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ビタミンB3とは、ナイアシン(ニコチン酸)およびナイアシンアミド(ニコチンアミド)の総称である。
概要
ビタミンB3はビタミンB群の一つ。炭水化物、タンパク質、脂質の代謝に必須。レバーをはじめ肉類、カツオやマグロなどの魚介類、落花生など、多くの食品に含まれるほか、必須アミノ酸のトリプトファンから生合成される。熱、光、酸素などに対して安定だが、水溶性ビタミンであるため、調理の際に煮汁を捨てることで失われやすい。
ヒトが生合成できるビタミンだが、トリプトファンの摂取量が少ない地域、たとえばトリプトファン含量の低いトウモロコシを主食としている地域では欠乏症が起きやすく、ペラグラと呼ばれた。皮膚炎、口内炎、下痢、認知障害などが起こる。過剰症は知られていないが、サプリメントなどで大量に摂取した場合は皮膚の発赤などが起こるとされる。
生体内では、脱水素酵素の補酵素ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+、NADH)やニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+、NADPH)を構成する。
なお、ナイアシンという名称は、ニコチン酸という名称がタバコの有害物質ニコチンと混同されることを避けるため名付けられたもの。
サプリメント服用上の注意点
- 消化性潰瘍、痛風、GOTおよびGPTが高い方は摂取を避けるべきである。
- 腎臓病、肝臓病を患っている場合、また妊婦、授乳期にある女性は摂取を避けるべきである。
- 血管拡張作用があり顔面が紅潮する兆候が表れるために、摂取については注意が必要である。しかし、ナイアシンアミドについては血管拡張作用がないため、顔面紅潮の作用はない。また、顔面紅潮がでやすい場合は食事とともに摂取させることが望ましい。
統合失調症やうつ病などの精神疾患に対する治療
一部の医師は、脳内のノルアドレナリンなどのカテコールアミンの代謝産物であるアドレノクロムが、妄想、幻覚、幻聴などの症状の原因であると主張し、また低血糖症が多くの精神疾患に関係するなどの分子整合栄養医学を展開。ナイアシン(ビタミンB3)を中心とした栄養療法を行った。なお、ナイアシンアミド経口摂取による統合失調症の治療は、おそらく効果がない。[1]
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関連項目
脚注
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