「時よ止まれ――おまえは美しい」
藤井蓮とは、lightより2009年12月25日に発売されたPCゲーム『Dies irae ~Acta est Fabula~』に登場する架空の人物。CV:先割れスプーン(PC版)、鳥海浩輔(移植版)。
なお、専門用語に関してはwikipediaに詳しくのっているのでそちらを参照のこと。
概要
この項目は、大量の厨二成分とネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任でごらんください。 |
本作の主人公であり、諏訪原市にある私立月乃澤学園の2年生。愛称は「練炭」。
中性的な外見をしたイケメンでどちらかと言えば人当たりはいいほうだが、人付き合いが苦手な一匹狼。そのため交友関係は狭く、幼馴染の香純と司狼、同じ学園の先輩である玲愛は数少ない友人。香純と司狼とは幼少の頃からの付き合いで、特に香純とは幼い頃に蓮の両親が事故で他界し香純の家に引き取られた際に、一時同居していた仲でもある。諏訪原市にも学園に通うために香純と一緒に引っ越してきており、住んでいるアパートも香純、司狼と隣室同士。自分によくおせっかいを焼く彼女たちに対して口ではつれない態度を取るものの、内心では感謝している。争いや面倒事を嫌っており、何の変哲もない平凡な日常を何よりも愛している。
自身が女っぽく見えることにコンプレックスを抱いており、それに触れられるとすぐに不機嫌になる。また、刃物の類を生理的に嫌悪しており、自室には包丁すら置いていない。本編が始まる二ヶ月前に、司狼とお互い瀕死になるほどの決闘まがいの喧嘩を起こし、ずっと入院し続けていた。この事件のため、学園内では煙たがられ更に孤立している。
本人が知る由もないが、騎士団からはツァラトゥストラと呼ばれ、騎士団、ひいてはラインハルトとメルクリウスの望みを叶えるための鍵となる存在である。
(ネタバレ反転)その正体はメルクリウスが用意した彼の代行者であり、彼が生み出したエイヴィヒカイトの唯一にして真の後継者、「超越する人の理(ツァラトゥストラ・ユーヴァーメンシュ)」。“城”での殺し合いに勝ち残った魂を二つに分け、その片割れをメルクリウスの血で満たしたフラスコに宿すことで誕生した(ちなみに、もう片方はマキナである。そのため、蓮とマキナはある意味兄弟とも呼べる)。メルクリウスの悲願のために生み出された聖遺物を操るための聖遺物であり、メルクリウス自身の聖遺物でもある。それ故に、ラインハルトの聖遺物以外の全ての聖遺物を操ることができ、能力の源となる渇望すら使い分ける事すら可能。エイヴィヒカイトの資質に関してはラインハルトをも上回り、もし本当の意味で“完成”したならば、ラインハルトに匹敵する存在になるまでとも言われている。(ネタバレここまで)
07版ではライターの問題もあり、お世辞にも主人公として魅力があるとは言えなかった。しかし、完全版においてはライターの統一によって終始一貫性を持った主人公に生まれ変わっており、設定が更に追加されてよりキャラクターとしての魅力は高まっている。なお、07版及びクンフトではパートボイスだったが、完全版においてフルボイスに変更された。声優はメルクリウス役と同じ先割れスプーン氏。メルクリウスの追加ボイス+蓮の全セリフのアフレコは想像を絶する仕事量だったであろうことは想像に難くない。演技自体も熱演であり、プロの仕事には頭が下がるばかりである。
戦闘能力
聖遺物
『罪姫・正義の柱(マルグリット・ボワ・ジュスティス)』。「人類最悪にして最美の魂」と称されたマリィことマルグリット・ブルイユの魂を宿したギロチン。位階はストーリーの進行具合によって異なる。形態は人器融合型。
触れる者全ての首を刈り飛ばしてしまう呪いを持ったマリィを蓮だけが唯一所持できるが、これは蓮自体がマリィを収める鞘として生み出されているため。普段はマリィという少女の姿だが、形成することで右腕が赤い紋様の刻まれた長大な黒いギロチンへと変化する。このギロチンは強い必殺性を有しており、例え不死者と言えども首を刎ねられると文字通り滅びてしまう。
また、物語中盤以降ではマリィそのものを形成することが可能となり、現実世界へと実体化させることができるようになる。当然、マリィが持つ呪いは健在だが、蓮が意識を保っている間は呪いは及ばない。
蓮自体がマリィのために作られたために、聖遺物との相性は抜群であり、マリィ自体の魂の質も尋常ではないため、真にエイヴィヒカイトを理解すればラインハルトに匹敵するだけの力を発揮できるようになる。
創造(その1)
『美麗刹那・序曲(アイン・ファウスト・オーベルテューレ)』。
平凡な日常の瞬間を何より愛する蓮の「(楽しかった時間の)刹那を永遠に味わいたい」という渇望のルールを具現化した求道型の創造。
能力は『自身の体感時間を停滞させ、無限に引き延ばす』こと。引き延ばした時間の中を動くことで、本来の時間軸において超加速を行い、あたかも蓮からすれば周りの時が止まっているかのような世界を自在に動くことができる。理論上時間の停滞に上限はなく、蓮が強く思えば思うほど無限に時間を引き延ばし加速していく非常に強力な技であるものの、安定性に難があり、毎回同じ質で能力を発揮できない弱点がある。
なお、創造が発動すると蓮の眼にカドゥケウスが宿り、ギロチンの刃の紋様も変化する。
詠唱の元ネタはゲーテの代表作である戯曲『ファウスト』。形成の発動の際のセリフも、ファウストがメフィストフェレスに魂を差し出す有名なセリフが元となっている。
創造(その2)
『美麗刹那・序曲』の完成系である覇道型の創造。ラインハルトの『至高天・黄金冠す第五宇宙』に並ぶ、流出一歩手前の究極の創造でもある。この創造の発動の際には、カドゥケウスが胸に描かれ、ギロチンの刃が背中から羽根の様に数十条にも及び発現し、髪は赤く、肌は褐色になり、非常に禍々しい容姿へと変貌する。
能力は『体感時間の停滞による加速と共に、その停滞を視認可能な全域に強制する』こと。蓮が加速すればするほど、同率の遅滞を他者に押し付けるというもの。つまり、百倍蓮が加速すると相手に百倍の遅延を押し付けるため、相対的には万倍の時間差が生じ、最早時が止まっているに等しいと言っても過言ではない。ある理由のためにこの創造の強制力は絶大であり、抗えるのはラインハルトやメルクリウス、そして三騎士だけという最強の創造である。
詠唱自体は『美麗刹那・序曲』と変化がないが、音声が狂乱シュライバーのようなかすれ声になり、『創造』を『ブリアー』と発生する点が異なる。ちなみに、涅槃寂静というのは仏教用語における「煩悩が消えた悟りの世界は、静かな安らぎの境地である」ということを指す。数学的には10の-24乗を意味しており、数字だけ見てもすごい停滞を起こすことが推測できる。
創造(その3)
また、上記以外にも、あるルートでは『死想清浄・諧謔(アイン・ファウスト・スケルツォ)』を会得する。
これは絶望的な状況に追いやられ、ラインハルトたちに怒りを抱いた蓮の「死者の生を認めない」という渇望のルールを具現化した突発的な覇道型の創造。
能力は『生ける死者たちが存在する限り、彼らを弱体化させる』こと。普通の聖遺物の使徒に対しては形成位階の能力しか発揮できないが、生ける死者であるラインハルトや三騎士たちには特効的な力を発揮する。なお、あくまで突発的なもののため、詠唱は不明。
今までの刹那を愛する渇望から外れた創造になっているが、そもそも刹那を愛するのは「失ってしまったものは二度と戻らない、故にこの刹那を大切にしたい」と言う所から来るもの。「失っても再び得れるものには価値が無い」と断する蓮にとって死者を蘇らせる事は死者を愚弄する事に他ならない。「死者の生を認めない」事は「刹那を愛する」事の裏返しと言えるだろう。
流出
『新世界へ語れ超越の物語(レースノウァエ・アルゾ・シュプラーハ・ツァラトゥストラ)』。
能力は(ここからネタバレ反転)『蓮自身と蓮が共に過ごしたいと思う者以外の時を完全に停止させる』こと。この世界において、動くことができる者は不老不死であり、誰も失わず何も変わらないという、蓮曰く「碌でもない世界」を誕生させる。蓮が望む者以外は同じ流出位階の存在でない限り時間停止に抗うことは不可能だが、唯一マキナだけは蓮の魂と深く結びついているため、時間停止から逃れることができる。なお、時間停止の利かない相手に対しても、蓮の任意である程度の停滞を強制することは可能のようである。(ネタバレここまで)
詠唱の元ネタは『ファウスト』及びドイツの哲学者ニーチェの著作『ツァラトゥストラはかく語りき』。
関連動画
関連項目
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