サタンクロスとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。
CV:中村秀利(サムソン・ティーチャー)、掛川裕彦(寄生虫サタンクロス)
キン肉星王位争奪編において、キン肉マンスーパー・フェニックス率いる知性チーム(フェニックス・チーム)のメンバーとして登場した西洋忍者の超人。一回戦では出場せず、二回戦からチームの先鋒として定着する。口癖は「ケケケ」。
サムソンという超人に知性の神がよこした寄生虫サタンクロスが合体した二身一体の超人。初登場時は奇生虫サタンクロスと似たような風貌のオーバーボディを身に着けていた。超人レスラーとしての実力は非常に高く、アシュラマンの代表的な必殺技の考案者でもある。強化のために忍術を修行するなど、研鑽を怠らない努力家の超人。テレビアニメでは、「二階の人」というキャッチコピーが付けられていた。
腕4本、足4本というインパクトのあるデザインだが、構造が複雑で、細かいパーツも多いため作画を担当する中井義則は積極的に描きたくない超人であると語っている。また、テレビアニメでのアシュラマン戦が全カットされたが、一部では腕6本vs腕4本足4本という構図が書きづらいからと言われている。
本体となるのはサムソンという超人で、「サムソン・ティーチャー」と呼ばれる。これは「サムソン先生」という意味で言われたのか、それとも職業が元になった姓であるのかは不明。
四本の腕を持つ悪魔超人であるが、愛や優しさといった感情を持つ人格者……と言えるのは我々地上の人間目線であって、魔界の住人としては危険思想を持つやばい人物のはずである。だが本人は情愛の無い一般的な悪魔たちを見て「ここの人たちはどうなっているんだ?」と不思議がっていたので、彼が生まれ育った地域は魔界の中において珍しく愛や優しさを持つ超人たちが集まった場所であるらしい。恐らくそこで後に使われる忍者殺法を学んだのであろうが、よそから攻め滅ぼされないのだろうか……。
この危険人物を魔界の王子の家庭教師として招いたアシュラマンの父親も相当な度量の持ち主で、恐らく「腕が立つのならばどんな人物であっても構わん」という方針だったのだろう。たとえそれが友情という危険思想の持ち主であっても。そして、その魔界王の寛大な人選が、幼いアシュラマンに大きな影響を及ぼしていくことになる。最終的にそれは三属性不可侵条約という歴史的和解を生み出す英断だったのだろうか、それとも孫シバの悲劇を招いてしまう遠因だったのだろうか……。
魔界の王子アシュラマンの家庭教師となったサムソンは、幼い王子を厳しくも温かく育て上げながらも、時折見せる他者への姿勢で優しさについて影響を与えていく。そして滝壺に飲まれかけたアシュラマンを救うためにその身を投げ出し、アシュラマンを見事救出するものの自身は川に流されていってしまう。その時、最後の最後まで訴え続けた言葉は、アシュラマンの中にも優しい心が宿っていることであった。
このアシュラマン幼少期の修業時代に阿修羅バスターの練習をさせている場面があり、阿修羅バスターはキン肉バスターを見て改良したのではなく先祖伝来の技だったらしいことが分かる。キン肉バスターの方もプリンス・カメハメより前にキン肉タツノリが使用しており、キン肉族のキン肉バスターと魔界王族の阿修羅バスターは大変古くから鎬を削っていた様子である。(一番最初にキン肉バスターを使ったキン肉族先祖から、一番最初に模倣して阿修羅バスターを使った魔界王族の先祖については「キン肉バスターからパクった」と言えるだろうか……)
また、自身の使う忍者殺法はアシュラマンには伝えておらず、あくまで魔界の王族に伝わる伝統の戦闘技術を教える家庭教師に徹したのだろう。こういうところでも義理堅い一面が垣間見える。
アシュラマンを救ったサムソンだったが、激流に流される間に岩肌に叩き付けられ、最後は滝壺に落下して、両足を失う重傷を負ってしまう。そこに知性の神が現れ、寄生虫サタンクロスを与えて両足の代わりとさせ、その借りをいつか返すよう約束をして去って行く。つまり悪魔なのに約束を守って戦ってくれると神から見込まれたのである。どう考えてもこの男は魔界の住人としておかしい。
当初は小さな芋虫に人間の顔が付いている姿だったが、サムソンの破壊された下半身に侵入し、それを養分として育ち、腹にサタンクロスの顔が浮かび、足は四本の異形の姿となっていく。成長後には分離も可能であり、その際には本来サムソンのものであった腕二本を奪って分離し、両者が腕二本・足二本の状態となる。なお、本体と奇生虫の部分は分離が可能になっており、シングルマッチにもかかわらず2vs1の状況を作り出せるという強みがある。傷口の部分から侵入してサムソンと強制的に合体することもでき、精神を操ることすら可能。
自身も固有の意識と知性を持ち、正統派のサムソンとは違い卑劣な戦法も辞さず、普段大人しいミートですら怒りのあまりリングに乱入するほどの悪辣な性格である。知性の神に従う事を第一としてサムソンを戦いに誘導する。
かくして下半身を再生したサムソンは四本の腕・四本の足を持つ半人半馬の超人となり、鎧兜のコスチュームに装いを変え、サタンクロスのリングネームで各地の賞金付きマッチに出場、忍者殺法を活かして活躍する。
活動の時期は、アシュラマンが王位編で「新手の賞金稼ぎサタンクロスの噂は聞いたことがあったが」と発言していることから、かなり近年になってからの事だと思われる。そのもっと前(アシュラマン幼少期で怪我を治してすぐ)から活動していたらこいつが悪魔騎士に選ばれて正義超人が負けていた可能性がある。アシュラマンの年齢から見て10年くらい隠棲の時期があったはずで、理由は不明だがそのために正義超人は命拾いしたのだろうか。
4本の腕に付けているブレスレットは外すと「ミラクルシーツ」と呼ばれる巨大なシートに変化し、それぞれが忍者殺法を繰り出すための忍術アイテムとなっている。ザ・ニンジャの転所自在の術のようにシーツに描かれた絵の世界にリング上を変え、相手を引き込むことができる。
そして知性の神が乗り移ったキン肉マンスーパー・フェニックスがキン肉星王位争奪サバイバル・マッチに出場すると、その配下として参戦。準決勝の超人血盟軍戦でその姿を現し、先鋒として出場。日本と西洋の忍者対決となったザ・ニンジャとの対戦では、日本忍者の誇りを胸に命がけで戦うニンジャをことごとく上回り、最後はトライアングル・ドリーマーでニンジャを惨殺し、勝利すると、かつての教え子であったアシュラマンとの対決となる。ここでも師匠である強みもあってアシュラマンの技のほとんどを攻略し、追い詰めたアシュラマンを忍法魔界沼によって魔界のプリンスに戻そうとする。しかし、友情パワーに目覚めたアシュラマンの阿修羅∞(無限大)パワー稲綱落としを受けて両者ノックアウトの引き分けに終わる。
決勝戦では先鋒として出てきたキン肉マンと対決。リングに衝撃を与えるとディフェンド・スーツが飛び出し、相手の技をカットしてくれる「魔方陣リング装着デスマッチ」という奇天烈なリングをフェニックスが用意しており、サムソンもこの防具はあまり承服してはいなかった様子。序盤は先にディフェンド・スーツを装着することでキン肉マンに対して優位に試合を進めるが、登場したアシュラマンのサポートもあってキン肉マンもディフェンド・スーツを全て身に着けると、試合は一進一退の展開となる。
アシュラマン戦では悪役ムーブを演じていたが結局その一戦だけであっさり正義の本性を現し、キン肉マンとの正々堂々の勝負を望んだり、アシュラマンに外道呼ばわりされて落ち込んだり、魔界沼に呑まれかけたミート君を救出する男気を見せる。
キン肉マンの放ったマジック・スクエアによって合体を阻止されるが、寄生虫サタンクロスはサムソンの首元にできたわずかな傷から融合・合体を果たす。この状態でキン肉マンに襲いかかるが、初披露となった完璧マッスル・スパークを受けて倒される。しかしその損傷はサムソンの五体を傷つけず、寄生虫サタンクロスの頭部だけを破壊するという形で行われる慈悲に溢れた決着の付け方であった。フェニックス戦じゃなくてこれが最初の完成じゃないですかシルバーマン。やっぱり相手の五体を破壊して戦闘不能に追い込まなきゃ駄目ですか。
こうしてキン肉マンやアシュラマンとの和解を果たし、寄生虫サタンクロスの支配も逃れたサムソンだったが、完璧超人始祖編ではジャスティスマンが魔界に侵攻してきた時にも姿を見せなかった。
寄生虫サタンクロスが死んだために再び両足を失い引退状態かとも思われたのだが、調和の神らが地球に攻め寄せてくると、ソ連(現リトアニア)の「十字架の丘」に現れて超神との対決姿勢を顕わにする。その姿は寄生虫サタンクロスまで復活し、かつての人馬状態に戻っていた。リングシューズを履いた人間型の足なのに馬の蹄のような足音をさせている。
“安寧の神”ザ・ナチュラルと対戦。
多腕・多脚を活かした様々な攻撃を繰り出し、観戦するキン肉アタルからは「並の超人ならこれで決まりだ」、ザ・ナチュラルからも「我の予想を超えた技を矢継ぎ早に仕掛けてくるのはたいしたもの」と賞賛される戦いぶりを見せるが、ザ・ナチュラルはそれをも上回る腕力・耐久力に安寧の精神をもって対応。ナチュラルチョークスラムを受けてダウンしてしまう。
「忍法魔界沼」で反撃に出て、まずザ・ナチュラルの足場を奪い、「ロデオダンスストンピング」で踏みつけ魔界沼に沈めようとするが「ナチュラルフェイスニーシールド」によって脱出されてしまう。そこから猛攻を受けるが、ブリッジで跳ね返して昇技トライアングル・ドリーマーの態勢に捉える。しかし凄まじい力で脱出され、ザ・ナチュラルの必殺技「ナチュラルボーンクラッシュ」で寄生虫が倒されてしまう。
寄生虫が消滅した後、サムソンは寄生虫に貸し与える形となっていた下側の両腕を再生し、腹部の空洞も埋まり、さらに寄生虫が消滅しても両足は回復したままで、完全な健康体へと復活する。そして一人の超人サムソンとしてあらためてザ・ナチュラルに挑み、一進一退の攻防を繰り広げるが、必殺技「魔界稲綱落とし」はナチュラルショルダークッションに防がれてしまう。ザ・ナチュラルもサムソンの奮戦を好意的に捉えてくれるが、サムソンは高齢ゆえか息が切れ始めてくる。
そんな時に、試合場にアシュラマンが駆けつけてきた。アシュラマンはなぜ無断で魔界を出て戦っているのか詰問するが、サムソンはそれを一度は知性チームに所属したことへのみそぎとして位置付け、報告しなかった事は詫びつつも優しいアシュラマンは戦いに出る事を許すはずは無いからと返答。やはりこの男の発想の立脚点は通常の悪魔とはかけ離れたところにある。
そしてザ・ナチュラルとの戦闘を再開。竜巻地獄で打ち上げてからのバスター技「クアドラプルバスター」で勝負に出るが、ザ・ナチュラルは左胸のフェイスシールドを刃のようにして相打ちに持ち込み、これで重傷を負ってしまう。そのままナチュラルボーンクラッシュに捉えられてしまい、超神の強さを完全だと讃えつつも「不完全ゆえに超人は進化する」と告げ、後にアシュラマンが自分の仇を討ってくれる事を期待する言葉を残して倒れた。
試合後に自身が用意してきた十字架に磔にされてしまい、ザ・ナチュラルとの戦いはアシュラマンへの最後の授業として戦いぶりを見せるためだった旨を言い残し、息を引き取る。その最期はアシュラマンの闘志を燃え上がらせた。
超人強度4100万パワーは悪魔将軍を含む他の悪魔超人に倍以上の大差をつけてのぶっちぎりで悪魔超人最強。あまりにも高すぎるので、サムソンと寄生虫サタンクロスの合算ではないかと考えられる事もある。
サムソン600万+寄生虫3500万とか。
さんざん物議をかもしたキン肉マンシリーズ随一の奇想天外マッチ「魔方陣リング装着デスマッチ」だが、これの元ネタはタイガーマスク(漫画版)で同様にリングが区分けされ、衝撃を与えると凶器が出てくるという試合方法。(アニメ版のタイガーマスクではこの試合は出てこない)
そこに当時人気の鎧もの(聖闘士星矢とか)の要素と、当時流行のファミコンの要素を足してわけのわからん代物ができあがったというわけである。
出現するディフェンド・スーツは「シングルマッチでしか作動せず、ツープラトン技に対しては無防備」という絶対サタンクロスが勝つように作られたとしか思えん代物。しかもその性能には両者で違いがあり、サタンクロスの着用するものは「着用者が意識していなくても勝手に守ってくれる」、キン肉マンの着用するものは「技を守るという意識があって初めて動作する」と反対の特性を持っており、これもキン肉マン側に隙を作るためとしか思えない。この時期のフェニックスは卑劣すぎる。
掲示板
34 ななしのよっしん
2022/03/01(火) 19:16:52 ID: 50bco3pNsU
この人って悪魔超人のカテゴリーになるのかな?
そこの所よくわからないんだけど
35 ななしのよっしん
2024/08/23(金) 21:59:31 ID: xHaberrAyU
悪魔の中では危険分子のサムソンを息子の家庭教師に付ける親父も結構度量が広いてあるけど、アシュラマンの両親もなんか仲が良いんだよなぁ
正義に目覚めたアシュラマンみて、最初は憤慨してたけどこんな奴一族の面汚しだ、勘当だ!とも言わず、嫁に見守りましょうとか言われたら、ウムとか言って承諾してたし
36 ななしのよっしん
2025/01/27(月) 10:43:58 ID: oOOTmGbZns
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最終更新:2025/03/27(木) 10:00
最終更新:2025/03/27(木) 09:00
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