ビジョナリアム(Visionarium)とは、かつてディズニーランドに存在したアトラクションである。スポンサーは富士フイルム。
なお、本アトラクションでは、夢見る人、空想家、未来を開く発明家などを「ビジョナリー」と呼び、「ビジョナリアム」はそんなビジョナリーの館を意味するものである。
概要
1992年にオープンしたディズニーランド・パリ(当時の名称はユーロ・ディズニーランド)で初登場。ディスカバリーランド(他のパークのトゥモローランドに該当する)の目玉アトラクションであった。翌1993年4月15日(東京ディズニーランド開園10周年記念日でもある)には、東京ディズニーランドでも「アメリカン・ジャーニー サークルビジョン360°」の後継アトラクションとして、トゥモローランドにオープン、後にウォルト・ディズニー・ワールドにも設置された。
残念ながら、現在はいずれもクローズされてしまい、東京ディズニーランドの「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」などピクサーのアトラクションに置き換わってしまっている。
ここでは、東京ディズニーランドのビジョナリアムについて解説する。
ビジョナリアムの前に存在したアトラクション「マジックカーペット世界一周 サークルビジョン360°」「アメリカン・ジャーニー サークルビジョン360°」は、当時最新鋭の技術を駆使した水平方向360度の円筒形スクリーンを売りにしたシアターアトラクションで、どの方向から見ても映像が楽しめることができたこのアトラクションは、アメリカの様々な景色を見て回るものだったが、ビジョナリアムは時空旅行やアメリカのみならず全世界・果てには宇宙まで旅するストーリー形式のものとなり、さらに発展したアトラクションとなった。ゲストは、まず広々としたウェイティングルームでプレショーを見学してから、360度のシアターに移動してメインのショーを鑑賞することになる。
非常に熱烈なファンも多いアトラクションだが、2002年9月1日に惜しまれつつもクローズした。最終公演日には、多くのファンが訪れ大いに盛り上がった(関連動画参照)。
プレショーで約8分(このプレショーが始まる前にドアを閉めてしまうため、途中から入ることは不可能だった)、ショー本編が16分、加えてプレショーが始まるまでかなり待たなければ行けない点に加え、そのシアターの構成上ゲストは常に立ち見であり(車椅子利用者は、特定のスペースに案内された)、プレショーを見るウェイティングエリアにも座る場所がほとんど無かったなどの点があった他、現在の場面(1992年当時)から年月が経ち時代が合わなくなってしまったという問題点などがあった。
こうした風景を楽しむシアター系アトラクションは、ビジョナリアムのクローズ後長らく姿を消していたが、それから実に17年の年月を経て、東京ディズニーシーに「ソアリン:ファンタスティック・フライト」として復活した。
音楽は、ディズニー映画「ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!」のブルース・ブロートンが作曲。後に「ミクロアドベンチャー!」や「ソアリン:ファンタスティック・フライト」の音楽も手掛けている。本アトラクションのテーマ曲は、トゥモローランドのバックミュージックとして、今でも聞く機会がある。
主な登場キャラクター
- タイムキーパー(所ジョージ)
- ビジョナリアムの主人公である天才科学者。ゲストは彼の発明したタイムマシンに乗って旅をするという設定である。お調子者の楽天家で、失敗してもあまり気にしないため、ナイン・アイからは呆れられる場面もしばしば。
なお、所ジョージは「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーの声も担当しているが、肝心の「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」でバズの声を担当しているのは、デールの吹き替えで知られる声優の稲葉実である。 - ナイン・アイ(斉藤由貴)
- タイムキーパーが作った、360度マルチスクリーンを映し出す、自称「時をかける美少女ロボット」。かなり強気で毒舌だが、ジュール・ヴェルヌに一目惚れしてしまう乙女ナ一面も。とても頑丈で、プレショーでは滝に落とされる、爆発に巻き込まれる、ロケットに縛りつけられるなど、結構ひどい耐久実験の映像がある。
- ジュール・ヴェルヌ(岡田真澄)
- SF(サイエンス・フィクション)の父と称される小説化で、「月世界旅行」「海底二万マイル」「八十日間世界一周」などの作者。1900年のパリ万国博覧会でタイムキーパー達と出会い、当初は自分の書いた物語を不可能な空想と思っていたが、現在(ヴェルヌにとっては未来)の世界を見て、自らの夢が実現したことを喜ぶ。F1の車を乗り回したり、ヘリコプターから乗り出したり、かなりファンキーな性格。
- H・G・ウェルズ(青野武)
- 小説化で、ヴェルヌと並ぶSFの父。「タイムマシン」「透明人間」「宇宙戦争」の作者。ヴェルヌが未来の旅から戻ってきた後、彼の考えが180度変わり、ナイン・アイらを目撃して衝撃を受ける。
この他にも、フランスの空港で出会った航空誘導員をフランスの俳優、ジェラール・ドパルデュー(声は玄田哲章)が演じた。彼は後に、ディズニー映画「102」(実写版101匹わんちゃんの続編)で、悪役クルエラと手を組む悪徳商人役で出演している(吹き替えも同じく玄田)。
関連動画
右動画は、現在のトゥモローランドのバックミュージック。ビジョナリアムのBGMは7:23辺りから。
関連項目
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