、彼は旅の疲れか恋の病か、宿屋で寝込んだ状態であった。なお、その心労の大本であろうアリーナ姫は、クリフトの病を治すため腕利きを集めてパテギアの洞窟に乗り込んでいる最中であった。
少女一人、荒くれ者を雇って洞窟探索など、普通に考えたらクリフトの病よりアリーナの身のほうが危険な状況だが、多分その中で一番腕っ節が強いのが当のアリーナ。姫様ぱねぇっす。しかし、そのような状況において、クリフトの心労はいかほどか、ということを考える上でも、アリーナ姫はもう少しクリフトのことを考えてあげたほうがいい。
こうして、無事にアリーナ姫が持ち帰ったパテギアの種で手に入れた根っこを煎じて飲み復活した彼は、アリーナ姫に詫びるとともに、勇者とともに世界を救うための旅に出ることを決意したのである。
このとき「ア、アンタのためじゃないんだからねッ!」とアリーナ姫がツンデレなところを見せたとかそういうところは一切なく、勇者との出会いに瞳をキラキラさせて「オラ、スッゲェワクワクしてきたぞ!」とサイヤ人みたいなことを言ってたに違いない。アリーナ姫はクリフトのことを考えてあげたほうがいい。
その後、無事に世界を救いサントハイムに戻った彼は、アリーナ姫への思いを心に秘め、神官として多忙な毎日を送っていることだろう。
ちなみに新作アクションRPGドラゴンクエストヒーローズでは、クリフトはアリーナ姫と2人で登場しメインキャラとして参戦、本編終了後の2人のその後の様子が描かれており、一時的とはいえアリーナとの2人旅を実現していた。主人公一行の仲間になる際には「せっかく姫さまと2人きりだったのに……」とこぼす場面もある。
またアリーナを引きとめる際にはアリーナに抱きつくような格好になって止めたりボディータッチも多いなど役得な場面も多く、親しげな会話もありアリーナとは原作よりも親密な様子になっていた。よかったね、クリフト。
ヘタレ
PSでのリメイク時、キャラ会話システムがついたことで、登場人物の個性が露わになった。そしてアリーナに関しては大多数の予想通りの「オッス!オラアリーナ!」な性格ではあった。だがクリフトは
- 教会の教本にアリーナの隠し撮りブロマイドを挟んで隠す
- 極度の高所恐怖症で、高い所へ連れて行くと恐怖のあまり泣きだす
- 子供のころに海でおぼれたので水が苦手
- 噴水を見てロマンチックな気分に浸る
- アリーナの日光浴姿を想像して鼻血を吹き出す
等、ヘタレというレベルではないほどのヘタレさをみせつけてくれる。というか、どうして女の子じゃなかったんだこれ、というぐらいだから困る。
ライアン「これだから 神官は 女の くさったようなヤツと 言われるのだ。 なさけない。 いや 別に クリフトどののことを 言っているのでは ないが。」(PSリメイク版第六章にて)
ライアンさん、もっと言ってやってください。
クリフトとザラキ
クリフトといえばザラキ、ザラキといえばクリフトである。ドラゴンクエスト モンスターバトルロードやドラゴンクエストヒーローズでもネタにされているほどザラキ=クリフトであるが、これはFC版ドラクエ4のAIがすべての元凶であることは良く知られている。
FC版ドラクエ4のAIは、それ以後の作品のような「最初からモンスターの弱点や耐性を把握して適切な行動をとる」といったものではなく、「戦闘を通じた学習によって後から弱点や耐性を把握する」という学習型AIであった。
ただしこれは「ある呪文があるモンスターに効いた / 効かなかった」といった個々の事例を蓄積するわけではない(それをやるには容量が足りない)。具体的には各モンスターごとにパーティーの学習度を4段階で設定した上で、当該モンスターが参加した戦闘におけるターン経過時に一定確率で学習度を加算し、最大に達するとパーティーメンバー全員が耐性等を踏まえた行動を選ぶようになる、という仕組みである。
そのため学習度不足の初見のモンスター(ボス含む)に対しては、パーティー全員が耐性等を考慮せずに命令に即して最善と判断した行動をとることになる。そしてクリフトの場合は、敵のHPや命令内容、所持品によってある程度左右されるものの、敵を倒すための最善の手段と判断してザキ・ザラキを選択することが多い。と言うのもクリフトは攻撃力が低い上に、敵に直接ダメージを与える呪文を一切習得することが出来ないためである。また、ザキ・ザラキは成功すれば敵を即死させることができるために、プログラム内部での呪文効果の評価値が高くなっていたことが、ラジオで堀井雄二氏が語った際に明らかになった。
ザコの場合はザキ系に耐性を持っていないことも珍しくないし、戦闘機会が多いので耐性があってもターン数経過で学習度が高まっていけばやがてザキ系をぶっぱなすこともなくなる。ところがボス戦では運が悪いとかなりのターンに渡って効果のないザキ系呪文を空しく叫び続けることになりかねない。全滅しても学習度はリセットされないので再戦時にはマシになっている可能性が高いが…
一番厄介なのがラスボスのデスピサロ戦である。と言うのも7つある形態すべてが別モンスターとして設定されており、当然ながら学習度も別々に蓄積されるため、ターン数経過で学習度が溜まりようやくザキ系を使わなくなったかと思いきや、形態移行後はまた性懲りもなくザキ系呪文を叫び出してしまうのだ。
対策としては、氷の刃や炎の爪などの戦闘中に使うことで敵に直接ダメージを与える呪文と同じ効果を発揮する武器を持たせておくというものがある。あるいは戦闘内容いかんに関わらずターン数経過で学習度が蓄積する点に着目し、序盤に勇者のアストロンを連発してターン数を稼ぎ、学習度の蓄積を期待するという作戦もある。
なお、PSリメイク版ではAIは最初から敵の弱点を完全に把握しており、マーニャやブライが効かない呪文を連発したりすることはない。だが、クリフトだけはあまりにザラキキャラが定着し続けたためか、ザキ系が効かない相手でもザキ・ザラキを使うようにわざと設定されている。一度学習すれば絶対に使わなかったFC版と違い、戦ったことのある相手でも1/4という高確率でザキ・ザラキを試すため、ある意味FC版より始末が悪い。しかも作戦を「おれにまかせろ」にしても無視してくる。さすがにやり過ぎたと思われたのか、DSリメイク版ではザキ系の使用頻度は低下したが、それでも使用することがあるので注意。
ついでに「アリーナに惚れている」という設定を反映し、常にアリーナの回復を優先する(瀕死のキャラが他にいても、半分しかHPが減っていないアリーナを回復する)という新仕様も加わっており、彼のAIはとかくキャラ優先で使い辛い。幸いリメイク版には「めいれいさせろ」があるため、FC版ほど邪魔になることはないが。このアリーナ姫優先回復AIも、DSリメイク版では緩和されている。
小説版
アリーナの乳兄弟という設定になっている。
おてんば姫に振り回される一方で、アリーナには兄同然の存在として甘えられている。ただしいざという時は真顔でしっかり諫めるなど、己の立場を弁えている。
エンドールの武術大会に出場すべく城を抜け出したアリーナをブライと共に追いかけ、旅の同行者となる。テンペで生贄の身代わりをして魔物を退治しようとするアリーナを止めるべく、「生贄は生娘でなければならない、それならいっそ」と彼女を押し倒すというとんでもない行動に出た。結果的にブライに阻止されて未遂に終わったものの、「弱いふりをして油断させる」事を覚えたアリーナが、カメレオンマンを倒す手助けになった。
フレノールでは道具屋で薬草を買うのをきっかけに店主のホビット兄弟と仲良くなり、まけてもらう代わりにチェスを指南するという頭脳派な一面を見せた。だが偽王女の誘拐事件に巻き込まれ、悪漢に殴られたアリーナが人事不省に陥ってしまう。
身代に要求された黄金の腕輪を手にいれるべく、鉄の槍と鎖帷子を装備してブライと共に洞窟に挑むが、多くのモンスター相手に苦戦が続く。更にコドラに追い詰められて絶体絶命となるが、そこへ復活したアリーナとホビット兄弟により救われ、黄金の腕輪の入手に成功。降伏したと見せかけたおにこぞうがアリーナを背後から襲おうとしたのに気づき、勇気を振り絞って槍で仕留めるという活躍を見せた。
エンドールの武術大会ではアリーナの為に様々な薬効のある薬草を取り揃え、客席から応援する。しかしアリーナの優勝後にサントハイムの民が消えた事を知り、そこから彼らの消息を尋ねる旅が始まった。
第五章では港町ミントスで病に倒れる。ブライ曰く「ナントカは風邪にはかからんというから、あやつの場合はそうじゃなかったんじゃろう」と地味にひどい事を言われているが、症状は重篤で、万病に効くパデキアのねっこを求めてアリーナが一人で出かけてしまう。
その後勇者一行がブライの願いによりパデキアのねっこを入手し、無事に回復。年若い勇者(ユーリル)に(同年代というのもあって)思いっきり不信の目を向けたが、旅する中でその認識は改まった様子。
後にサントハイムの宝物庫からマグマの杖を見出し、以後はこれをメインに使うようになる。
女性に対する免疫はあまりないらしく、ガーデンブルグで「レオタード」を入手したミネアと、ただでさえ露出の多いマーニャにどぎまぎしている。更に「洗濯日和だから」と無理矢理服をひっぺがされて洗濯された時は、甲高い悲鳴を上げていいようにされた。
アリーナもクリフトがお姉様がたにちょっかいをかけられているのを見るとやきもきするなど、お互いに憎からず思っている節が見受けられた。よかったね。
関連動画
関連項目
ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城 | アクト / メーア / ディルク / ジュリエッタ / ホミロン アリーナ / クリフト / マーニャ / ピサロ / ビアンカ / フローラ / テリー / ヤンガス / ゼシカ |
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ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり | ラゼル / テレシア / ツェザール / オルネーゼ / ホミロン アリーナ / クリフト / トルネコ / マーニャ / ミネア / ハッサン / テリー / マリベル / ガボ / ゼシカ / ククール ルイーダ / リッカ |
ドラゴンクエストIV 導かれし者たち | |
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キャラクター | 主人公 / ライアン / アリーナ / クリフト / ブライ / トルネコ / マーニャ / ミネア ルーシア / ドラン ネネ / ホフマン / マスタードラゴン |
地名 | バトランド / イムル サントハイム / サラン / テンペ / フレノール / 砂漠のバザー / エンドール レイクナバ / ボンモール モンバーバラ / コーミズ / キングレオ城 / ハバリア / アッテムト 山奥の村 / ブランカ / アネイル / コナンベリー / ミントス / ソレッタ 海辺の村 / 移民の町 / スタンシアラ / ガーデンブルグ / メダル王の城 / ロザリーヒル リバーサイド / デスパレス / エルフの里 / ゴッドサイド / 天空城 |
ダンジョン | パデキアの洞窟 / エスターク神殿 / 世界樹 / デスキャッスル |
ネタ系 | 838861 / 8逃げ / 会心の切腹 / ザキ厨 / 透明気球 / ばしゃときれぼし! / 魔閃攻撃 |
モンスター | ピサロナイト / エスターク / エッグラ&チキーラ |
ラスボス | デスピサロ / エビルプリースト |
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