サウンドトゥルー(Sound True)とは、2010年生まれの日本の競走馬である。栗毛の騸馬。
新ひだか町・岡田スタッド生産、美浦・高木登→船橋・佐藤裕太厩舎所属
馬主は山田弘(不動産業を営んでいる。所有馬には他にタイトルホルダーなど)
主な勝ち鞍
2015年:東京大賞典(GI)、日本テレビ盃(JpnII)
2016年:チャンピオンズカップ(GI)、
2017年:JBCクラシック(JpnI)
2019年:大井金盃(南関東SII)
2020年東京記念(南関東SI)、大井金盃(南関東SII)
馬名の意味は「本当らしい、本物らしい」※JRA競走馬情報より
父*フレンチデピュティ、母キョウエイトルース、母父フジキセキという血統。
父の*フレンチデピュティは現役時代米国でマイルのGIIを勝ち、種牡馬入り後は日本に輸出されたクロフネとノボジャックの活躍もあり日本へ輸入された。その後エイシンデピュティやアドマイヤジュピタなどを輩出し、サウンドトゥルーは日本供用9年目の産駒である。
母のキョウエイトルースは現役時代中央で2勝、交流競走で1勝を挙げた。
キョウエイトルースの5番子として生まれたサウンドトゥルー。本馬のデビュー前には半兄がオープンまで勝ち上がり、更に後に生まれた全弟ルールソヴァールが佐賀記念(交流JpnIII)を、半弟アナザートゥルース(父*アイルハヴアナザー)がアンタレスS(中央GIII)とダイオライト記念(交流GII)を勝つなど、母のキョウエイトルースは繁殖牝馬として活躍している。
…なのだが、ちょっと競馬に詳しい人やノルマンディーOCの会員、岡田スタッド生産馬を追っている人なら、サウンドトゥルーとその兄弟にまつわる一種の「血の運命」について察しているだろう。
美浦の高木登厩舎へと入厩したサウンドトゥルーは、2歳10月の東京ダート1300mでデビュー。ここでは出脚が鈍く後方から追い込むも離れた6着。中1週の未勝利戦では好位から上がり最速の脚を出して勝ち上がる。
その後ダート1400mの自己条件を4つ使ったが6着の後3連続2着。マイルに伸ばした5度目の自己条件戦では直線で一気に伸び、2着に3馬身差をつける快勝を収める。大野拓弥を鞍上にユニコーンSに挑むと、ここでは8番人気と人気は低いものの後方から脚を伸ばしてケイアイレオーネと同着の3着に入った。
その後自己条件である1000万以下を中心に使ったのだが中々勝てない。4歳夏の降級[1]までに9戦したが2着2回、3着3回、4着1回、5着2回と掲示板を外さなかった。本賞金だけで2500万、出走手当等含めると3000万は稼いでいる。降級して500万条件戦に出たが、後方から前に届かず3着。
ここに至り陣営は去勢を決断。気性が荒かったのかと言われればそうでもなく、むしろサウンドトゥルーはとても大人しい馬であったようだ。基本的に日本では去勢=気性難を矯正する為という認識であるが、この馬に限っては体質改善の為であり、生産牧場の岡田スタッド代表である岡田牧雄曰く、「この血統は筋肉量が多く、使い込むと硬くなる」と語っている。奥手の血統というのもあるが、兄のコンフォーコ、弟のルールソヴァール、アナザートゥルース共に去勢後成績が上がっている。
去勢手術を行い、前走から4ヶ月以上経った11月に復帰し、ここを後方から一気に追い込んで2馬身差の快勝。1000万以下に戻った3戦はそれぞれ3着、5着と敗れた。
明け5歳となり金杯当日の1000万下特別戦こそ2着も後方から勢いよく追い上げてクビ差に入り、続く初凪賞では道中後方から勝負処で上がっていき、そのまま外から一気に脚を伸ばして勝利。続く1600万下の白嶺Sではまたも最後方から直線大外一気で差し切り勝ちを収め2連勝でオープン入りする。これまでちょくちょく乗っていた大野拓弥で連勝を収め、以後彼が主戦騎手となる。
オープンのオアシスSでは1番人気に推されたが、最後方から追い込むも前目で立ち回った2頭で決着し3着となり、続く平安Sではインカンテーションやアジアエクスプレスなど相手関係が強くなり12番人気となるも、後方からまくり気味に上がって脚を伸ばし、0.6秒差の6着に入線する。しかし続くマイルのアハルテケSでは54kgのハンデもあって1番人気も7着に敗戦。
その後中京のジュライS(OP)に出走すると、5番人気に人気を落としたが後方から勢いよく追い込み、同じように追い込んできた2着馬を半馬身封じてOP初勝利を挙げ、続く日本テレビ盃ではコパノリッキー、クリソライトと同期の実績馬2頭が圧倒的人気となる中、それに続く離れた3番人気に推される。レースではコパノリッキーとクリソライトが共に後ろを離して逃げ、サウンドトゥルーは後ろ目から徐々に押し上げていく。前の2頭がバテた所に外から一気に交わし、最後はクリソライトに3馬身差を付けてダートグレード初制覇となった。
初GIとなるJBCクラシックではホッコータルマエ、コパノリッキー、クリソライトに次ぐ4番人気に支持され、レースでは道中中団を追走し、直線入口では5番手につけて一気に脚を伸ばしたが終始コパノリッキーのペース。しかし2馬身半届かずも2着に入線する。続く中京のチャンピオンズカップでは5番人気となり、コパノリッキーがハイペース気味に逃げた為レースは中団より後ろ組が有利となり、サウンドトゥルーは最後方から一気に追い込むが中団から抜け出した牝馬サンビスタには届かず3着。
そして年末の東京大賞典に出走。ここではコパノリッキー、ホッコータルマエに次ぐ3番人気も単勝人気は離れておらず。4番人気ハッピースプリントが単勝15倍超えと実質3強を形成。
レースではやはりというかコパノリッキーが逃げ、ホッコータルマエが2番手でがっちりマーク。サウンドトゥルーは7番手くらいの中団を追走する。直線に入りホッコータルマエがコパノリッキーを競り落として先頭に立って押し切ろうとする所に外からサウンドトゥルーが強襲。残り100mでホッコータルマエを交わして1と3/4馬身離してゴール。ダートGI初制覇となった。
明け6歳初戦は川崎記念。ホッコータルマエと単勝人気で並び2強対決となり、レースでは好位から押し切るホッコータルマエに対し、サウンドトゥルーは中団から徐々に押し上げて差し脚を伸ばす。結果サウンドトゥルーはアタマ差まで迫るも2着となった。続くかしわ記念は久しぶりのマイル戦で、レースでは中団後方から徐々に押し上げるも前3頭で決着し5着。帝王賞ではノンコノユメに次ぐ2番人気も、中団から脚を伸ばすがコパノリッキーとノンコノユメに離された3着となる。すっかりダート路線の安定勢力である。
秋は日本テレビ盃から始動。1番人気をダート転向後4連勝中の同期アウォーディーに譲り、続く2番人気に推されたが、レースでは前で立ち回り3コーナーから後ろを突き放したモーニンとアウォーディーの2人旅。最後アウォーディーがモーニンを競り落とし1着に入る中離れた3着に入線する。続く川崎開催のJBCクラシックでは5番人気となり、レースでは逃げる地方馬サミットストーンを中央勢がどんどん交わし、サウンドトゥルーもそれに乗って徐々に前に進出。サウンドトゥルーは外から脚を伸ばすも直線入口を先頭で迎えたアウォーディーが食い下がるホッコータルマエを競り落として優勝。サウンドトゥルーはまたも3着であった。
そして2度目となるチャンピオンズカップへ出走。目下6連勝中のアウォーディーが1番人気となり、続いて武蔵野Sで古馬相手に好走した3歳馬ゴールドドリーム、いつものコパノリッキーが人気となり、本馬は単勝15.9倍の6番人気であった。
レースはモンドクラッセが逃げ、次いでアスカノロマン、コパノリッキーが続く展開。地方勢が半数を占める地方のダートグレードでは地力の差から自然と縦長の隊列となって中団につけられるが、こと中央においてはそうもいかず最後方につける。レースは中盤に速いラップが混ざって先行勢には厳しい展開となり、サウンドトゥルーは直線に入って最内から外へと持ち出され脚を伸ばす。2番手から先頭に立つモンドクラッセに中団から並びかけてきたアウォーディー、そこに大外からサウンドトゥルーが豪快に突っ込み、アウォーディーをクビ差差し切ってゴール。ダートGI2勝目は剛脚一閃。上がり3F35秒8はレースの上がりと比べ1秒9速かった。
その後東京大賞典に出走。アウォーディーに次ぐ2番人気に支持されたが、好位3番手からアウォーディーを競り落としたアポロケンタッキーに及ばず2着となった。
明け7歳となり川崎記念から始動。前年ダート重賞を3勝した4歳馬ケイティブレイブを抑えて1番人気に支持されたが、ここでは徐々にポジションを上げて上がり最速の脚を繰り出したものの、逃げるオールブラッシュが終始ペースを握って同じ上がりの脚を使ってしまいドモナラズ。3馬身差の2着となる。
大野騎乗停止で柴田善臣に乗り替わったフェブラリーSでは流石にマイルは短い為か7番人気となり、レースでは後方から脚を伸ばすがゴールドドリームやカフジテイクの脚色が良く、0.6秒差の8着。続く帝王賞ではいつも通り中団から進めるが、この日限り追い込みにスタイルチェンジしたケイティブレイブが凄まじい伸び脚を見せ、サウンドトゥルーも伸びてはいたのだが前目の2頭には届かず4着に敗れた。
秋は最早お馴染み日本テレビ盃から始動。ケイティブレイブにモーニン、アポロケンタッキーと本馬の中央馬4頭誰が勝ってもおかしくない状況で、サウンドトゥルーは3番人気。レースではサウンドトゥルーは向こう正面から進出して前の中央馬3頭を捕まえにかかり、直線で叩き合いになるがアポロケンタッキーが先に抜け出してサウンドトゥルーは2着。
そして3年連続となるJBCクラシックへ出走。2017年は大井で開催され、1番人気は最早腐れ縁なアウォーディー、続いてアポロケンタッキー、ケイティブレイブが続き、サウンドトゥルーは4番人気である。
重馬場となった大井競馬場。レースはオールブラッシュが展開を握り、サウンドトゥルーは10番手付近の中団につける。直線入口で大外に持ち出され、ケイティブレイブやミツバ、アウォーディーが内目で競り合う中サウンドトゥルーは外からケイティブレイブを交わし、最後は1馬身突き放してゴール。3年連続ダートGIを制し、ダートGI3勝目を飾った。
続くチャンピオンズカップでは最後方から上がり3位の脚で突っ込むも0.6秒差の11着と初めて2桁着順となり、次戦の東京大賞典では引退レースとなった同期のコパノリッキーが逃げてそのまま逃げ切って花道を飾ったが、サウンドトゥルーは中団後方から上がり最速の脚を使って2番手のケイティブレイブを差し切り2着に入線した。
8歳となり川崎記念から始動。2番人気に推されたがレースではケイティブレイブが逃げ切り勝ちを収める中中団後方からいつもの伸び脚無く5着に敗戦。短期免許で来日したフィリップ・ミナリクに乗り替わったフェブラリーステークスでは、前が飛ばして後方有利な展開となり、最後方から構えていたもののいつもの末脚は無くバテた馬を交わして8着。
それでも帝王賞では中団後方から徐々にスパートをかけると、早めに抜け出したゴールドドリーム、ケイティブレイブに迫る3着に入線。秋初戦の日本テレビ盃では大井の御神本訓史に乗り替わり、直線で脚を伸ばすも先に抜け出たケイティブレイブとアポロケンタッキーには及ばず3着となる。
初の中央開催となった京都でのJBCクラシックでは7番人気となり、最後方から直線で内を突いて5着に入った。
JBCクラシックから3日後の11月7日にJRA競走馬登録を抹消。南関東は船橋の佐藤裕太厩舎へ移籍。
早速船橋所属馬として東京大賞典へ出走。御神本訓史が新たに鞍上を務め、ゴールドドリーム、ケイティブレイブ、オメガパフュームの3強から大きく離れた4番人気となり、レースでは最後方から徐々に押し上げて直線では外から脚を伸ばして4着に入線する。
9歳となり2月に行われる大井最長距離重賞の金盃へ出走。単勝1.6倍の圧倒的人気となり、レースでは道中後方も向こう正面から押し上げ、逃げ粘るシュテルングランツを残り100mで競り落としゴール。南関東移籍後初勝利となった。因みに南関東競馬では現役を続けられるのは原則9歳までだが、A1クラス(南関東競馬における最上位クラスで、中央におけるオープン馬相当)に限り年内に1度でも5着以内に入れば現役を続けることが出来る。
しかしその後ダイオライト記念を1.5秒差の5着も続くブリリアントカップ、大井記念では人気となるも共に着外に敗れ、帝王賞では最後方からじりじり伸びて7着に入る。その後休養に入り、12月の勝島王冠ではモジアナフレイバー、ノンコノユメに続く3着に入る。
10歳となり報知オールスターカップから始動するもここでは0.5秒差の5着。続く金盃では前年の帝王賞で騎乗していた森泰斗を鞍上に迎えると2番人気に支持され、レースでは中団から向こう正面で進出すると直線入口ではもう先頭。それでも勢いは全く止まること無く2着に8馬身差をつけて圧勝。金盃連覇となる。
続くダイオライト記念では好位を追走し、4歳下の弟アナザートゥルースが逃げ切り勝ちを収める中3着に粘り込む。なお2着はウェスタールンドで複勝圏を騸馬が占めた。
その後ブリリアントカップと大井記念を連続で5着に入ると、秋初戦に選んだ伝統の長距離重賞、東京記念では道中中団から徐々に押し上げて直線入口先頭。金盃のリプレイさながらに2着に7馬身差をつけて南関東重賞3勝目となった。
その後JBCクラシックへ出走するが中団からさほど伸びなく9着。名古屋へ遠征し2500mの名古屋グランプリへ出走。中団後方から立ち回ったものの好位から早め先頭に立ったマスターフェンサーの1秒差の4着となった。
11歳となり報知オールスターカップから始動。本田正重に乗り替わり、道中中団から早めに上がって脚を伸ばし3着に入り、3連覇をかけての臨んだ金盃では中団から昨年同様早めに上がったが、同様の戦法をとったマンガンが9馬身差の圧勝を収め、サウンドトゥルーは3着となった。
その後調教中に骨折を起こし、復帰を断念し引退。
引退後は生まれ故郷である岡田スタッドで功老馬として過ごす。現在YouTubeにおいて引退したサウンドトゥルーを映した「馬産地ひだかの馬房から」というチャンネルがあるので気になる方は検索されたし。
*フレンチデピュティ 1992 栗毛 |
Deputy Minister 1979 黒鹿毛 |
Vice Regent | Northern Dancer |
Victoria Regina | |||
Mint Copy | Bunty's Flight | ||
Shakney | |||
Mitterand 1981 鹿毛 |
Hold Your Peace | Speak John | |
Blue Moon | |||
Laredo Lass | Bold Ruler | ||
Fortunate Isle | |||
キョウエイトルース 1997 栗毛 FNo.22-b |
フジキセキ 1992 青鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ミルレーサー | Le Fabuleux | ||
Marston's Mill | |||
キョウエイヨシノ 1990 鹿毛 |
*プラウドデボネア | Lyphard | |
Proud Delta | |||
キョウエイミート | *クラウンドプリンス | ||
*キョウエイオリーブ | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 4×5(9.38%)
なおキョウエイトルースは2021年現在12頭の産駒を残しうち9頭が牡馬だが、更にそのうち6頭が去勢されている。
サウンドトゥルー引退後に行われた岡田牧雄インタビュー:こちらから(外部リンクのWEB魚拓)
掲示板
7 ななしのよっしん
2022/06/03(金) 23:01:00 ID: 8LAn0B6UT4
日本出身のせん馬で最もGⅠタイトル獲得数が多いのもサウンドトゥルー
8 ななし
2022/07/27(水) 22:13:10 ID: RI+rc8m5rZ
牝系で血を繋ぐのもサラブレッドの形の一つ
日本ダートで3歳引退種牡馬入り出来るほど成績あげるのは難しいから去勢も必然か
欧米だとダンジグ系牡馬が同じように筋肉固くなりやすくてクラシックで成績残せなきゃ去勢って聞いたな
9 ななしのよっしん
2022/09/26(月) 11:08:57 ID: 3wkX9AcTx9
キョウエイトルース産駒、騸馬6頭、牡馬3頭、牝馬3頭と尋常ではないが謎にバランスが良い
提供: おにかさご
提供: wad
提供: hoge
提供: 樹葉 緑
提供: しつね
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/31(月) 01:00
最終更新:2025/03/31(月) 01:00
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