㫃とは、旗がなびくさまを表す漢字である。
漢字として
- 意味・字形
- 旗竿につけた吹流しがなびくさまの象形。〔説文解字〕では「旌旗の游、㫃蹇たるの皃(かたち)なり」とある。游は吹流しのことで、㫃蹇は吹流しのさまをいう語。字形について〔説文〕は「屮に從ひ、曲がりて垂下す。㫃、相ひ出入りするなり」とする。
- 音訓
- 音読みはエン、訓読みは、はたあし、ふきながし。〔説文解字〕に「偃(エン)のごとく讀む」とある。偃とは意味においても通ずるところがあったようで、先秦時代の偃という名前の人の字が、子游である例がいくつかある(たとえば言偃、鄭の公子偃)。
- 規格
- 常用漢字ではない。JIS X 0213、JIS X 0212未収録。
- 部首
- 〔説文解字〕では部首とされており、現在方部に属する漢字のほとんどが㫃部に属していた。実際、現在の方部の漢字の多くは構成要素として㫃をもち、方という字とは関係がない。
- たとえば㫃+其で旗、㫃+也で施である。マニアックなのに重要な漢字である。
- 声符
- 㫃を声符とする漢字には、𣃘などがある。
- 1
- 0pt

