久保栞(くぼ しおり)とは、ライトノベル『マリア様がみてる』及びそれを原作とするアニメの登場人物である。
概要
小笠原祥子や支倉令と同学年だった、元リリアン女学園の高校生(本編開始時点)。第3巻「いばらの森」のエピソード「白き花びら」に登場。原作では一切挿絵が無く、アニメ版で初めてその姿が明らかになった。黒髪ロングで前髪ぱっつんの古風な美少女で、後に原作の挿絵を手掛けるひびき玲音の手によって、アニメ版を基にした原作の公式イラストが描かれた(この絵は第26巻「イラストコレクション」に載せられている)。漫画版では髪の色素がやや薄く、顔立ちもアニメ版の栞と藤堂志摩子の中間的な容姿になっている。
幼い頃に両親を事故で失い、長崎にいる叔父の元へ身を寄せた後、叔父の知り合いであった学園長・植村沙織の計らいでリリアン女学園に入る。敬虔なクリスチャンで、かねてからシスター(修道女)になる決意を固めていた。しかし、佐藤聖との運命的な出会いによって、聖との恋と神への信仰の板挟みとなって苦悩する。しかし、最終的に別れた方が聖のためにもなると考え、クリスマス・イブの晩に密かに転校して、断腸の思いでリリアンを去って行った。聖にとっても、栞にとっても辛い結末となってしまったが、この悲恋が孤独だった聖の運命を大きく変えていくこととなる。
クラスメイトだった鵜沢美冬によると、栞はクラスの中で「目立つ存在」「存在感が希薄な人」と両極端な印象を受けたらしい。また、当時の聖は姉妹(スール)制度に縛られることを嫌っていたため、栞を妹(プティ・スール)にしようとは考えていなかった。ともあれ、聖にとって栞は誰にも代えられない特別な存在で、今でも最愛の少女である。
ファンからの扱い
わずか1話のみの登場ながら、「白き花びら」のストーリー自体、マリみての中でもとりわけシリアスで百合度も高く、久保栞というキャラクターも、エピソード共々高い人気を誇る。特にシスターになることを聖に知られて、激高した聖にキスされた時に叫んだ「マリア様が見ているから・・・!」は、この作品を象徴する台詞でもあり、聖堂のマリア像の目の前というシチュエーションで起きたこともあって、そのインパクトも強い。キャスト達によるオーディオコメンタリーでも、この場面では黄色い歓声があがり、聖役の豊口めぐみが藤堂志摩子役の能登麻美子に思わず「志摩子、ごめん!」と謝る一幕もあった。土砂降りの雨の中で温室で二人の髪を絡ませたり、先述のシーンでぎくしゃくした後に再会してすぐ口づけする場面など、二人の場面は背徳感漂う官能的な場面が多い。そして、駆け落ちを約束して笑顔で別れるシーンが、聖がそしてアニメの視聴者が見た栞の最後の姿というのも、直後に訪れる別れの悲しさをより際立たせている。
ファンも多いため、栞を描いたイラストやSSも当然ながら数多い。中には、「もし聖の妹になっていたら・・・」や、「聖と別れた後、その妹(プティ・スール)になった志摩子とどこかで出会っていたら・・・」などのif展開による二次創作も多数見られる。また、本編では実現しなかった、志摩子や蟹名静とセットで描かれる夢の構図であるイラストも時折見受けられる。
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関連項目
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