ホモバトラコトキシン(Homobatrachotoxin)とは、ピトフーイなどが保有するアルカロイドである。
概要
ホモバトラコトキシンは、ニューギニア原産の鳥ピトフーイ(ズグロモリモズ、カワリモリモズなど)や、南北アメリカ大陸に分布するヤドクガエルがもつ、ステロイドアルカロイドの神経毒である。
毒性は非常に強く、LD50(半数致死量:投与した動物のうち50%が死亡する量)は皮下注射で3μg/kg。
ピトフーイは、初めて発見された有毒の鳥類である(現在はズアオチメドリ、チャイロモズツグミなども毒をもつことが明らかになっている)。ピトフーイ自身が毒を合成しているわけではなく、餌である虫から食餌によってこの毒を羽や皮に蓄積し、捕食者から身を守っている。
中国の『韓非子』『本草網目』などには、毒をもつ鳥「鴆(チン)」についての記述があり、伝説上のものと考えられていたが、ピトフーイの発見によって過去に実在した鳥である可能性が出てきた。
なお、モウドクフキヤガエルなどがもつステロイドアルカロイドのバトラコトキシンは、ホモバトラコトキシンの類縁体である。接頭辞ホモ(homo-)は骨格原子の挿入を意味する。また、バトラコ(batracho-)は蛙を意味するβάτραχος(batrachos)、トキシン(-toxin)は毒を意味するτοξίνη(toxine)が由来。
構造
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関連項目
参考文献
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