ときめきメモリアルとは、1994年5月27日にコナミからPCエンジンSUPER CD-ROM2向けに発売され、その後、様々なゲームの機種に移植された恋愛シミュレーションゲームであり、『ときめきメモリアルシリーズ』の第一作目である。
日本の美少女ゲームブームを作った作品であり、この作品以降美少女ゲームが乱立されるようになった。
現在までの美少女ゲームのひな形のような存在であり、美少女ゲームの最大のヒット作ともいえる作品。
移植版の数が最も多く、1995年にはプレイステーションにて移植版となる『ときめきメモリアル~forever with you~』が、1996年にはスーパファミコンにて『ときめきメモリアル~伝説の樹の下で~』が、1997年にはゲームボーイにて『ときめきメモリアルPOCKET』が発売されている(『~forever with you~』だけでも4機種で発売)。一般的にはプレイステーション版で人気が加速している。また、1997年には映画化もされている。
ちなみに、本作には3年目2月22日の館林見晴のイベントが存在しない(これはPS版以降の設定)他、セーブできるのが2箇所とかなり少ない(これは、アレンジ移植ではないスーパーファミコン版も同じ)。下でも書いているが、2009年に発売された『ときめきメモリアル4』の元となっているのは本作である。
「卒業式の日に、校庭のはずれにある伝説の樹の下で、女の子から告白され成立したカップルは永遠に幸せになる」と言う伝説がある「私立きらめき高校」。
この学校に入学した主人公が、家が隣同士で幼馴染の藤崎詩織から告白されることを目指して、部活や勉強で自らを磨きながら高校3年間を過ごしていく。
元々上層部からさして期待をされていたゲームではなく、ゲーマー層からもギャルゲーの上に斜陽であったPCエンジンSCD2発売であることを理由にマークされていなかったが、ゲームライターの岩崎啓眞(以下は敬称略)が「電撃PCエンジン」紙上で激賞したことでゲーマーの注目を集めた。
そしてPS版でさらに人気を高め、当時の雑誌には以下のように紹介されていた。
ゲーム中の女の子とつきあえちゃう話題のシミュレーションついに発売!!
タイトルの発表以来、圧倒的前人気を誇っているPS版「ときメモ」がいよいよ発売されるぞ!
高校在学中の3年間に目当ての女の子とどれだけ仲良くなれるかが楽しいこのゲーム。サブゲームや隠し要素もたっくさんあるのだ!
また当時のブームについて初代のプロデューサーであった三品善徳が「ユーザーは『ときめきメモリアル』(ゲーム)以上に『藤崎詩織』(キャラクター)を好いてくれている」と発言したらしく、ブームを後押しした側は「こんなはずじゃなかった」と敗戦の弁のような反応を返している。
ちなみに、同社から発売されているゲーム『実況パワフルプロ野球』のサクセスモードは本作が元になって作られた。
初登場の『実況パワフルプロ野球3』(1996年発売)では本作の特徴を色濃く出ていたが、現在では独自に進化して内容が変化している。
同作は本作に比べると育成要素が重点的にされているため、故意・不意のリセット行為にペナルティがあり主に育成中選手データが抹消されるなどリセット→ロードのやり直しができないようなシステムとなっておりサクセスは本作に比べると厳しいシステムになっている。ただし、携帯ゲーム機で展開した『パワプロクンポケット』シリーズではバッテリー切れを考慮して一定回数まではペナルティ免除の救済がある。
太田出版刊行『超クソゲー』によると、本作は『Wizardry』(初代)に比肩する革命的ソフトであったらしい。
初代PCE版のミニゲームのSTG『フォースギア』は『グラディウス』の世界観をベースにしたものであるが、おまけゲーム扱いの為か現在でもグラディウス関連作品のカテゴリには入っておらず、ゲーム自体の単独リリースやシリーズにカップリング収録も行われていない。
平日は一週間単位、休日は1日単位で進行し、「勉強」「運動」「遊び」などのコマンドを実行することで進んでいく。休日コマンドは平日のものより効果が大きく、また女の子や友人に電話したり情報誌を見て新しいデートスポットを見つけたりすることが可能。
上の通り目的は詩織から告白されることであるが、日々の送り方によっては詩織以外にも様々な女の子が登場し学校生活に彩を添える。また全11種類の部活動が存在しており、通常コマンドの代わりに実行することで部活ごとに対応したパラメータを少しずつ伸ばすことが出来る。
最後の年には卒業後の「進路」を決めることになり、ここまで伸ばした能力やどれほどクラブに励んだかによって進める道は変わる。
最終目標と制限時間のみが定められ辿る道筋はプレイヤーの自由となっている。もっとも、この手のゲームのお約束で定石のようなものはあるが。
重要なのは「女の子の理想にかなうパラメータを得る」と「デートを重ねる」。平日に女の子が注目するパラメータを伸ばしていると、予定実行画面に注目している子が出て来る場合があるので参考にしてみよう。何をやっても詩織しか出てこないこともあるが、それは詩織が全パラメータをチェックしているためである。
デートでは特別な展開がない限り3択が表示され、選択によってデートの印象が左右される。仮に相手が好む場所でもKY反応を返せば機嫌を損ねてしまうし、元々嫌いな場所でデートした場合はベストな選択でもフツーの印象で終わってしまう。
他にも体育祭や文化祭などの学校行事や定期テストで活躍すればその分だけ主人公の印象を良くすることが出来る。その時の主人公の得意分野によって活躍の場は違ってくるが、万能に育てていれば当然あらゆる分野で活躍できる。ただし、シリーズ一作目に限り「学校行事での活躍は知り合いでない女の子も見ている」ということに注意が必要。
仲良くなってくれば向こうの方から誘ってくれたりするようになるのだが、この場合無碍にすると誘ってきた子が大きく傷つき、誘いに乗るとそれ以外の子が傷つく仕様になっている。あまりに傷つけると「爆弾」が発生し、傷つけた子はおろか他の子からの評判も悪くなってしまう。誰にどう対応しても誰かは傷つくので、なるべくなら本命以外の子は登場させないに越したことはない。
ちなみに移植版とは異なり、初代の爆弾はデートを成立させなければまず消えない。持ち主と約束してデートを実行するまでに持ち主を傷つけるようなマネをすれば、爆弾は容赦なく爆発してしまう。これまた移植版と違い、爆弾の持ち主が律儀に「私、怒ってます」アピールをしてくれることもない。素直に好雄に聞くかカンで判断しなければならない。
ちょっとした事件からツンがデレに裏返ったり分かりやすい愛の試練が降りかかったりするような、物語のお仕着せをすることはなく、ほぼ全ては日常やデートの延長で描かれている。
※画像はプレイステーション版他のものです。
本作は全部で7版発売されている。
()内の「HRKM-70714-FA?T」というのはCDの内周に書かれており、?にはAもしくはBが入る。第2版と第3版、第5版と徳間限定版、第7版は()内がそれぞれ同じなので区別がつかない。これらは発生するバグもそれぞれ同じなので、バグから版を特定するというのも不可能だろう。
また、パッケージ裏でも版を見分けることもでき、下の住所と「本品の輸出~」の間が初版では空白、第2~3版が★、第4版以降が◎となっている(◎の真ん中は●)。しかし、中古で買った場合はケースとCD内周の刻印が違う場合があるので、これから「中古で」買う人は気をつけた方がいいだろう。
ちなみに誤字関連では、第4版までのOPムービーでは早乙女好雄役の声優が「上田裕司」と表示されていたり、第3版までのフリートークでは虹野沙希役の声優が「管原祥子」と表示されていたりしている。
【例】
↑上田裕司なので第4版までのいずれかのOP。 ↑上田祐司なので第5版以降のいずれかのOP。
作品名 | 発売日 | 機種 |
---|---|---|
ときめきメモリアル~forever with you~ | 1995年10月13日 | プレイステーション |
1996年7月19日 | セガサターン | |
1997年12月4日 | Windows95 | |
2006年3月9日 | プレイステーション・ポータブル | |
2009年7月11日 | ゲームアーカイブスとして配信 | |
2025年予定 | Nintendo Switch | |
ときめきメモリアル~伝説の樹の下で~ | 1996年2月9日 | スーパーファミコン |
ときめきメモリアルPOCKET スポーツ編~校庭のフォトグラフ~ | 1999年2月11日 | ゲームボーイ |
ときめきメモリアルPOCKET カルチャー編~木漏れ日のメロディ~ |
※移植版についてはそれぞれの記事を参照のこと。
2009年12月3日にPSP向けに『ときめきメモリアル4』が『ときめきメモリアル3』から8年ぶりのナンバリングタイトルとして発売された。
本作から15年が過ぎた「きらめき市」の私立きらめき高校が舞台となっているが、15年前の本作というのはPCエンジン版のことであり、また、『ときめきメモリアル2』の続編(10年後)にもあたるため、PS版以降の移植版設定や『ときメモ2』のサブストーリーズでの出来事や同級生設定は無かったことにされたようである(元に戻った)。
『ときメモ4』でも、告白の場所は一部のキャラクターを除いて伝説の樹の下となる。
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最終更新:2025/03/21(金) 17:00
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