盲目(blindness)とは
眼球の機能が一切機能しないなど、視覚情報が完全に得られない状態を指しやすい。誤解されがちだが、視覚障害のある人のうち、弱視である人の割合は7割程で全盲の人は意外と少数である。
しかし人間は視覚によって80%の情報を得ているため、生活や移動・就業に支障があるのは同じであり、社会的な理解もまだまだ十分とはいえない。特にパソコンやインターネット、図形・映像による情報の入手は困難を極めるため、アクセシビリティの充実も今後必要不可欠である。
概要
盲目は大きく2つに分けることができる。
1つは一時的な盲目状態であり、過度の疲労や心因性の要因などからしばらくの間視力をなくしてしまう事がある。 ゲームの世界では状態異常の一つとして登場する事があり、一時的に武器攻撃の命中率が大きく下がる。中でもファイナルファンタジーシリーズに登場する【もうもく】が有名。
もう1つが恒久的な盲目状態である。先天性の障害であったり、事故や負傷、何らかの要因で後天的に視力を失ってしまった状態がこれになる。負傷の場合は片目だけ盲目といった「隻眼」の状態となる場合も多いが、片目または両目の視力を極度に低下させるといったパターンもあるなど様々。
実社会では重度の視覚障害者であり、周囲の助けや盲導犬による補助などが必要である。現在、様々な方法で視覚を代用する方法が研究されており、少しづつ実用化されている。
変遷・表現
かつては視覚障害者に対して「めくら」や「座頭」といった言葉が多用されており、それらが差別的であるという配慮から、現在は使用されなくなってきている。ただ古い作品では、現代では差別語であるそれらの言葉も表現の一つであった事もあり、現代に再版するにあたって過剰な表現規制によって表現が修正されて不自然になってしまう事象も見受けられる。
フィクションにおける盲目
フィクションの世界では必ずしもハンデとなる訳ではなく、視覚を失った代わりにその他の感覚器(特に聴覚)が発達し音や気配を利用するなど、超人的な能力を身に付けるというのは良くあるパターンになっている。以下は例。
- 元から視覚に頼らず使用すらしていないため、視覚によって欺瞞されない。
- 視界不良・暗闇・迷彩色・透明化・見た目の恐怖を利用した戦術は意味を全く持たない。
- 足音や服の擦れる音など「固有の音」で個人を紐付けして識別している場合、偽者すら看破されてしまう。
- 呼吸や足音、筋肉の音で位置や動き、心理状態を鋭く看破される。
- 音の反響によって地形や障害物の位置を把握し回避、物陰に隠れた存在すら看破する。
その他、作中の世界観や科学技術のレベルによって、失明状態を飛躍的に改善する義眼などが用いられる場合もある。特殊能力やスキルによって他者の視界を借用する場合もある。
実際の世界でも周囲の介助は必要なものの、生活に周囲の音や点字などの凹凸を利用する場合は多く、音楽等で超人的な才能を発揮する人もいないわけでもない。
萌え属性としてみると目のハイライトを消して描かれることが多く、昔から物語の登場人物に多い事や、一目で分かりかつ大きく見た目が変わらないためか障碍者キャラの代表格の一つとなっている。最近はヤンデレも同じ目の描写をするため間違われやすいのが難点である。あっちとは逆に、「されど心の目はまだ開いておる」のが萌えポイントなのだが…
比喩として
判断力の喪失
正常な判断力を失い、疑うことなく相手や事象を信用する状態を指す。
恋愛・洗脳、悪徳商法、詐欺やカルト宗教などで起きやすい。もはやそれなしでは生きられない、否定されるとヒステリーを起こし暴れ狂うほど末期の依存症のような状態になる場合もある。
「絶対に正しい/間違っている」「××の意見は絶対」など。しっかり疑って騙されなければ良い…のではなく、相手も時間をかけて警戒心を解いたうえで話術や洗脳術に長けた人間を使用するなど、一筋縄ではいかない。
- 常識を書き換えるほどのレベルで事象を強力無比なレベルで誤認しており、非常に厄介。
- 周囲・肉親・親友の警告すら聞く耳を持たない場合がほとんどで、なおかつ布教勧誘してくる。
- 被害に遭っている事すら気付かず、仮に気付いても時すでに遅し。
- 破産するまで際限なく資産を借金してまでつぎ込む、しかもそれを「良いこと」「すばらしい事」と思い込み、喜んでいるような最悪な状況もある。カルト宗教など。
- 詐欺や悪徳商品など、効果を思い込みによって実感している場合もある。(フラシーボ効果などが有名)
戦闘など
戦闘・戦争において、夜間や閉所における照明の破壊、煙幕を展開する、レーダーを破壊することで敵の目を奪い盲目にするなど、自身や味方の作戦行動を隠匿・有利にするといった比喩で使われる場合もある。
相手の眼球を狙う(サミング)、眼球めがけて粉塵や液体をかけるなど物理的に盲目状態にする場合もある。
主な盲目の人物・キャラクター
五十音順。
架空のキャラクター
- 乙女座のアスミタ(THE LOST CANVAS 冥王神話)
- アーヴァイン(ベルセルク)
- 市川(アカギ)
- 伊良子清玄(シグルイ)
- ウィステリア・ラングレイ(ノケモノたちの夜)
- 魚沼宇水(るろうに剣心)
- 現夢十郎(獣兵衛忍風帖)
- 川名みさき(ONE ~輝く季節へ~)
- キラル・メキレル(機動武闘伝Gガンダム)
- 左近丸(伊賀の影丸)
- シュウ(北斗の拳)
- シュガー・マウンテン(ジョジョの奇妙な冒険 スティール・ボール・ラン)
- ジョンガリ・A(ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン)
- ダークネス(SHADOW SKILL)
- 座頭市(座頭市シリーズ)
- デアデビル / マット・マードック(デアデビル)
- 東仙要(BLEACH)
- ナナリー・ランペルージ(コードギアス)
- 成賀凛(トリプル「J」アイドル)
- ナンナ(エルシャダイ)
- パウル・フォン・オーベルシュタイン(銀河英雄伝説)
- ハボリム・ヴァンダム(タクティクスオウガ)
- 東方大弥(ジョジョの奇妙な冒険 ジョジョリオン)
- 土方護(死がふたりを分かつまで)
- 悲鳴嶼行冥(鬼滅の刃)
- 平坂黄泉(未来日記)
- 黄泉(幽遊白書)
- ンドゥール(ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース)
実在の著名人
- アップル・デ・アップ(アメリカのラッパー) - 法律上ではほぼ失明とされている。
- 鑑真(中国の偉人)
- スティービー・ワンダー(アメリカのシンガーソングライター)
- 辻井伸行(日本のピアニスト)
- ヘレン・ケラー(アメリカの作家)
- ラウル・ミドン(アメリカのミュージシャン、ギタリスト)
- レイ・チャールズ(アメリカの歌手)
関連動画
関連項目
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