性的指向(広義)単語

セイテキシコウコウギ
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性的指向(広義)とは、どの性的な対するかということであり、性的向という言葉のより広い意味での解釈である。

この記事は固い言葉でちょっぴり長めにが書かれているのでせっかちな人には向かない。読むのがめんどくさい人向けに記事の一番下にこの記事のの要約を付けてみたので、そちらをどうぞ。

概要

「性的向」とは、性的な対向性という意味である。向という言葉は、性的な対になり得る存在が一つだけに限らず、様々な対があり得ることを示唆している。

「性的向」という言葉は、「性的嗜好」(これについては後述する)という言葉と較して、固定化されていた性的な対に多様性を与えるという意味でリベラル視点で称賛されることもある。

「性的」な「向」とは、「どの性的な対に」「向性を持っているか」ということである。それは言葉の意味上で言えば、例えばある体の部分が際立って性的に好きだとか、人間ではない対が性的に好きだとか、ある特定の状況だけが好きだとか、いわゆる「性的嗜好」と表現されることが多いケースにおいても使えるはずの言葉である。

だが現在では下記のように同性愛・両性に限定した意味合いで用いられることがある。この状況について、恣意的政治的な運用だとみなし、より広義の意味で使用されていくべきだというもある。本記事もそのの文脈で作成されている。

「性的指向」と「性的嗜好」

よく似た言葉に「性的嗜好」という言葉がある。これは英語sexual preference」の訳語である。一方「性的向」は「sexual orientation」の訳語である。

「preference」には「選好する」「好んで選んだ」というニュアンスがある。同じく、「嗜好」という単語は「嗜む」「好み」という意味であり、必需品ではなく、好みにすぎないというより低次なニュアンスがある。

かつて同性愛者や両性者(LGBTにおけるLGBの部分)は、性的嗜好(sexual preference)の一種とみなされていた。だがこれを元に、同性愛が好ましくないと考える文化圏において「嗜好や選好に過ぎないのであればそれを選び取った本人に責任がある」として迫の理由とされたり、また「矯正・治療すべき異常な選好・嗜好である」として精神疾患として扱われていた(かつて同性愛際保健機関WHO)の際疾病分類(ICD)に収録されていた)。

これらの迫を問題視するなどを反映し、同性愛・両性(そして異性)に関する記述を行う場合は「『性的嗜好(sexual preference)』ではなく『性的向(sexual orientation)』という言い方をしよう」という考え方が広まった。現在アカデミックな場では公式にこの言い換えが推奨されることもある[1]

「性的指向」の多義性

言葉の意味通りに言えば、「性的向(sexual orientation)」は「性的嗜好(sexual preference)」をも含む、より広い概念ということになる。

だが、「性的向(sexual orientation)」という言葉が広く使われるようになった経緯として、上記のように「同性愛や両性は性的嗜好ではない」という事を示そうとする流れがあった。この歴史的な経緯から、多くの辞典などでは「性的向(sexual orientation)」という言葉は同性愛異性を示す言葉として使用されており、その他の「性的嗜好」を含む意味については触れていない[2]

これをさらに強調して、「性的向は『どの性別するか』という意味であり、同性愛や両性のみを『性的向』と言うべきである」「それ以外の性的少数は『性的嗜好』と呼ぶべきであり、『性的向』と呼ぶことは不適当である」というがなされることも少なくない。これらについては上記のように、同性愛・両性が「性的嗜好」と見なされて迫差別を受けた歴史を踏まえて、より強く「性的嗜好」という用語から同性愛・両性を切り離そうとする意図があるものかと思われる。

だが、このように同性愛・両性のみを「性的向」に囲ってそれ以外の性的少数を「性的嗜好」に追いやるという態度について、「性的少数に優劣を付け、同性愛・両性以外の性的少数差別しているのではないか」と言う問題も持ち上がる。歴史的に迫を受けてきたのは同性愛・両性者だけでなく、それ以外の性的少数も同じだからである。

このような文脈において、「性的向」と「性的嗜好」の違いについて「カテゴリーの違いにすぎない」というもある。しかし、元々言葉の意味上からは「性的嗜好」が「性的向」に含まれるという関係にあるはずの2つの言葉を、あえて包含関係ではなく別カテゴリーとして分けることについて
「『同性愛』と『同性愛以外の性的少数』の間にある差別の存在に気付きながら、そのことを隠蔽するため『カテゴリーの違いにすぎない』という便宜上の言い訳を作っているのではないか?」
一方的に仕分けてカテゴライズすることはそれぞれに優劣を付けることに繋がるのではないか?」
という意見もある。

その視点から、「性的向」という用語を同性愛・両性以外の性的少数以外にも拡しようとするがある。そのの下では、「向(orientation)」という言葉は単に「し示す方向」という意味であり、性的向(sexual orientation)という言葉を使う範囲を性別に限定しなければならない必然性はないとする。「同性愛や両性のみをす」ことを忠実に言葉として表現するなら「性的向」ではなく「性別的性的向」となるかもしれない。

「性的向」という言葉のきには「性的嗜好」よりも迫差別を受けがたいという恩恵がある。そのため同性愛者・両性者は自分たちのことを「性的向」と名乗り社会からの承認を得ようとする権利を手にしようとしている。しかし、現在同性愛・両性以外の性的少数が、自分達の思いに「性的向」という言葉を使う権利をすることに正当性がないわけではない。
同性愛や両性が「嗜好」「選好」と言い難いことは学問的なフィールドでも提唱される一説となっている。だが、それ以外の性的少数のどれだけが「嗜好」と呼べるものであるのかについては学術的には未だ開拓が十分でない分野である。そのため同性愛・両性以外の性的少数の中にも、「嗜好」と表現するのが不適当なものが混じっている可性がある。

「学術」主義に対する懐疑

上記には学術的なフィールドにおける「性的向」の動勢が書かれているが、それが本当に正しいのか疑う視点も必要である。

「どの対を性的にするか」ということはその人の信条や人生にも関わる非常にデリケートな問題であり、「性的向」の定義は学術的に有な説があろうとなかろうと、上からトップダウン式に決めていいというものでもない。

中世では天動説流だったのが後に自然科学の発達によって地動説が「解明」されたのと同じように、従来の説に反する異論が後になって出されることはままあり、現在提唱されている説が本当に科学的に正しいのかどうかの保はない。
また、同性愛・両性支持運動同性愛者・両性者のコントロール下にあるわけではなく、当の同性愛者・両性者の頭上で飛び交う様々な利権で左右されおり、政治的な思惑で科学的に確かな根拠があるわけでもないにもかかわらず科学的に正しいとされている可性もあるのである。
政治と学問の関係とはそういうもので、「優生学」と称する「学問」がナチス・ドイツの政策の正当化に利用されていたこともあり、「学術」に対して懐疑する視点も軸の一つとして持っておいてもいいかもしれない。

広義の「性的指向」

「性的向」が「性的嗜好」をも含む概念であると考えれば、純に嗜好的なものであったとしても「性的向」と名乗ることは少なくとも言葉上おかしなものではない。
ただし言葉の意味上おかしくなかったとしても、嗜好として差別されてきた同性愛者・両性者が『嗜好ではない』と示して差別から脱却するために利用されてきた言葉を、「純に嗜好である」と自認するような者が使用し始める事にはこれまでの経緯を踏まえた反感を生む可性はある。

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関連項目

この記事の主張の要約

  1. 「性的」と「性的嗜好」っていうよく似た2つの言葉があるよ。「嗜好」の方には「好み」「選べる」っていうニュアンスがあるんだけど、「自分で好きでやってんだろ?」と差別を受けやすいよ。
  2. だから同性愛とか両性とかを表現する場合には、差別になることを避けて「性的嗜好」ではなく「性的」と呼んだほうがいいってことにしようとしてるよ。
  3. 「性的向」は言葉の意味だけをとれば、同性愛・両性以外の他の性的少数でも含まれるような言葉だよ。
  4. 「性的向」は今同性愛や両性だけをす狭義の意味で使われることがあるけど、広義の「性的向」は他の性的少数でも使っていける言葉かもしれないよ。

脚注

  1. *"The term sexual orientation is preferred to sexual preference for psychological writing and refers to sexual and affectional relationships of lesbian, gay, bisexual, and heterosexual people. The word preference suggests a degree of voluntary choice that is not necessarily reported by lesbians and gay men and that has not been demonstrated in psychological research." アメリカ心理学会の公式ウェブサイト内、Avoiding Heterosexual Bias in Languageexit より引用2016年2月13日時点。
  2. *sexual orientation - definition of sexual orientation in English from the Oxford dictionaryexit 2016年2月13日時点。

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性的指向(広義)

274 ななしのよっしん
2017/04/23(日) 12:12:06 ID: ddkdEex8UA
論点が右往左往して要点を簡潔にめられないから長文になるんだぞ
ホモは頭悪いんだなぁ
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275 聖人(藁)
2017/04/29(土) 17:57:02 ID: OMPDXX66d4
三行でおk
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276 ななしのよっしん
2017/08/01(火) 01:40:06 ID: MMUwExoNxU
向と嗜好の違いは単に選べるか選べないかの違いだったんすね〜
少数殺するのは現代人のあり方じゃないことは明らか
犯罪でなきゃ自分の考えが変えられないなら公共の場で本性さらけ出してもいいって事だね
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277 ななしのよっしん
2018/02/20(火) 00:29:56 ID: eXHVkw065x
嗜好って選ぶもんなの?
だったらホモだって相手に女選ぶだけでノンケになりそうだけどな

犯罪でなきゃ自分の考えが変えられないなら公共の場で本性さらけ出してもいいって事だね
法律ホモ犯罪になればホモは本性をさらけ出せない…ホモコースト
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278 ななしのよっしん
2018/08/15(水) 11:21:49 ID: n/YoCj+PgF
ただの理屈
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279 ななしのよっしん
2018/08/16(木) 21:11:15 ID: NS3XPHH2RA
を分類しようとするからおかしくなるんだよ!
ラブアンドピース!みんな!だよ!裁判なんかやめようよ!
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280 ななしのよっしん
2018/10/01(月) 00:29:19 ID: NNF+PHQ+jc
「選べる」「嗜好」「矯正・変更可」だと差別を受けやすいのロジックがシンプルに分かんない
関係に差別されるべきじゃなかろうよ
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281 ななしのよっしん
2019/08/12(月) 01:26:01 ID: eXHVkw065x
矯正可々の何がおかしいって、
俺様ラーメン好きなのは変えられない!
お前カレー好きなのは変えられるからチャーハン喰え!」とか言ってるのと同じなんだよね

ホモレズに電極ぶっさせば変えられるってのに、何の権利があって人様の好みを矯正だのなんだのほざいてるんだよ
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282 ななしのよっしん
2020/02/19(水) 19:20:15 ID: Cw5Mr8SQWr
まぁ歴史は繰り返すと言いますか、昔のカトリックプロテスタントのやり取りも他者から見たらこんな感じだったんだろうなって。
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283 ななしのよっしん
2023/09/05(火) 07:22:58 ID: kBLhkKwYJC
大まかに性別に関して分けるのが性的向 (sexual orientation)、その他の細かいくくりが性的嗜好 (sexsual preferance)、別にそれでよくない? 便利だし。
それはそれとして、性的嗜好も認められることをせばいいだけのこと。

たとえばペドフィリアの中には「ヘテロセクシャルペドフィリア」がいれば、「レズビアンペドフィリア」もいるわけで。

ただ、「性別を持たない存在をする性的向」の名前は必要だとは思う。
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