スジナシとは、名古屋CBC(中部日本放送)制作の笑福亭鶴瓶の冠番組である。正式名称は「鶴瓶のスジナシ!」
概要
1998年放送開始。笑福亭鶴瓶がホストアクターとなり、毎回違うゲストと共に指定されたシチュエーションで15分程度の即興劇(エチュード)を演じ、その後スタジオでそのドラマを見ながらトークをするという非常にシンプルな番組である。
ゲストに関しては、演技派のお笑い芸人から個性派俳優、さらに普段バラエティ番組なんかには絶対に出そうにない実力派俳優まで非常に多様なゲストが出演している。
初期こそスタッフが指定した演じる役柄などを元にエチュードをしていたが、徐々に鶴瓶も番組に慣れ始めたということで今ではあらかじめ決まっているセットを本番直前にチェックし、衣装・小道具(いくつかセット脇に置いてあるもの)を適当に本人がチョイス(観客を入れていた時代は鶴瓶の衣装は観客に決めさせていた)し、始めの立ち位置を決めたら内容に関する打ち合わせは一切せずに本番に入る。
この番組での経験は確実に鶴瓶本人の俳優としての演技力を伸ばしたと言っても過言ではない。
また、撮影時にアドリブで勝手に動き回る演者二人を追い続けドラマとして良いカットを取ることのできるスタッフの努力も特筆すべきことであろう。
トークに関しても鶴瓶持ち前のトークの上手さにより、ゲストの意外な一面を引き出したりと非常に面白いものとなっている。
そのため芸能界内の視聴率は非常に高く、一般人にも熱狂的なファンが多い番組であるが、深夜番組にも関わらずドラマのセットは毎回違うものを組まなければならないこと、収録は原則愛知県名古屋市のCBC本社で行うのでゲストを呼んでくるのにもお金がかかるなど様々な理由で幾度となく打ち切りの危機に立たされている。
そのせいで当初は週1の30分番組でその後1時間に時間拡大したものの新作が放送されるのは月に1回でそのほかの週は過去の回の再放送という体制になり、その後再放送は打ち切られ月に一回(原則毎月最終週)の特番扱いでの放送となっていった。そのためすでに10年以上続いている番組にも関わらず作られたエチュードの数は2011年7月末時点で255本と非常に少ない。
しかし、この地方局制作の優良コンテンツを見逃さなかったのがCBCのキー局TBSである。初期のころの危機はBS-i(現BS-TBS)が共同制作と言う形で予算を出しBSやCSで放送してくれたおかげで何とか持ちこたえたとされ、2009年の春改変(俗に言うTBS第2の開局)時にはCBCと原則1日遅れの定期ネットを行うこととなり、CBCでも週1のスジナシが復活した。(新作は月に1回他の週は前枠を取りなおした上での再放送)
そして、2011年の春改変では架空の劇場「スジナシ劇場」の支配人として織田雄二の制止役キャスターの中井美穂が番組のレギュラーに加わり放送時間は30分に短縮したものの毎週新作が放送されるようになった。
出演者
- 笑福亭鶴瓶
番組のホストアクターであり、2011年3月分までは番組の進行もすべて自分で担当していた。
「即興ドラマ中は絶対に噴出さない」ことを目標にしているが、時々こらえ切れずにシリアスな場面で顔がにやけているときもしばしば - 中井美穂
2011年4月より、進行役として番組に加わった。設定としては「架空の劇場スジナシ劇場の支配人」であり、そのためエチュードのストップコールはそれまでの現場ディレクターに代わって勤めるなどしている。
プロトタイプと派生番組
スジナシ!がスタートする以前に、笑福亭鶴瓶をメインキャストとした同様の企画の番組がNHK大阪放送局で制作・放送された(放送日等のデータは失念、Web上にも記録は残っていない)。共演者は円広志で、旅館の一室で2人がアドリブドラマを繰り広げる以外何も決まっていないという状態での収録で、成り行きで鶴瓶が刑事、円が犯人という設定になっていき、でお互いの素性を隠しながらエチュードを展開するという内容であった。このあたりの企画構成は後に放送を開始する「スジナシ!」と共通している。
また2006年8月にはNHK福岡放送局でイッセー尾形の「たった二人の人生ドラマ」が同じ企画の番組として制作・放送された。これはイッセーが「スジナシ!」にゲスト出演した後に、イッセー自身が同じ企画の番組を提案し製作されたものである。
関連商品
関連項目
- 中部日本放送
- TBS
- 演劇
- エチュード
- ざこば鶴瓶らくごのご(ABCテレビ制作・テレビ朝日系で放送されていた、即興で三題噺を演じるバラエティ番組)
- 鶴の間(日本テレビで放送されていた、鶴瓶とゲスト芸人による即興漫才を演じる番組)
- アドリブアニメ研究所(2011年10月よりBSフジで放送中。「スジナシ!」のシステムをアニメ版として応用したもの)
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