長野オリンピック(ながのOlympic)とは、1998年開催の第18回冬季オリンピック(XVIII Olympic Winter Games)である。
概要
冬季オリンピック | |
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長野オリンピック | |
正式名称 | |
第18回オリンピック冬季競技大会 | |
XVIII Olympic Winter Games | |
基本情報 | |
開催国 | 日本 |
開催都市 | 長野市 |
開会式 | 1998年2月7日 |
閉会式 | 1998年2月22日 |
競技種目数 | 7競技68種目 |
参加国・地域 | 72 |
新採用/追加競技 | |
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オリンピックテンプレートボックス |
1991年にバーミンガム(イギリス)で開かれた第97次IOC総会で、長野(日本)、ソルトレイクシティ(アメリカ)、エステルスンド(スウェーデン)、ハカ(スペイン)、アオスタ(イタリア)の中で開催地を決めることになり、長野が当選した。長野は5回の投票のうち、落選都市を決める2回目投票を除いて、1位通過した。これにより、冬季オリンピックの中では最も南で開催した都市となった。ちなみにあまりにも南に位置していたために、海外からは雪不足を心配する声もあった(日本人には長野は雪が降って当然のイメージがあるため、このような声はなかった)。
なお、落選した都市のうち、ソルトレイクシティは2002年にソルトレイクシティオリンピックを開催している。
国名 | 都市名 | 1回目投票 | 2回目投票 | 3回目投票 | 4回目投票 | 5回目投票 |
日本 | 長野 | 21 | - | 30 | 36 | 46 |
アメリカ合衆国 | ソルトレイクシティ | 15 | 59 | 27 | 29 | 42 |
スウェーデン | エステルスンド | 18 | - | 25 | 23 | - |
スペイン | ハカ | 19 | - | 5 | - | - |
イタリア | アオスタ | 15 | 29 | - | - | - |
開催期間中は悪天候に悩まされ、競技日程が大幅に変更。そのため3つの競技が同日開催になる状態であった。また男子滑降はスタート地点が変更されたがために、失格や途中棄権が続出する波乱模様に。しかし競技自体はスタッフや機材を多く配置したことにより、中止することなく全ての競技が実施できている。
なお開会式で披露した世界同時中継の第九合唱は、"世界同時中継ながら各地の音声と映像が誤差無く現地と同期する"という、1998年当時では非常に高度な技法によって成立している。そのため各地の時差を考慮して従来夕方から夜にかけて行われる開会式が昼の時間帯に実施された。
日本選手団
日本代表選手団は選手166人、役員166人の合計332人。札幌大会で『日の丸飛行隊』と呼ばれたお家芸のスキージャンプは船木和喜を中心に大きな活躍を見せた。船木はその後の大会にも息長く出場、以後の世代に大きな影響をもたらしている。
競技結果
日本
- 金メダル
- 船木和喜 - スキージャンプ男子ラージヒル個人
- 岡部孝信、斉藤浩哉、原田雅彦、船木和喜 - スキージャンプ男子ラージヒル団体
- 里谷多英 - 女子モーグル
- 清水宏保 - スピードスケート男子500m
- 西谷岳文 - ショートトラックスピードスケート男子500m
- 銀メダル
- 船木和喜 - スキー男子ノーマルヒル個人
- 銅メダル
- 原田雅彦 - スキージャンプ男子ラージヒル個人
- 清水宏保 - スピードスケート男子1000m
- 岡崎朋美 - スピードスケート女子500m
- 植松仁 - ショートトラックスピードスケート男子500m
各チームのメダル獲得数
国・地域 | 金メダル | 銀メダル | 銅メダル | 合計 |
ドイツ | 12 | 9 | 8 | 29 |
ノルウェー | 10 | 10 | 5 | 25 |
ロシア | 9 | 6 | 3 | 18 |
カナダ | 6 | 5 | 4 | 15 |
アメリカ合衆国 | 6 | 3 | 4 | 13 |
オランダ | 5 | 4 | 2 | 11 |
日本 | 5 | 1 | 4 | 10 |
オーストリア | 3 | 5 | 9 | 17 |
大韓民国 | 3 | 1 | 2 | 6 |
イタリア | 2 | 6 | 2 | 10 |
実施競技
その他
1991年にオリンピック開催が決まると、当初軽井沢駅~長野駅間はミニ新幹線で予定されていた長野新幹線が全線フル規格で建設されることになった。これにより、長野新幹線は小諸市の小諸駅ではなく、佐久市の佐久平駅を通過することになったため論争になったことがある。なお、長野新幹線はE2系のほかに、臨時列車として200系が乗り入れを行った。
また、志賀高原のアクセスのために列車を増発させるため、長野電鉄河東線(現:長野線)に交換設備を追加したほか、選手村の最寄駅として信越本線に今井駅が開業している。
JRの長野近郊各線で使われている115系は、当時「信州色」と呼ばれる白をベースに緑と赤の帯をまとった塗装が広まりつつあったが、このオリンピックを契機に「長野色」と呼ばれる白をベースに水色とグレーを配したカラーに変更された。この爽やかな塗装は、その後登場したE127系や211系にも引き継がれ、現在まで続いている。
関連動画
関連項目
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