貧しき小国・三河の岡崎城主・松平広忠の子として生まれた松平元康(のちの家康)は戦乱で父を失い、母とも離れ、駿河の大国・今川家のもとで人質として暮らしていた。
今川義元に見込まれた元康は不自由ない生活を保障され、十分な教育も受け、やがて今川家家臣・関口親永の娘・瀬名と恋に落ちる。そんな今川家に染まる姿を、元康に付き添っていた石川数正、鳥居元忠ら三河の者たちは苦々しく思っていた。
ある日、父の墓参りに三河・岡崎を訪れた元康は、そこで父に仕えていた酒井忠次など旧臣たちと再会。彼らが今川家支配下にいることに不満を抱き、松平家再興の思いがくすぶっていることを知る。しかし、義元を慕う家康にとって、彼らの思いは重荷でもあった。
1560年(永禄3年)、今川義元は、織田領である尾張へ進撃する。元康は妻子たちに別れを告げ、織田軍の攻撃を受ける大高城を支援するため、そこに兵糧を送り込む任務に就いた。
敵方の猛攻をくぐり抜け、大高城にようやくたどりつき、喜んだのもつかの間、桶狭間から衝撃の知らせが届けられる! しかも、大高城に押し寄せるのは、あの織田信長! 幼いころ、信長と一緒に過ごし時の忌まわしい記憶が、元康の脳裏によみがえる。
織田軍に包囲される中、家族が待つ駿河に戻るか、故郷の三河へ進むか、それとも籠城か。どうする家康!
信長「待ってろよ、竹千代。俺の白兎…」
元康「どうしたらええんじゃー!」どうする家康第1回「どうする桶狭間」より
どうする家康 とは、2023年放送の大河ドラマ62作目である。全48回。
2021年1月19日に発表された2023年の大河ドラマ。主役の徳川家康を松本潤が、脚本を古沢良太が担当する。徳川家康が主人公の大河ドラマは、1983年の徳川家康(大河ドラマ)、2000年の葵徳川三代(徳川秀忠とのダブル主人公扱い)である。
松本潤は大河ドラマへの出演が初めて……だったはずなのだが、前年の鎌倉殿の13人の最終回にて同じく家康役としてゲスト出演したため、これが2度目の出演である。また、これに伴い徳川家康は4年連続で大河ドラマの登場となった(麒麟がくる→青天を衝け→鎌倉殿の13人→どうする家康)。ついでに、首桶も4年連続で登場した。ちなみに、それまでの大河ドラマ連続登場の最多記録も家康であった(独眼竜政宗→武田信玄→春日局の3年連続)。
晩年の家康を描いた葵徳川三代とは対照的に、本作では天下人となる前の若き日の家康を最新の解釈を交えながら描いていく。真田丸やおんな城主直虎でも描かれたような未熟な家康の成長劇ではあるが、それらより更に若年の時点から始まるだけあって、本作序盤の家康は大河ドラマ史上でも珍しいヘタレ主人公として描かれている。その若き家康の心中を反映したためか、いろいろとはっちゃけた演出も多い。その一方で、合戦や謀略の場では容赦なく人が死んでいくシビアさも描かれており、コミカルかと思ったら唐突に殺伐な展開が挟まれる世知辛さも独特の味を出している。
やがて、家康が家族や家臣の支えによって少しずつ人間的に成長していき、現代に通じるリーダー像へなっていく――あるいは「作り上げられていく」様子が、本作の見所の一つである。
徳川家康(大河ドラマ)など、従来の家康を題材とした作品とは登場人物の性格や善悪が逆転した事例が多いのが特徴(瀬名、今川義元、織田信長、武田勝頼など)。また、ナレーションでは家康を「神の君」「神君家康公」と呼び称えているが、ドラマ内の家康は正反対の行動をするという、いわゆる意図的に大本営発表的なものになっていることも少なくない(ナレーションでは「今川義元の元で辛い生活を送っていた」「勇敢に戦った」「遠江の民から涙を流して歓迎された」と言われるが、実際には「義元から厚遇されてのびのびと過ごしていた」「敵に敗れて逃げ出した」「遠江の民から今川を見捨てた裏切り者と憎まれた」など)。
(以下ネタバレ)一連の「神の君」に関する内容について、当初から春日局が幼き竹千代(徳川家光)に語らせていた話という説が濃厚であったが、最終回ではそれに加え、天海が家康の神格化を主導し、前述のヘタレなエピソードを排除していたことが明らかとなる。天海曰く「源頼朝について、実際はどのような人物だったかは知らない。しかし、周りがしかと称えて語り継いできたから、頼朝は武家の憧れとなった。」とした上で、家康について「人にあらず、大権現である。」としている。ちなみに、天海役の小栗旬は昨年の大河ドラマで頼朝を補佐した主人公・北条泰時を演じた。
大河ドラマで毎年恒例となっている本編終了後のミニコーナーの紀行(本作では「どうする家康ツアーズ」)は、磯智明プロデューサーの提案により、松本潤をはじめ多くの回で出演者が実際にその地を訪れるという、大河では初めての試みが行われた。ナレーションは石川数正役の松重豊が担当しており、その語り口調から孤独のグルメを彷彿させると評判になっている。
第1回 | 一大転機となる桶狭間合戦からのスタート。人質という身分ながら当主の今川義元に見込まれ、武将として経験を重ねつつあった矢先に、桶狭間で義元が討ち取られるという急報が! 籠る大高城にはかつてトラウマを植え付けた織田信長が迫ってくる! ここから家康の壮絶な人生が始まる。 |
第4回 | どうにか桶狭間と三河の危機を乗り越えた家康だったが、今度は同盟を組むため信長のいる清須へ向かう。会うなりいきなりほぼ臣下のような扱いをされ、相撲をとらされたり散々な目にあう家康だったが、最後の相手はかつてある約束を交わした信長の妹・市であった。 |
第9回 | 三河では一向一揆が発生し、家康は夏目広次や渡辺守綱などの家臣の裏切りや、寺側の軍師となっていた本多正信による巧妙な作戦で追い詰められていった。家康は三河の領主としてかねてより何を重視すべきか考え、遂に彼なりの答えにたどり着いた。 |
第12回 | 今川家は武田と徳川の挟み撃ちにあって滅びようとしていた。家康は掛川城で抗戦を続ける氏真を遂に追い詰める。氏真は家康を前にして自暴自棄になり、自害しようとしたが、正室の糸はそこで桶狭間の直前に父・義元が遺した最後の言葉を伝える。 |
第13回 | コンフェイト上洛回。信長の求めに応じて上洛した家康とその一行。彼らは喜びと驚き、戸惑いを覚えながら京を満喫していたが、本多忠勝と榊原康政が浅井長政の家中と諍いを起こして騒動になってしまう。京での一行のドタバタや、家康に対して蔑んだ態度を取る明智光秀や足利義昭、金平糖のやり取りなどギャグを混ぜながらも今後を暗示させる重要な回。 |
第15回 | 家康の主君盟友・織田信長は朝倉と浅井を討つべく姉川で対峙。信長からは変わらず手下同様の扱いを受けた上に、先鋒に回され沸々と家康の憤懣が溜まる中、浅井よりこちら側につくよう密書が届く。京で会ったときの彼の印象から家康は大いに懊悩する。 |
第17・18回 | 前半の山場の一つ・三方ヶ原の合戦回。「戦は勝ってからするものだ」と信玄は定説通り、家康を散々に打ち負かす。敗軍の将となった家康は逃げ回ったが、遂に近くまで追手が迫ってきていた。そんな中、なかなか家康に名前を覚えてもらえない武将・夏目広次が目の前に現れ、影武者になることを申し出る。家康は抵抗する中、ようやく彼にまつわる本当の事を思い出す。 |
第21回 | 長篠の戦い前哨戦。武田勝頼は侵攻の手を緩めず、長篠城を包囲。兵糧攻めに苦しむ中、城兵の一人、鳥居強右衛門が浜松城へ向かった。一方の浜松城では家康の脅迫に応じる形で信長が大軍を連れて援軍にかけつけ、慇懃な態度で家康に接する。もちろんそのままで済むはずがなく……。 |
第25回 | 瀬名は戦をやめさせるためにある計画を信康や武田方の重臣と組んで行おうとするも失敗に終わる。その計画は信長の耳に入り、処罰は家康にすべてを委ねた。家康は瀬名と信康の処断を決意するも、あくまでそれは表向きで、逃がそうと試みるが……。瀬名と家康の最後のやり取りは必見。 |
第27・28回 | 本能寺の変回。信康と瀬名の一件以来、家康は信長を討つ計画を密かに建て、服部半蔵に命じて約4年かけて綿密に行い続けた。天下統一を目前にした信長は家康に心情を吐露し、「俺の後をやる気があるなら討ってみろ」と訴えかけた。その後、家康は鉄砲購入の為に堺に立ち寄るが、そこで信長の妹・市に偶然遭遇し、ある話を聞かされることになる。タイトルにもなった安土城での信長と家康の立ち合いは必見。 |
第29回 | 伊賀越え回。明智の残党に追われながら伊賀の山中を抜けようとする家康一行だったが、途中で百地の手勢に捕まり、絶体絶命の危機に陥る。明智からの褒美の為に家康の首に刃が振り下ろされようとするその時、三河から追放された本多正信が地下より現れる。 |
第33回 | 小牧・長久手の戦いで優勢な羽柴秀吉を相手に勝利をおさめた家康だったが、総大将だった織田信雄が勝手に和睦をしたことで大義を失い、危機に瀕する。長久手の勝利から本多忠勝ら徳川四天王をはじめ家康自身も戦を望んだが、実際に大坂に行き実情をみていた古くからの重臣・石川数正は危機感を覚え、ある行動に出た。数正と家康のやり取りと置き土産は必見。 |
第35回 | 家康は遂に秀吉への臣従を決意し、大坂城へ入った。秀吉からの大いなるもてなしを受けたり、大河では恒例の陣羽織の芝居をやったりの最中、家康は廊下から星を見上げているある男に出会った。彼は石田三成。後に関ヶ原で戦う宿命など露知らず、家康は彼と共に星空の鑑賞をまるで子どものように楽しんだ。秀吉の母であり大政所の秀吉に対する発言にも注目。 |
第38回 | 天下統一を果たした秀吉は朝鮮出兵を命令。前線基地とした名護屋城で秀吉は連戦連勝の報告を耳にして満足していたが、主計を預かる石田三成は限界がきていることを悟っており、家康もそこから半蔵を使って調べを進めた。また、かつての将軍であり現在は出家している足利義昭もおり、酒をたかるついでに秀吉と家康に対し警告まじりの自身の失敗談を語った。 |
第40~43回 | 秀吉逝去直後~関ヶ原回。先述の通り三成と家康は気の合う仲間であり、理想とするところも近いものであったが、秀吉が亡くなって五奉行と五大老という形で政務を行うとなかなか思う通りにはいかないことが露見し、段々と大きなすれ違いとなり、やがて関ヶ原へと発展して行く。基本は通説通りではあるが、割と違った切り口の話も多く取り入れているので必見。 |
第44回 | 関ヶ原に勝利し、事実上天下を掌握した家康だったが、まだまだやるべき事は多くあった。また、豊臣家との関係も表面上は良好であったが、淀殿は家康を敵視し、秀頼にも幼少のころよりそう教え込むほどの徹底ぶりである。当面の安定は実現しながらも、火種が残る中、徳川四天王の生き残りである忠勝と康政には老いと死が迫ってきていた。歳月の経過の演出も必見。 |
第48回 | 豊臣家は大坂夏の陣で滅び、秀頼は自害し、淀殿は後の世に毒を吐きながら華々しく後を追っていった。これにて戦のない世の中は成り、家康はそれを成し遂げた人物として大いなる崇敬と畏敬を受ける存在となっていく。そして元和二年四月十七日、死の床に居た家康に懐かしい声が耳に入る。74年に亘る波乱の生涯と偉業を遂げた家康の最期を飾るにふさわしい大団円。 |
徳川家康を主人公とする他の大河ドラマとの配役一覧。参考までに家康とその一族・家臣が多数登場する真田丸、おんな城主 直虎のキャストも記載。―――はその大河ドラマには未登場、真田丸・おんな城主 直虎のどちらか一方のみの登場は、登場する作品のみ表記する。
掲示板
4242 ななしのよっしん
2024/12/07(土) 11:01:03 ID: g3xqUqFf04
出来が光る君へ>今作ってのは同意するけど今作を全メディアが賛美していたとかひたすら家康を持ち上げる内容だったとかテキトーこいてる奴はどうかと思う。
4243 ななしのよっしん
2024/12/07(土) 11:07:46 ID: pURLnNxvsv
家康を持ち上げるためじゃないよなジャニオタが松潤を持ち上げるためなんだから
4244 ななしのよっしん
2024/12/08(日) 11:05:41 ID: g3xqUqFf04
つまらんとか駄作呼ばわりするだけなら良いんだが妙な難癖つけるやつも多かったからな、今作。
提供: hiro
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提供: ボウケンゴールド
提供: 灰
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急上昇ワード改
最終更新:2025/04/02(水) 22:00
最終更新:2025/04/02(水) 21:00
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