グラディウス外伝(-がいでん)とは、横スクロールシューティングゲーム『グラディウス』シリーズの一作である。
2006年に発売されたプレイステーション・ポータブル用ソフト『グラディウスポータブル』にもシリーズ作品の1つとして収録されている(ただし二人同時プレイは不可になっている)。
概要
ゲーム情報 | |
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ジャンル | 横スクロールシューティング |
開発元 | コナミコンピュータエンターテイメント東京(KCET) |
販売元 | コナミ |
機種 | プレイステーション |
発売日 | 1997年8月28日 (BEST版)1998年7月30日 (PSOneBooks版)2003年11月20日 |
価格 | 5,800円 |
ゲームソフトテンプレート |
家庭用オリジナルの番外編として作られた、『グラディウスIII -伝説から神話へ-』以来8年ぶりとなるグラディウスシリーズの新作タイトル。
現在でこそ高い評価を受けているが、発売当初はシリーズの伝統から逸脱した変容ぶりに多くのファンが戸惑いを隠せず、また2D横スクロールシューティング自体が時代遅れと見做されていたために他のゲームタイトルの影に隠れてしまい、しばらく日の目を見ることがない不遇の時を過ごすことになった。
様々なアイデアやギミックが詰め込まれた、今までのシリーズの枠に縛られない意欲作である。
沙羅曼蛇シリーズの特色である2人同時プレイや、過去にMSXなどのオリジナルタイトルで採用された武装のレベルアップなどの要素も採用され、まさにグラディウスの技術が集結された出来映えに仕上がっている。
演出
演出面においてもシリーズの中で特異性を持っているのが特徴。メインテーマとなる楽曲をベースに要所にアレンジが施されたフレーズがあり、特に最終ステージの高速パートについてはこのテーマを主体にした演出が施され、そのアツさに気付いたプレイヤーの魂を揺さぶり高揚感を与えてくれる。
そしてこのフレーズが2周目以降の空中面に差し替えられ、やり込みプレイヤーでないとなかなか意欲が続かない周回プレイにモチベーションを生み出すことに一役買う。
この音楽を担当した人物はNories三浦(現・三浦憲和)氏。幻想水滸伝シリーズやオトメディウスGの作曲陣にも名を連ねる人物だが、コナミ矩形波倶楽部やBemani Sound Teamなどの参加経験もない謎多き作曲家。
しかし今作における氏の作品の出来映えから見るに、ゲーム音楽史に名を連ねるに相応しい名コンポーザーである事は疑う余地はないだろう。
ゲームシステム
今作は4種の戦闘機を選んでプレイする。ミサイル、ダブル、レーザーの武装が異なるものを搭載。つまり従来作のゲージセレクトにあたるものとなる。
これらの機体別の武装については、一度取得したあとにもう一度取得することでレベル2(以下、Lv2)になり、性能が強化される。ダブルとレーザーに関しては同時装備できないが、どちらにせよ一度取得しておけば換装したあとでもLv2から取得できる。
ただし、ミスをするとすべてLv1からの取り直しになってしまう。逆に一度Lv2にした武器をLv1に戻すことは出来ない。基本的には強くして悪いことはないのだが、未強化で出来る運用というのもあるので、強化をしたくない場合には気をつける必要がある。
なお、それぞれの戦闘機にはイメージカラーが設定されており、レーザーを始めとした装備やオプション、シールドの色がこれに準拠したものになる。ちなみに2人プレイで同じ機体を選択された際は、後に決めたプレイヤーの機体が別のカラーに代替されることになる。
ダブル系装備は射出される攻撃の連射判定が独立した仕様である。
たとえばビックバイパーのLv1ダブルで言えば、斜め上の弾が敵を撃って消滅した場合、正面の弾が画面に残っていても次の斜め上弾がすぐに発射される、という具合。
機体を決定した後にバリアーを選択。マニュアル/オートパワーアップを選択した後、下述するゲージエディットを行って(オプションで省略する事も可能)ゲームスタート。
ビックバイパー
惑星グラディウスで初めて開発された超時空戦闘機。
最初期の時点で基本形・開発思想がすでに完成の域にあり、以降11代に渡って改良が重ねられてきた伝統ある機体。
シリーズの顔とも言える我らが主役機。イメージカラーは青 。
いつも通りの装備ラインナップ。オーソドックスな性能で使いやすく、さらに強化の要素も助けて器用万能と言うべき活躍が出来る、初心者から上級者まで誰でもオススメ。
SPEED UP | MISSILE | DOUBLE | LASER | OPTION |
- ミサイル
- 下方に落下後され、着地すると前方に進む。
- Lv2で貫通性能を獲得し、軌道上の弱いザコを殲滅できるようになる。ハッチなどの耐久力のある敵への威力はそのまま。
- ダブル
- 斜め上方向へのショットが追加される装備。Lv2でさらに真後ろへの弾が追加され、従来作でいうダブル+テイルガンの攻撃ができるようになる。
- 上述したダブルの特性により弾切れしにくく、オプションが充実した時の制圧力は圧巻。ボス戦にも持って行けるほどに攻防両面で輝く強さからシリーズ最強のダブルと言われる。
- レーザー
- 威力と貫通力に優れた直線状の光線を発射。Lv2でレーザー長が伸び、照射時間が長くなる。
- ダブルが強すぎるので相対的に地味だが、従来の強みはちゃんと押さえている。オプションの装備をずらすなどして照射タイミングを変えるなどのテクニックを使えば無限(に近い)の照射時間で進行できる。
ロードブリティッシュ
惑星グラディウスの友好星ラティスで正式採用されている超時空戦闘機。
ラティスはかつてバクテリアンの襲撃を受けたが、グラディウス軍と共同開発したこの機体によって撃退に成功した。そしてそのパイロットであった救星の英雄、ブリティッシュ王子の功績を称え、機体に王子の名を冠することとなった。
沙羅曼蛇やパロディウスシリーズでお馴染みのバイパーの女房役。イメージカラーは赤 。
沙羅曼蛇2ではその役目をスーパーコブラに横取りされてしまったが、本作にて2機目の戦闘機として登場。
従来の武装を意識したラインナップ[1]。ミサイルのみで上下ともカバーでき、特に前方制圧能力に優れているのが売り。遊びやすさのおかげで低難度ほど活躍が見込める初心者向けの機体である。
ただし、唯一後方を攻撃できないという明確な弱点を抱えてしまっている。さらに機体カラーと敵弾の色が似通っていて判別がつきにくいことが多々あり、特に高難易度・高次周になるほど苦しい戦いを強いられる。プレイヤーの腕の見せ所だ。
SPEED UP | 2-WAY | RIPPLE | DISRUPTOR | OPTION |
- 2-WAYミサイル
- 自機の上下両方に射出されるミサイル。グラIIなどと同様、わずかな弧を描くように真一文字の投下軌道を描く。
- Lv2で対地性能が強化され、地面と天井を這う、久しぶりの沙羅曼蛇性能になる。
しかし、強化により対空および連射性能が犠牲になってしまい、必ずしもLv2が良いとは言いがたい。特にオプションと組み合わせた時の弾幕は目を見張るほど優秀であるため、特に一人プレイの時は敢えて未強化のまま進めるのも良いかもしれない。 - リップルレーザー
- リング状のレーザーを射出する。
- Lv2になると残像のエフェクトがかかる。この残像にもすべて攻撃判定があり、レーザー本体と違い消滅判定を持たないので、倒し損ねたザコなんかをついでに狩ることができる。
- ダブル系ながらこの機体の主力兵器。
- ディスラプター
- 地形や敵の装甲を無視して一瞬で着弾するレーザーを照射する。Lv2でレーザーの太さが増し、攻撃範囲が広がる。
- 威力はちゃんと高いのだが、発射間の隙が長く、実質的な火力に欠ける。オプションを装備するタイミングをずらすなどしてこの隙を埋め合わせるなど、使いこなすには技術を要する。
ジェイドナイト
第三次グラディウス戦役(グラディウスIII)の末期に開発が開始された重爆撃機。
第三次戦役が終了したため開発が中断されていたが、新たな戦いを前に開発が急ピッチで再開、試作機が実戦投入された。
本作オリジナルの機体。イメージカラーは緑 。
開発スタッフのお気に入りで、唯一テーマ曲[2]を持つ裏の主役機(?)である。
ラウンドレーザーによる死角の無い攻撃が最大の魅力。総じて援護に優れた性能を誇り、特に2人プレイで強さの真価が発揮できる。
一方、1人プレイでは火力がないために苦戦する場面が多々。いずれにせよ上級者向けのいぶし銀な機体であると言える。
SPEED UP | SPREAD BOMB | ROUND LASER | PULSE LASER | OPTION |
- スプレッドボム
- 着弾時に大きな爆風を発生させる。本機にとって大火力を出すための頼みの綱。
- Lv2にすると落下中に2つに分裂。威力や爆風の減衰は一切ないので、純粋に攻撃範囲の強化となる。
- ラウンドレーザー
- 通常弾とともに、自機から同心円上に広がるレーザーを射出する。Lv2で攻撃範囲が大きく広がる。
- 実は耐久度のないザコや破壊できる敵弾、さらには地形やボスの装甲までも貫通し、常に最大範囲まで円形が拡がるという仕様を有している。特にモアイステージでは全方向から迫るイオンリングを全部消しながら、地形に吸われず口を叩けるモアイキラーとして八面六臂の活躍を見せる。
- ミスからの立て直しにも強く、Lv1の拡散の狭さがむしろ連射性能の保障になる復活のお供。
- 弱点は全武器中最低と言って過言ではないほどの火力の低さ。特に一人プレイではこの装備のままボスに挑むと長期戦必至となる。
- パルスレーザー[3]
- 短いレーザーを同時発射する。それぞれの攻撃判定が独立しており、連射性に優れることが強み。
- Lv1は従来のツインレーザー同様の2発。Lv2ではやや前なりの1本が追加された3発。1発増えた分単純に火力が上がったほか、難癖のようだがツインの穴である自機正中線をカバーできるようになる。
- 他機のレーザー系武装と比べ火力に欠けるが、それでも単騎攻略においては重要なボス戦武装。
- また、こちらも2人プレイでは優秀な援護武器として機能する。なにしろ前方への弾数がトップクラスなので、空中戦をはじめとした対正面のシーンでの制圧力が他の追随を許さないのである。相方がミスした後の立て直しなどに。
ファルシオンβ
制空権奪取を目的に作られた機体。
最新鋭の管制装置とレールガンを積んだおかげで、ドッグファイトに関しては無類の強さを誇る。
なお、機体の後ろの「β」はプロトタイプの「α」から改良が加えられたことを示すコード。
個別記事があるので、そちらも是非読もう。 → ファルシオンβ
同じく本作オリジナルの機体。イメージカラーは紫 。
機体設定で語られた通り、短射程の代わりに火力と制圧力に優れた近接戦仕様。クセが強いため扱うには練習が必要だが、使いこなすと非常に強い。並のプレイヤーが高難易度に挑むならこいつかビックバイパーの二択になるとも言われている。
SPEED UP | ROLLING MISSILE | AUTO AIMING | GRAVITY BULLET | OPTION |
- ローリングミサイル
- 着弾時に前後に分裂・移動するミサイル。貫通性能あり。短時間で消滅してしまうが、Lv2になるとある程度猶予が増える。
- Lv1は使い物にならないほどすぐ消えるので、こいつについてはさっさと強化してしまって良い。
- オートエイミング
- 通常弾に加え、射程が極端に短い代わりに周囲の敵を自動で狙う弾を撃つ。Lv1で前方から真上までの90°、Lv2で自機上側の180°をカバーする。
- ダブルでありながらある程度接敵を求められる仕様ではあるものの、短射程であることがむしろ連射性能の向上に繋がり、射程内における火力と制圧能力が圧巻。
- グラビティバレットと比べ、こちらは短射程であることがわかりきった武器であるため、割り切って使えばLv1の段階から運用しやすいのが長所。本機で慣らしをする時はこいつで進行するのがオススメ。
- グラビティバレット
- 着弾時にブラックホールのような爆風を発生させる特殊弾を撃つ。Lv2で爆風が大きくなる。
- 最強の火力を有する本機の必殺技ともいえる武装。爆風はボスの装甲をも貫通してダメージを与え、うまくやれば瞬殺も可能なロマンのある武器。
- ただし先に発生した爆風に誘発されるという仕様があり、これはむしろ爆風によって射程が狭められる弱点となってしまう。また大きな爆風は視界を遮るため、高次周では被弾の危険を高めてしまう。なのでただ漫然と連射してはいけない。
共通装備
- スピードアップ
- 5段階で調整できるいつもの装備。今作も2~3速が最適速度だろう。
- 一度必要な分だけ取ってしまえばあとはあまり触れることがないが、と言ってゲージエディットで動かしてしまうのはオススメできない。というのも今作の自機は0~1速がシリーズでも特に遅く、それを脱するためにも必要カプセル数を増やしてしまうのは危険行為に他ならないからである。2番目くらいならまだ何とかなるだろうが…。
- 最後のゲージに持っていけばそれはそれはドMなプレイが出来ることだろう。
- オプション
- グラディウスというゲームの象徴とも言える武装。自機の動きをトレースし同じ攻撃をするユニット。
- 最大4つ、2人プレイでも2機で合わせて4つ装備できる。従来の沙羅曼蛇やパロディウスシリーズと大体同じ。
- 今作のオプションは1人の持ちオプが4つ揃わない限りゲージが暗転しないという仕様になっている。つまり揃った後でもオプを取得できるのだが、その場合相方の装備分を横取りしてしまう。無計画に取ってると仁義なき奪い合いからの地獄の強迫プレイに豹変する恐れも…。
- 逆に言えば、箇所によって手数の調整ができるということでもある。活用すれば局面に応じて戦力を高められる最高の協力プレイができるので、ケンカとかしないで場の状況に合わせてオプを譲ってあげたりしよう。
バリアセレクト
SHIELD | FORCE FIELD | GUARD | LIMIT |
敵の攻撃から自機を守る防御兵器。機体セレクトの後、4種類の中から選択する。
シールド以外は耐久度(または効果時間)の減少により紫→赤に変色するため張り替えのタイミングが見計らいやすい[4]。
本作の敵機は突進してくるものが非常に多く、特に大型敵にそれをやられるとバリアで防ぎきれない。そのため、従来作と比べバリアによる安全保障は弱いのだが、その分張り替えを急ぐ必要がないのはラクなところ。
また、本作の自機は総じて攻撃性能を重視されており、守備力をカバーしてお釣りが来るほど。最後の補助武装として頼りにするくらいで丁度良い。もちろん周回数が増えるほど脅威になる撃ち返し対策には依然頼りになる。
- シールド
- 前方から六芒星の防御ユニットが飛来し、自機の前方に装着される。耐久度は12。
- 正面以外がガラ空きになるとあって普段は不遇のバリアだが、上述の理由のためバリアが攻略難度に大きく影響しない今作では相対的に扱いやすくなったと言える。地形に削られるのは相変わらずだが、今作はカプセルが豊富で、わざわざ地形に近づかなくてもそれなりの強化が見込めるので、この弱点も従来ほど足を引っ張ることがない。
- 正面からの突進に強いので、二人プレイで前衛役が使うと結構頼もしい。
- フォースフィールド
- 機体全体を覆うバリア。従来よりも見た目が被膜っぽい感じ。
- 耐久力は3と低いが、全方位をカバーするため使い勝手が良い。撃ち返しなどで敵弾が増加する高次周ほど強さを発揮するのはいつも通りで、迷ったらコレを選んでおけばOKだ。
- ガード
- 自機の周囲を回転する風車のようなユニットを装備。自機側面を防御でき、耐久度は3。
- 地形への激突に対する自動防御効果を持つ。自機を弾くことで地形との接触を避ける仕様で、展開中はレバーを入れっぱなしにしても地形に接触することはない(ただし、スクロールに挟まれればさすがにミスになる)。事故を大きく減らせるので初心者にとってはかなり意義のあるバリアである。
- 一方、フォースフィールドと同じ耐久値でありながら、機首と真後ろがガラ空きになる弱点がある。しかも防御範囲が見た目通り無駄に上下に広く、敵弾を上下ギリギリで回避するとバリアに当たって削れてしまう、壁ギリギリで避けようとすると先述の接触回避により弾かれ、ガラ空きの部分を晒してミスを誘発する…など、敵弾を受けるにもかわすにも困ったところがある。
- 恐らくゲームになれるほどこの辺の使いづらさが目敏く感じられるようになるので、その頃までに壁に激突しない操作テクニックを習得して別のバリアに換装したい。
- リミット
- 真球状のバリア。その仕様は3秒間完全無敵というとんでもない代物。
- ガードと違い本来接触できないものにも完全に重なることができ、かた~い敵に接触しようとも、地形に潜り込もうともミスにならない。もちろんバリアとして攻撃に転用することも可能で、突進して敵の制圧を逃れることも可能。
- ただし3秒きっかりで効果が切れ、その瞬間に敵などに触れていればミス確定。ゲージを?に重ねて張り直そうとしても、その時地形に潜ったりしていたら問答無用でミスなのでモグラ戦法とかはできません。
- ある意味では下述するゲージエディットと抜群のシナジーを誇る、本作が家庭用タイトルであるがゆえに存在を許されたようなバリアである。
ゲージエディット
本作の大きな特徴で、パワーアップゲージの配置を自由に入れ替える事ができる。
ライフフォース2P側を再現する事もできるし、オプションをカプセル1個で取って復活が一気に楽になるとか、リミットをカプセル1個で発動しまくって3秒間無敵を乱発するといった、なかなか面白い攻略が可能。
ゲームバランス崩壊級の要素のように思えてしまうが、「カプセルが大量に発生する傾向にある(二人同時プレイであることを加味して、二機分のカプセルが用意されているようなイメージ)」「パワーアップに比例して難易度のランクが即時かつ目に見えて変わる」ようになっているため、バランスは全然崩れていない。
そのためこの機能で徹底的に効率化を図らねば攻略が困難なんてことは無いし、「普段の通りの手に馴染んだ順番の方が混乱せずにゲームを進める事ができる」と考え、わざと順番を変えないのも十分アリである。
ステージ
全9ステージ。初頭で画面の中心に各ステージの題名が挿入される。
長さはほとんど同じくらいで、最終ステージは3部のパートを合わせて2面分くらいの長さになる。
オプションハンター
取得したオプションを奪う憎いアイツは今作ももちろん登場。
初出作であるグラディウスIIと同様、オプションを4つ揃えてから出現カウントが発生するようになる。
St1. BEYOND THE WHITE STORM
オーロラが美しい雪原のステージ。
背景のオーロラや、最初と最後に発生する雪崩が本作の豪快な演出を象徴する。この雪崩は触れてもミスにならないが、視界を遮る上、2周目以降になると自機を押し下げるようになる。地面まで落とされてミスにならないよう注意。
中盤には氷盤が突き出て斜面を形成するなど、雪と氷がステージギミックとして目一杯用いられており、最初のステージながら飽きの来させない展開は見事という他ない。
本来の地形である岩盤の上に積雪が覆い被さるようになっている。ミサイルは原則この雪の下に沈み、岩盤を這うのだが、砲台やハッチは雪上に固定され、ダッカーなども同様に雪上で行動。するとミサイルがこいつらの足元をくぐってしまい、無駄撃ちのリスクに繋がってしまう。ここで急いでミサイルを強化する必要はないだろう。
カプセルが大量に入手でき、復活は難しくない。またミスをせず全てのカプセルを回収すれば、装備を強化した上でボスまでにフル装備で挑むことも可能だ。
なだらかな自然地形でボスが巨大な有機生物という点がグラIIIで同じく1面だった砂漠ステージを彷彿とさせる。
Confirmed huge life force on the radar.
BOSS ブリザードクロウラー
巨大なイモムシ。
地形に潜りながら突進攻撃を繰り返したり、雪玉による攻撃を仕掛けてくる。2周目以降には体側面にある腺からのレーザー攻撃も加わり、緩慢ながら画面全体を制圧する攻撃の数々は圧巻。
弱点はお尻の核。パターンの都合正面から狙うのは困難なので、ミサイルとダブルで攻めるのがベターだ。
St2. REQUIEM FOR REVENGERS
機械系バクテリアンの残骸が打ち棄てられたステージで、過去作ボスの残骸がトラップとなって襲いかかる。さらに周囲の瓦礫を吸い寄せて出現するザブもおり、地形に接近すると思わぬ奇襲を喰らうおそれがある。
中盤までは2画面分の広いステージなので、安全のためにもすべての敵と一定以上の間合いを取るようにしよう。
ボスの残骸は原則破壊不能だが、装甲は壊せるものが多い。また、序盤上側で動き出すテトランに限っては撃破できる他、地形に突き刺さったクラブの残骸は触れた敵を破壊するので防御に用いることが可能。
Select the route.
中盤ではルートが分岐。それぞれの扉を破壊した時点で進行ルートが決定する。
上ルートではクリスタルコア、下ルートではカバードコアおよびビッグコアMk=IIの残骸が打ち棄てられている。また、選んだルートで下記の異なるボスとの交戦になる。
BOSS グレイブ
上ルートのボス。クラブの半身を思わせる3本の脚でコアを支え、ここから放たれる稲妻状のレーザーによる薙ぎ払い攻撃が驚異的。
画面半分を占める長身で右往左往するため画面下は本体の動きをかわす必要があるし、上半分はレーザーや瓦礫の落下が障害となる。ステージ2のボスとしてはかなり強く、このボスの存在だけで特に一周目の難易度は上下ルートで天地の差が出る。
レーザー攻撃は初周ではコアを攻撃することで止められるが、2周目以降にはそれが不可能になり、さらに強くなる。ただ、それ以上はノービルほどの強化はなく、人によっては相対的に動作が緩慢に感じられ、上下ルートの難易度が逆転するだろう。
BOSS ノービル
下ルートのボスはノービル。
名前通り?複数本のよく伸~びる触手による地獄突きで攻撃したり、周囲の瓦礫を防具にしたりしてくる。
グレイブと比べ撃破しやすく、基本的には下ルートが簡単とされるのだが、機動力は歴代コアボス随一。高次周になるほどその機敏さに磨きがかかり、脅威になってくる。
ノービルが手強く感じられたら、その次の周回からは上ルートの攻略に切り替えた方が良いだろう。
St3. INTO THE CRYSTAL CAGE
オレンジ色の水晶[5]が一面に敷き詰められたステージ。配色のおかげも有り燦々として明るいが、なんといってもこの水晶はレーザー光線を屈折させるギミックの紹介がマスト。
触れたレーザーの軌道を曲げる大小の水晶が、地形はもちろん空中にも固定され、水晶同士で衝突しながら動くものもある。
開けた場所が少なく、レーザー攻撃では真正面を撃ち続けることはほぼ不可能だが、この屈折の性質を理解する事で地形の陰に潜む敵を攻撃する事も可能である。ただし、注意すべきは敵のレーザーも同様に屈折することである。
その他にも装甲でレーザーを反射する敵なども出現。ただし屈折にせよ反射にせよ自機のレーザーについては自分が触れてしまってもミスにはならない。メイスの再来とかではないのでMSXおじさん諸君はご安心を。
- ※レーザーの屈折について
- 水晶に触れたとき、接地面から出る方向(いわゆる反射角)が水晶の面に対して垂直に出て行くようになる。つまり、ナナメ45度に突き刺さった水晶に正面からレーザーを当てると45度方向に軌道が折り曲げられる形になる。専門的な説明はウィキペディアなどの『屈折』項に任せるとして、本作をプレイする上では上記の性質を知っておきたい。
地形が複雑なので、魅せでないなら素直にダブル系を装備する方が安全ではある。また、ファルシオンβのグラビティバレットはレーザー系武装ではあるが屈折の影響を受けない。
BOSS シャイニングコア
巨大な水晶に覆われて出現。
ハデに粉砕してくる小粋な演出や、各種ゲーミング攻撃など随一のキザったらしなコアボスである。
攻撃は主に3種類。遮蔽板付近からのツインレーザーと、後部の4つのブレードから放たれる大型レーザー、そしてその各部から放たれる微少な光子弾。特に光子弾はボディのほぼ全域から放たれ、速度の緩急をつけて弾幕をつけてくる上ボス自身が上下に動いて激しくまき散らしてくる厄介な攻撃である。
七色に光るせいで背景に溶け込みやすく、自機の方をよく見ないと被弾する恐れが高い。シールドを使っていればゴリ押しもできるが、他のバリアは使い切ることになるだろう。
St4. RUINS OF SILENCE
今作のモアイは歴代よりさらに角張っていて姿勢が良い。いつも通り口が弱点だが、破壊しても顎から裂けて石像がほぼそのまま残り、残骸はそのまま障害物と化す。特に逆さモアイは頭部が落下するので、押し潰されないように気を付けること。
ステージ初頭から普通モアイ、イオンリングを増量した赤モアイと続き、画面いっぱいに及ぶ巨大モアイが出てくる。従来のモアイボスよろしく、口から小モアイを出してくる。
本番はこの次、目からレーザーを撃つ緑モアイのゾーン。こいつらは一度放ったレーザーは残骸になった後も撃ちきられる。したがって頭が倒れる方向に向かってレーザーを薙ぎ払ってくるのである。これが大いなる初見殺しとなり、多くのバイパー達を沈めてきた。仕組みが判っていれば躱しようがあるが、ここも逆さモアイの残骸に危険が伴うので、慣れていても油断は禁物である。
次は横倒しのトーテムモアイゾーン。グラIIIのものと違い全ての頭を壊しても消滅しないが、前を塞がれないので無理に撃破を狙う必要はない。間隔も広く取られているのでフル装備の時には休憩地帯だが復活時は話が変わる。上下からのイオンリング攻撃にくわえウロス型砲台からの弾も合さり、弾幕の強さは油断ならない。
ボス前にモアイが並び立つ地形に入るが、蛇型の敵が周回しながら頭部を破壊しにかかってくる。この蛇は無理に倒そうとせず回避に専念しよう。カプセルの回収も忘れずに。
BOSS モアイディメンジョン
You think you can beat me with that? Loser!
最後の一室に現れる巨大なモアイと戦う。前後に2頭、2周目以降はさらに上下の2頭を加えた4頭を破壊せねばならない。
部屋全体を回転させながら、撃つと分裂する巨大なイオンリングを、部屋の静止時はホーミングするチェーン型イオンリングを吐く。
破壊できない後者も厄介だが、特に分裂イオンリングは同じ物が前後から同時に発生し、ダブル系武器を強化していないと始末に苦労する。特に直接後ろを攻撃できないロードブリティッシュにとっては危険な相手である。
St5. ORGANIC FORTLESS
いわゆる細胞面だが霜降り肉と呼ばれることが多いステージ。脂肪の色がとても不味そうである。
最初に現れるのはザコキャラになっちゃったガウ3体。昔と比べるまでもなく脆いが、ザコとしては巨体である分高次周ほどえげつない量の撃ち返しを遺すので要警戒[6]。
地形全体が大きくうねり、自機の動線を狭めてきたところに多量のアメーバが飛来して行く手を塞ぐ。特に、バッテン状のアメーバはカプセルを捕食するために突然猛スピードで動き出すため、不用心にカプセルを回収しようとすると衝突してしまう恐れがある。
またカプセルが通常よりも早く消滅してしまうため、ミスからの立て直しに難儀することも本ステージの高難易度化の要因となっている。
ステージ後半の地形を引っ張る肉団子は、本体はものすごく固いが片側の触手をちぎって地形にぶつけてやれば早く倒せる。
BOSS マッドスキン
ステージの最奥部となる部分は、地形が腐った霜降り肉から一変、口腔など身体の入口[7]を彷彿とさせる外観の一室になる。この空間全体を大きく脈動させて攻撃してくる、言わばステージそのものの本体がこのボスである。
目玉のような核の部分が弱点だが、この弱点の部分も激しく上下に動くので常に正面をキープして攻撃するのは難しい。
そしてレーザーや、接地すると砲台を生み出す肉団子を撃つなど、多彩ではないが見掛けによらず攻撃が俊敏。特に肉団子は高難度・高次周により数が増え、ともなって砲台も多くなるので、正面以外の防衛もこなさなければならない。
2人プレイならば攻め役と守り役をさだめ、それぞれの役割に徹するべきだろう。
St6.GREEN INFERNO
前面から連続する生物面。
今度は植物ステージで、前半はステージ4同様に上下に無限スクロールする。
地形はまばらだが、壁のように縦を占有する場所があったり、通路を塞ぐほど体長が長い敵が多く出現する。さらに敵弾を含めて耐久力の高いものが多く、装備が充実していないと物量で押される危険が増してくる。
カプセル一個取るために何発も弾を撃ち込まないといけないので、ミスした場合はスピードだけ確保していっそ逃げに徹するのも一つの手。
後半では無限スクロールが終了して通路になるが傾向はだいたい一緒。特に注意したいのは入口で現れる敵で、こいつがばら撒いた種子は着地すると発芽が剣のように長く鋭く突き出てくる。結構な初見殺しでもある。
余談ながら本ステージは特にグラフィックに気合いが入っているようで、背景や、敵を破壊した時に舞い散る植物片などがとても美しい。
また、前面と本面のBGMはSTGの曲としては賛否あるものの、アンビエントとしての評価が高いのでサントラなどでじっくり聴いてみるのもオススメである。
BOSS
Confirmed huge life force on the radar.
本面のボスは3つの形態を持つ。それぞれが異なる個性の攻撃を有しており、実質的な三連戦となるので本腰を据えて臨もう。
#1 スティンガーキッド
最初の相手。
つぼみの状態から急激な速度で茎を伸ばし、不気味な花を開く。
開閉する花びらから主砲のおしべと弱点となるめしべを同時にさらけ出し、攻撃のチャンスと同時に被弾の恐れをもたらすので動きを見ながら慎重に。例に漏れず高次周になるほどおしべの数が増え、脅威となる。
#2 ハンターファング
スティンガーキッドの朽ち行く体表から現れる。
前形態はギリ植物と言えたが、こいつはもはやエイリアンそのものの風貌になった。
2本の腕が主たる攻撃手段。弱点を保護しながら伸縮させる上の腕と、地形に突き刺し、垂直に突き出す下の腕、大きな攻撃だけでもこの2つを捌ききらなくてはならない。ロケットパンチのときに無防備になる弱点を一気に狙って。
#3 ギガスローズ
ハンターファングが枯れる際に壁に遺していく種子が巨大化して出現するこいつが最後の形態。成長時に放つ上記のセリフと言い、やはり植物の姿をした化け物であると戦慄せざるを得ない。
過去作ボスのオマージュが多く盛り込まれた敵で、クリスタルコアのように2本の触手で弾を撃ち、ゴライアスのように開閉させながら、ブロッティングウィードを彷彿とさせる吸引攻撃をしてくる。これとツインレーザー+種子のまき散らし攻撃のローテーションで、前2形態と違い動かないが、多彩すぎる攻撃を展開してくることもありまったく気が抜けない。
幸いと言うべきか、連戦ということでなのか形態ごとの耐久力は高くないので速攻で撃破するに限る。
St7. ON THE EVENT HORIZON[8]
最終面手前でようやくたどり着いた、シリーズ恒例の火山ステージ。
巨大なブラックホールに面そのものが飲み込まれる超ダイナミックな演出が為される。自機の動作に影響はないのだが[9]、ミサイルや敵機を吸い込む上、面地形や岩石を飛来物に変えて襲いかかる。特にテーブル台地は粉砕されて細分化した岩石に変貌し、危険きわまりない。
すべて破壊可能なので、特に復活時には台地の根元を壊し、なるべく元のままブラックホールに飲み込ませるなどの機転が必要になる。
一方、噴火のギミックは今回はないので、火山は安全で、飛来物に対する盾としても活用できる。ただし後方から出現する敵機の突進には注意しよう。
BOSS クラーケン
恐らくはブラックホールをここまで運搬した張本人である、巨大な2本のアームを持った、その名の通りタコの怪物を彷彿とさせる風貌のボス。このアームの先端からレーザーを撃ったり、巨大な岩石を砕いたりと、ガテン系ながら苛烈な攻撃を仕掛けてくる。
攻撃行動は全てパターンなので、まずは覚えることが重要になる。
倒すとブラックホールごと大破。画面全体に及ぶ爆発の後、自機が通常航行モードに切り替わって次のステージへ。
Black hole vanished. Drive system switch to normal mode.
St8. FORMIDABLE GUARDIAN
ラス面前座としてすっかり好例のボスラッシュだが、今作では独立したステージである。
家庭用タイトルに沿った様式で、1体ボスを倒すごとに復活ポイントが進行し、また進行度に関わらずザブラッシュが必ず挿入されるので着実に進行できる設計になった。
そのザブラッシュは短時間だが密度が高く、後半のザブはカプセルを出さない奴になる。狭い範囲に多量のカプセルが固まることもあるので、目当ての武器を取り損ねてしまうことがないよう気をつけたい。
1st レーザーテトラン
ボスラッシュの常連、みんなのアイドルが今回、自慢の触手をレーザー砲に持ち替えた。
レーザーは両端から発射でき、これの反動による回転攻撃や、こちらの動線を封じての攻撃など、可動域の少なさの割に多芸で起用。伝統的にテトランは卍で表現されることが多いが、こいつは回転する時のレーザーの形が正しく卍である。
卍<田もできるよ!
レーザー砲の付け根4箇所に1つずつ遮蔽板をつけてコアを保護。絶えず動き回っているので意識して狙い撃ちするのは危ない。とにかく接近して撃ちまくっていこう。
2nd デスダブル
2体のデスMk=IIと、それに接続するパラサイトコアによる合身ボス。
デスはハッチのあるなしの攻撃を入れ替えてきており、最初は巨大レーザー攻撃を放ってくる。上下にいる2体で同時に放ってこちらの動線を狭め、中央のパラサイトコアからプラズマ弾を放ってくるというかつての強敵ビッグコアMk=IIIを彷彿とさせる攻撃を使ってくる。
このプラズマ弾がタイミングをずらして突進してくるくせ者。
デスのハッチを破壊すれば4WAYミサイル攻撃に変化。1周目に限れば間違いなく弱体化だが、2周目以降はホーミング能力がつくようになり、決して楽になるとは言い難い。
ではデスを撃破しては?というと、パラサイトコアと接続していた3本の触手がレーザー砲に変化し、精密にこちらを狙って撃ってくるようになるので、こうなるとかえって危険度が増してしまう。
いずれにせよ2体残しにとどめるとかなり危うい戦いになるので、理想としてはパラサイトコアを先に撃破し、それまでに片方のデスを削っておくようにする。また、3体ともダメージを入れなければ攻撃に変わり栄えがないので、装備が貧弱なら下手に倒そうとするより自爆を待った方が攻略難易度は低い。
ちなみに出現時を御覧になったように今作のデスは円筒形であるが後の作品では平べったい。どっちの方がお好みかな?
3rd トリプルコア
調和の取れた動きでこちらを翻弄させる、小さな3体のコア。
もちろん耐久力は個々で保持しているのだが、バラバラに倒すべきではない。2体の時と1体の時で動作を変えてくる上、数が減るほどアドリブが出てきて動きが読めなくなってきてしまうのだ。特に1体残してしまうと、それまで使わなかった巨大レーザーを放ってくるので、発狂とまでは言わずとも危険な状況になる。
理想は3体同時撃破。絶えず動いて固まることがないので、コアの変色を慎重に見ながらやろう。
なお3体の動きは完全なパターン。もちろん弾はそうはいかずとも、調和が取れすぎてるためか弾道も割と見切りやすい方。したがって、デスダブル同様に復活時は自爆待ちを狙うのが安全と言える。
4th デルタトライ
均整の取れた、名前通りのデルタボディが目を引く四番手。有名な話だが、コナミのSTG『トライゴン』のスーパー戦闘機がモチーフとなったボスキャラである。
主人公機をモデルにしているからか、ボスラッシュ中間の分際で攻撃がどれもカッコいい。上下の砲門からのドラゴンレーザー(こっちの世界でやられるとどうもイントルーダとかぶっちゃうんだけど)に、ボディ全体から繰り出されるライトニングソードなど、どれも原作ままである。まあ実を言っちゃうとこれらの攻撃は結構見切りやすく、ボスラッシュの中にあっては倒しやすい方になるので休憩…というか、何でか敵になっちゃった背景にでも思いを馳せながらやっつけよう。
最期にドラゴンレーザーの特攻で散る様は自刃なのかドラゴンの謀反なのかについては日夜激しい議論が繰り広げられている…かは知らん。
5th ジャグラーコア
両腕にレーザーユニットを取り付けたボス。
このユニットを切り離して本体と別に動作しながら誘導ミサイルなども組み合わせての攻撃を繰り出す。
ジャグラーと名乗りつつも切り離すか引き寄せるかくらいしかせず、むしろ本体の方がせわしなく動き回るのだが、固定されたユニットは絶えずレーザーを放ち続けて自機を拘束するため、驚異的な相手には違いない。時間がかかるほどやられる危険が高まるが、そう言っても弱点が狙いにくく、長期戦になりがち。復活時の最大の壁となるだろう。
6th(BOSS) ネオビッグコア
設計思想を一から見直したビッグコア。
元と比べて非常にスマートになり、コアの大きさがより引き立たれた姿となった。いつもの遮蔽板+コアという特徴的な風貌で無くなり、もはやビッグコアと言われてもそう思えないだろう。
イオンレーザーは弾速の早いショットに換装された。わずかながら拡散する軌道になり、発射と同時に上下に移動、扇形の巨大レーザーやスプレッドボム攻撃などきわめて多芸で、戦闘が長引くとこれらの攻撃を連携して凶悪なコンボを放ってくる。攻撃範囲が広がるレーザー、スプレッドボム、2周目から加わるオプションなど、あたかもビックバイパーの攻撃を採り入れたかのようなレパートリー。
とにかく機敏かつ苛烈な攻撃を矢継ぎ早に仕掛けてくるため、こちらも大きく回避しながら弱点を狙い付ける必要がある。そして周回を重ねるほどバケモノじみた実力になり、副将という立場にありながら本作ボスラッシュの最難関として腕っこきのプレイヤーでさえもてこずらせる強敵。
なお、1周目ではヘブンズゲートは出現せず、コイツがボスラッシュの大将戦となる。
BOSS ヘブンズゲート
2周目以降に出現するようになるステージボス。
ネオビッグコアがあまりに変わりすぎたのでバクテリアン軍内の伝統派技術陣が「本当のビッグコアを見せてやる」と奮起したか、ビッグコアMk=IIの超強化版と思わせるような正統派のビッグコア改良型。これでなぜ名前が「ビッグコアMk=IV」で無かったのだろうか。
自機を囲い込む巨大なボディが特徴で、その内側には大量のレーザー砲門を備え、イオンレーザーやワインダー付きの長照射レーザーなど多種多様なレーザー攻撃を用いてくる。
これらのレーザーを同時に大量に発射して自機を拘束してくるため間違いなく強敵なのだが、レーザーは総じて喰らい判定がめちゃくちゃ狭く、自機に肉薄しても意外とやられない。実はなるべく動かない方がむしろ安全に攻略できるのだが、これほどの弾幕を前にじっとしてろという方が難しいだろう。要は盛大な初見殺しなのだ。
このことさえ押さえてしまえばネオビッグコアより幾分ラクな相手とされ、慣れたプレイヤーにとっては総大将でありながら消化試合になる。1周目では目の前が安置というのも伝統のお約束か。2周目以降では一発だけ撃ち返してくるのも良く分かっている。
St9. FATE...
ふぁて…ではない
本作の最終ステージで、謎の敵勢力の本拠地となるお馴染みの要塞面である。
空中戦から楽曲が変わり、最終決戦さながらの盛り上がりで奏でられるステージBGM『SPEED』による高揚感は抜群。曲のテンションがピークを迎え、ブレイクに入る辺りで遂に入口に侵入。
その前半は過去作の高速迷路ステージとほぼ同じ感じのパートになっている。
面構造はグラIII(SFC)の高速面に似るが、スクロールが緩やかな上行き止まり地形が小さくなっていること、最後の下りループポイントも通路幅が広く取られているなどしており攻略はそんなに難しいものではない。後ろからの敵の突撃は怖いが所々のシャッターが守ってくれたりもするので案外とやりやすい。
攻略と言うよりも演出用のステージと言うような印象で、熟れてしまえば少なくともボスに辿り着くまでに手こずる要素はない。むしろBGMもそこまでの展開に合わせるための曲調で奏でられており、ミスしてしまうと復活時に曲のサビ部分からの再開になってちょっと締まらないので、どうせならノーミスでカッコよく走破したいところである。
BOSS ブーストコア
連続シャッター地帯を越えた、開けた通路で背後から現れる前半パートのボス。
コアの周囲にあるバーニアから大きく噴射をしながら自機との位置調節を行ってくる。かなりの煽り運転で、画面後ろ端の極小な範囲まで自機に詰めかかってきて、窮屈な戦いを強いられる。
しかしボス部屋では矢継ぎ早に閉じたシャッターが迫ってきており、コイツのボディを盾にしないと自機だけでは潰されてしまうため、結局この位置取りでの戦いを強いられることに。
レーザー砲や弾速の遅い光弾などの攻撃を放つ。さらに2周目以降はブースターの炎の色が変化し、これにも当たり判定が発生するようになる。ただでさえ可動域が狭められているのに攻撃の手は抜かりなく、処理は忙しい。しかも、シャッターと衝突する度にヤツの武装はパージされ、それも障害物としてかわす対象となり、限られた範囲内で他の連係攻撃のタイミングも見計らいながら回避するテクニックを要求されるなど、充分なくらい手強い相手になる。
倒すと推進力を失って後退し、後半パート入口のゲートに接触して大破する。この時の大破までのタイミングはBGMの進行具合に合わせられ、最低でも1ループ分は聴けるように調節される。なかなか引きの美学を弁えた敵であった。
要塞パート
ブーストコア戦の後はすぐさま要塞パートに突入する。
ダッカーやハッチにザブなどが動員されて、敵も最後の防衛ラインとあって総力戦で臨んでくる。全方向から絶え間なく攻撃が飛んでくるので、ダブル系装備でできるだけ安全に戦いたい。
ステージの全域にわたって、お馴染み可動フロアによって地形を変えてこちらの行動範囲を狭めてくる。しかも今作は、せり上がるだけではなくその後に前後移動してくるフロアも多い。そして、隣接地形の死角になっていたところから砲台が現れて攻撃をしてくるなど、年々アグレッシブさが激増。
最終的には可動の組み合わせによって退路を完全に塞いでしまうため、動作を見極められず詰みに陥らないよう、慎重になりつつもできるだけ画面の前側に位置取りして潰されないように警戒しよう。
ちなみにカプセルが出現した後に地形が稼働すればその影に隠れてしまい、回収不可能になる。復活時には赤い砲台の破壊タイミングなど気をつけたいところか。あと塞がれてもカプセル隠れてもリミットで悠々と取りに行けることは内緒の方向で
BOSS#1 ガンナーウォール
要塞面の、名前通りの壁役としてすっかりお馴染みの壁ボス。
グラIIの壁よろしく、背後から飛来するコアが上下からせり上がってきたボディと接続して完成する。
何よりも壁ごと突進する攻撃が目を惹く。一気にこちら側まで距離を詰めた後、レーザー砲を長照射しながらゆっくり元の位置まで戻る。基本的にはこの行動の繰り返しだ。
壁の一面にレーザー砲門や、ダッカーを始めとする雑魚のハッチが搭載されており、その多芸さも壁ボスならではと言える。
が、ぶっちゃけ弱い。
レーザーは同時に撃つ本数こそそこそこだが弾速が妙に遅く、また発射角を誘導させられるので余程ヘタを打たない限りこれで不利に追い込まれることはそんなにない。
さらに、これらのレーザー砲やハッチは全て破壊できる。おまけにそんなに耐久度もないので、ある程度装備が整っていれば無力化させてやるのも容易で、こうなってしまうと前進とバックを繰り返すだけのただの壁でしかなくなってしまう。くっ!
伝統的に壁ボスは消化試合などとよく呼ばれるが、コイツもその例に漏れない攻略のしやすさで一族の業から逃れることは出来なかったのだ。
BOSS#2 ヘビーダッカー
次のボスは、重厚に巨大化したダッカーである。
シリーズの顔役とも言えるザコ敵がなんとボスに昇格する大挙を果たしたが、そもそもが手強いタイプの敵であるダッカーだけあってその実力はトップクラス。
大小複数の弾を撃ったりレーザーを放ったりと多芸で、もとより機動力に秀でるダッカーの個性を存分に発揮した攻撃は脅威。
さらにナパームでこちらの移動範囲を狭めた上で、背景に走り去って画面奥から弾を撃つという2D横スクロールSTGの禁忌に片足を突っ込んだ攻撃まで用意。
とにかく苛烈に極まる本作屈指の強ボスとして、多くのプレイヤーにトラウマを刻みつけた。
BOSS#3 ソル
先に壁剥がれ地帯を攻略。スピードがついていて衝突する危険があるが、前進しない限り上下1対分が順番に飛んでくるだけなのでかわすだけなら決して難しくないだろう。
そして、名前通り太陽を象った外見のボスが出現。このロリコンどもめ!ではない
撃破が出来ないクラブ系ボスの亜種。回転しながら8本の脚を地形に突き刺しながら移動し、この脚の間を通り抜けて攻略する。
回転方向を変える以外の動作はないが、前後の移動を変えたり、回転始動に加速を付けたりと少なからず動きに罠が仕込まれている。そして狭まった可動域でダッカーと連携するため存外に手強い。できる限り脚と地形の間に閉じ込められない動き方を心がけよう。
なお、ソル戦のBGMはサントラ未収録だが、短い金属的な音がループする様がかえって緊迫感を演出し、人気が高い。
LAST BOSS O.V.U.M
ソルの妨害を攻略したあと、通された個室で大量のオプションハンターに襲撃される。ここで確実に手持ちのオプションは全て奪われることになってしまうが仕方ない。一応この後オプションが必要ということはないのでご安心を。
余談ながらここでオプハンを解放する上下の可動地形は、さながら髑髏と化したバクテリアンを彷彿とさせる。
How did you come this far? Don't think you've won.
Ah-hahahaha!!
I hope you can entertain me.
Ah-hahahaha!!
You think you can beat me with that? Loser!
You die here.
Ah-hahahaha!!
You'll pay.
That doesn't hurt.
You die here.
Ah-hahahaha!!
I hope you can entertain me.
That doesn't hurt.
異次元のような空間で、終始挑発をしながら翻弄してくるのが本作のラスボス『O.V.U.M[10]』である。
光と粒子で構成された実体の無いようなボスだが、イントルーダ3体→ゼロスフォース→ゴーレムと、何故か沙羅曼蛇の生体ボスに変身。名前から想像すると、これらの生物系ボスたちの根源的な存在なのだろうか。弾など撃ったりはしないが突進や触手での攻撃をしたり、特に注意したいのはイントルーダが輪になるとその内側にゼロスフォースが出現するので、絶対に奴等に囲まれないよう気をつけることである。
ゴーレムの姿から粒子化して、元の小さな光に戻ったところでいよいよ攻撃できるようになる。お約束として放置しても時間切れで勝手に死ぬ
この謎の生命体を倒し、宇宙に平和を取り戻せるのか―――
合成音声
上記の中で差し込んだように、本作はよくしゃべる作品である。オペレーター側の指示ももちろんだが、敵勢力も要所でこちらを挑発してくるこれらのボイスは、先に述べた本作の演出強化に一役も二役も買っている大きな要素であると言えよう。
オプション設定でオペレーターを女性にすることも出来る。なかなか艶やかな声なので是非聴いておきたい。
さて、グラディウスシリーズにおける有名なフレーズと言えば、ゲームスタート時の“Destroy them all!”だが、本作では同一の言葉は使われない。代わりに選択した難易度によって異なるフレーズでプレイヤーに激励を送ってくれる。多くが使い回しなのは触れてはいけない
- You are the last hope.
- 「君が最後の希望だ。」easiest、very easyの場合。
- You cannot fail this mission.
- 「この作戦は失敗は許されない。」easyの場合。
- Crush all of them.
- 「全て破壊せよ。」normalの場合。またデスダブルとトリプルコア攻略時にも使われる。
- Save your planet.
- 「星を救ってくれ。」hardの場合。
- Be on your guard.
- 「警戒せよ。」very hardの場合。またステージ3の中ボス登場時やハンターファング攻略時にも。
- Here they come.
- 「敵が来るぞ。」hardestの場合。トリプルコア出現時の演出にも。
また、コンティニュー時の煽りボイスもバリエーションが豊富である。オプション設定に関係なく自機側の男性ボイスであり、敵の感想ではなくオペレーター(あるいはスタッフ?)としての批評を述べているようだが、下記の和訳からもおわかりのようにいちいちイヤミというか鼻につくというか…まあとにかく煽り性能はシリーズ随一である。
クレジットを使い切った時は言うだけ言ってゲームオーバーを宣言するので大変ムカつく。
- You lose.
- 「君の負けだ。」
- Try again.
- 「出直してこい。」
- Poor boy.
- 「へたくそだな。」
- It is cold in space.
- 「宇宙は寒いだろう。」
- You need more training.
- 「もっと練習が必要だな。」
- Get outta here. forget about it.
- 「帰って忘れるんだ。」
- Ha ha ha hah!
- なにわろとんねん(#^ω^)ビキビキ
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関連項目
脚注
- *実況おしゃべりパロディウスにおける武装から、レーザーを別のものに入れ替えた。
- *OPムービーのジェイドナイト/ファルシオンβの活躍パートや最終ステージ前半、2周目以降の空中戦などにそのフレーズが使われている。
- *『ライフフォース』に登場する、リップルレーザーの別名になったものとは異なる。
- *またフル状態では青色だが、2人プレイの際は混同を避けるためなのか片方のバリアーが緑色になる。
- *RPGなどでもよく見る六角柱状の結晶。一般的には石英の結晶が水晶(クリスタル)と呼ばれる。
- *余談だが、過去作のボスが正真正銘のザコになった初めてのケースとなる。過去にあったボスの立場変わりではビッグコアが沙羅曼蛇およびライフフォースの6面の道中やグラディウス2(MSX)の4面ボス前座に複数体現れたが、あちらは中ボスだった。まあそのビッグコアも近い未来にザコとして量産されるのだが…。
- *スキン(skin)=皮膚のこと。どう見ても皮膚っぽくないのだが、人体で言えば体内の諸器官はアルカリ性であるのに対し、皮膚や女性器は(弱)酸性であることから、このボスは女性器の内膜がモチーフになっていると思われる。横シューではよくあること
- *『EVENT HORIZON』とは、ブラックホールの表面において、光すら脱出が不可能になる境界線のことである。シュヴァルツシルト平面または事象の地平面と和訳される。
- *設定上は対ブラックホール用の航行モードに切り替えられ、自機のジェット噴射量が増している他、静止時も機体のバランス取りのため絶えず動いている。
- *Original Vision of Ultimate Monster
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