オパビニア(Opabinia)はカンブリア紀に生息していた海棲生物の一種。奇怪な姿のものが多いバージェス動物群の中でも群を抜いて奇妙な生物。
特徴
化石自体は100年近く前から知られていたが、本格的な復元作業に入ったのは1970年代に入ってからである。化石自体は数が少ないため、詳細はあまりよくわかっていない。種は今のところOpabinia regalis(オパビニア・レガリス)のみが認められている。
体長は4〜7cm程度。身体の先端からはゾウの鼻を思わせる一本の触手が伸びている。触手先端にはギザギザの歯がついたハサミのような器官がついていて、これで獲物を掴んで触手の根元にある口に運んでいたものと思われる。頭部上面には5個の眼があり、これで上面360°の視野を確保していたらしい。胴体は15の体節からなり、おのおのの体節の両側には鰭があって、これを波打たせるように動かして泳いでいた。胴体最後部の3対の鰭は斜め上を向いている。
1972年に最初の復元図が学会で発表された際にはその姿のあまりの奇妙さに会場が爆笑に包まれ、学会の進行がしばらくストップしたというエピソードがある。
なぜこれほどまでにたくさんの眼を持つようになったか?
なぜ5つもの眼を持つようになったかは諸説あるが、最近発表された学説ではかつて眼を持つ事が捕食生物に取って生存上有利に働いた時代があり(最初に眼を獲得した生物は三葉虫である)、これに対抗するために喰われる側の生物も次々と眼や固い殻などを獲得していったといわれ、オパビニアもアノマロカリスのような大型の捕食生物からいち早く逃げるために多数の眼を発達させたといわれている。
近縁の種
オパビニアは既存のどの動物の特徴にも当てはまらない独立した動物門といわれていたが、最近では鰭のつき方や触手で獲物を捕らえるなどといった共通性からアノマロカリスの近縁の別種ではないかと考えられている。
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