水筒とは、携帯を目的とした飲料保管用容器である。水を携帯する物のうち筒型のもの。
曖昧さ回避
概要
水筒は、真夏、ピクニックや遠足・旅行・アウトドアで活躍する飲料容器。特にや野外活動も想定し、上下逆さまにしても中身が漏れない耐久性のあるものを指す。内容物は水、お茶、麦茶、スポーツドリンクなどが多い。
また、お昼代を浮かせるためなどの目的で社会人にも利用される。
近年では自動販売機の設置やペットボトルの普及により以前より使われる機会は減ったと思われるが、自動販売機の設置が期待できない場所への遠足や自宅で作ったお茶などを行き先で飲みたい場合などには使用される。
また、スポーツ選手などは既存の飲料ではなく自らやチームの栄養士などが調合した特別製のドリンクを飲む機会が多いが、その際にも試合場に携帯できる水筒が使われる場合がある。特にサッカー選手はピッチ上での水分補給に水筒を使用している姿がよく見られる。
重要性
水は生存に不可欠であり、人間の体は60%が水分である。(血液は8%)
水分補給を怠るなど不足すると血流機能・内蔵機能や体温調整機能を妨げ、意識朦朧、脱水症状・熱中症といった重篤な症状を引き起こし死に至るなど割とシャレにならない。
水筒の変遷
伝統的な水筒は竹筒やひょうたんを加工したり、あるいは動物の膀胱などを加工して作られてきた。
砂漠などなかなか水を手に入れる機会が訪れない地域では一度に大量の水を水筒に収めてそれを以後数日から数十日の飲料水とする。必然水筒は巨大化、あるいは大量に必要になり、家畜を使って運ぶことも多い。
逆に日本に代表される水の豊かな地域においては一度に携帯する水は少量でよく、むしろ携帯性が優先され、必然的に比較的小さく作られてきた。
現代においては水筒はプラスチックや金属などで丈夫に作られ、また保温性も上がっているため氷でキンキンに冷やした飲料や、または温かい飲み物を作りたての温度に近いまま飲むこともできるようになっている。(魔法瓶など)
2010年代になるとエコ意識の高まりの影響や節約目的などで、半数以上の人が月に1回以上水筒を利用したというアンケート結果も出ている。
コミケなど、長時間の列に並ぶときには必須のアイテムかもしれない。ペットボトルでの代用もできるが、全員がペットボトルを持ち込むなどすると大量のゴミが発生することも考えられるのである。
蓋を取り外してコップとするもの、ワンタッチでストローや飲み口が出てくるなど何パターンかある。(後者は直飲みと呼ばれる)
その他・支援
- マラソン等においては水筒を持って走ると邪魔な抵抗にになることから給水所が設置される。
- 長期の災害時・断水時・戦争時・アウトドアにおいては通常の水筒の容量では足りないため、給水車やポリタンクでの支援・補給・備蓄・積載などが行われる。
- 大人数への共通支援として、ウォータージャグ・ウォータータンクと呼ばれる大容量の水筒の親玉のような大容量容器が使用され、皆で紙コップ等で飲めるようにしたものもある。
- 酒の携帯などにはスキットルなどが用いられる。古くはひょうたんも用いられた。
- スポーツドリンクなど糖分が多く、また味が濃いという方は水で薄めると飲みやすくなり節約にもなる。スーパーや薬局でも粉末のものも発売されている。水の割合はお好みで。
- 浄水錠を入れることで川の水をそのまま浄化して飲料にできるものもある。ただし味は悪くなる。
給水の手間を減らすもの
背負ったまま口にチューブをあてがうことで給水できる「ハイドレーションシステム」もある。
水筒を取り出して蓋を開けて飲んだら蓋を閉めて元の収納位置に戻す…といった手間があるため、登山やスポーツ、軍事作戦行動中には足を止めたり目を離す隙ができてしまうことから重宝される。ただし洗浄などが面倒。
欠点
- 製品によって耐熱温度は異なるため、保冷専用に暖かいものは入れられない。
- 小型なものは容量に劣り、大容量なものほど大きく重量があるため運搬が負担になる。
- 飲み終わっても水筒自体の大きさは変わらないというのも欠点である。
衛生面
水道水には塩素も添加されているとはいえ、入れっぱなしや炎天下への放置は勧められない。
煮沸によって塩素が飛んでしまったものや、飲料自体が腐敗に弱いものは言わずもがな。
- 腐敗・雑菌の繁殖といったリスクがある。
洗浄には水を入れて振りまくる…だけでは不十分で、細長いブラシ等が必要な場合が多い。また十分な乾燥も必要である。ペットボトルは定期的に買い換える必要も出てくる。
中毒症状
金属製(ステンレス製)の水筒にスポーツドリンク等の酸性の飲料を入れると、内部の金属が溶け出して中毒症状になる事例もあった。近年はコーティングも進化しリスクも減っているが、ブラシなどの洗浄や氷がぶつかり続けるなど内部のコーティングに傷がついた部分から溶け出すといったリスクが無いわけではない。
水筒やパッケージに「スポーツドリンク可」といった表示がついていれば基本的に心配はない。プラスチック等は溶け出す金属がないという意味では安心ではある。
【水筒にスポーツドリンクはダメって本当?】金属中毒に気をつけて (gakken.jp)
その他
「運動中に水を飲むな!」と昔はよく言われ、未だに頑なに信じている古い人もいるが(流石に今の若い人には居ないと思うが)、元は「戦時中にジャングルなどで(煮沸されていない)不衛生な生水は腹を壊す=死に直結するから飲むな!」という言葉が伝言ゲームで勝手に曲解されて伝わったもので、全く科学的根拠がない。
当然、最近や海外の人は普通に飲むし、世界各国の軍隊も水筒を携行している。
当人が「俺がそれで苦労してきたのにお前らが苦労しないのは許さない!」という負の部分もある。過酷な指導は部活問題や不祥事などでもよく取り上げられているため、指導内容に疑うのも重要である。死亡しては意味がない。(→体育会系・根性論)
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関連項目
関連リンク
脚注
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