フランス語とは、西欧言語のひとつである。
フランス語 |
|
総話者数 | 4億1000万人(第二公用語含む) |
話者数の順位 | 5-6(第二公用語含む) |
言語系統 | インド・ヨーロッパ語族 イタリック語派 ロマンス語群 |
通用地域 | ヨーロッパ、カナダ(ケベック州)、アフリカ北西部、太平洋・インド洋の一部地域など |
欧州における公用語採用国 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
言語コード | |
ISO 639-1 | fr |
ラテン語から分化したロマンス語群の言語で、フランスを中心に、西ヨーロッパやカナダのケベック州、アフリカやアジア、島嶼の一部などで話されている。
「語尾の子音字は(大部分は)読まれない」など、慣れるまでは一見した字面から発音が想像しにくい。しかし例外は英語よりも少なく、規則をなんとなく覚えてしまえば、それが当たり前になる。
A a ア |
B b ベ |
C c セ |
D d デ |
||
E e ゥ |
F f エフ |
G g ジェ |
H h アシュ |
||
I i イ |
J j ジィ |
K k カ |
L l エル |
M m エム |
N n エヌ |
O o オ |
P p ペ |
Q q キュ |
R r エール |
S s エス |
T t テ |
U u ユ |
V v ヴェ |
W w ドゥブルヴェ |
X x イクス |
||
Y y イグレック |
Z z ゼッドゥ |
ドゥブルヴェの「ヴェ」とはvのこと。ドゥブルは英語で言うダブルの意。よって解釈は「vふたつ」となる。
ちなみに英語のダブリューはダブルユー。uふたつである。
イグレックは「イ・グレック("i" grec)」で、「ギリシャ語のi(アイ)」の意。ギリシャ語由来の単語でのΥ(ユプシロン)に対応する。
母音字 | ||
---|---|---|
綴り | 発音 | 単語例 |
a, à, â | [a]/[ɑ] | pas(パ), là(ラ), pâte(パート) |
e | [-] | samedi(サムディ) |
[ə] | petit(プティ) | |
[ɛ]/[e] | avec(アヴェク), merci(メルスィ) | |
è, é, ê | [ɛ]/[e] | très(トレ), été(エテ), être(エートル) |
i, î, y ※1 | [i] | ici(イスィ), île(イル), stylo(スティロ) |
o, ô | [ɔ]/[o] | homme(オム), tôt(トー) |
u, û | [y] | début(デビュ), sûr(スュール) |
ai, ei | [ɛ] | maison(メゾン), neige(ネージュ) |
œu, eu | [œ]※2/[ø] | fleur(フルール), bleu(ブルー) |
au, eau | [o] | sauce(ソース), beau(ボ) |
ou | [u] | nous(ヌ), vous(ヴ) |
oi | [wa] | toi(トワ), trois(トロワ) |
※1…iは母音の前では半母音の[j]の発音になる
※2…カタカナで表現するなら「ウ」と「ア」の中間くらいの音である
子音字 | ||
---|---|---|
綴り | 発音 | 単語例 |
b ※1 | [b] | beau(ボ), bleu(ブルー) |
[p] | absent(アプサン) | |
c ※2 | [k] | café(カフェ), copie(コピ), cuisine(キュイズィーヌ) |
[s] | merci(メルスィ), concert(コンセール), cycle(スィクル) | |
ç | ça(サ), français(フランセ) | |
d | [d] | deux(ドゥ), début(デビュ) |
f | [f] | fleur(フルール), buffet(ビュフェ) |
g ※3 | [ɡ] | garçon(ガルソン), guide(ギッド) |
[ʒ] | manger(マンジェ), gilet(ジレ), gymnase(ジムナーズ) | |
h | [-] | homme(オム), hôtel(オテル) |
j | [ʒ] | Japon(ジャポン) |
l ※4 | [l] | il(イル), elle(エル) |
m | [m] | moi(モワ), musique(ミュズィク) |
n | [n] | non(ノン), nous(ヌ) |
p | [p] | pain(パン), partir(パルティール) |
q, qu | [k] | cinq(サンク), qui(キ) |
r | [r] | rouge(ルージュ), bonjour(ボンジュール) |
s ※5 | [z] | poison(ポワゾン), maison(メゾン) |
[s] | salut(サリュ) | |
ss | poisson(ポワソン), aussi(オスィ) | |
t ※6 | [t] | tu(テュ), tout(トゥ) |
[s] | information(アンフォルマスィヨン) | |
v | [v] | vous(ヴ), voiture(ヴォワテュール) |
x | [ks]/[gz] | expliquer(エクスプリケ), exemple(エグザンプル) |
[s]/[z] | soixante(ソワサント), deuxième(ドゥズィエム) | |
z | [z] | onze(オンズ) |
ch | [ʃ] | chanson(シャンソン), chapeau(シャポー) |
ph | [f] | photo(フォト) |
th | [t] | thé(テ), thon(トン) |
gn | [ɲ] | montagne(モンターニュ), signe(スィーニュ) |
※1…通常は[b]の発音になるが、c, s, tなどの前に来たときは[p]の発音になる
※2…通常は[k]の発音になるが、e, i, yなどの前に来たときは[s]の発音になる
※3…通常は[g]の発音になるが、e, i, yなどの前に来たときは[ʒ]の発音になる。またguの2文字で[g]の発音になる
※4…il, illといった形になっているときは半母音を含む特殊な発音になることがある。詳細は下記
※5…通常は[s]の発音になるが、母音字に挟まれているときは濁って[z]の発音になることが多い
※6…通常は[t]の発音になるが、iの前では[s]の発音になることがある。
また、本来[t]で発音すべき場所でも、iやuの前では[tʃ](チ、チュに近い音)で発音される場合がある。但し個人差がある
母音字+n, m | ||
---|---|---|
綴り | 発音 | 単語例 |
an, am, en, em | [ɑ~] | France(フランス), ensemble(アンサンブル) |
in, im, yn, ym ain, aim, ein, eim |
[ɛ~] | vin(ヴァン), demain(ドゥマン) |
on, om | [ɔ~] | non(ノン), nombre(ノーンブル) |
un, um | [œ~] | un(アン), parfum(パルファン) |
ien | [ jɛ~] | bien(ビヤン), science(スィヤンス) |
oin | [ wɛ~] | loin(ロワン), point(ポワン) |
上の一覧を見て、「ˆ」や「`」など、英語では使われない記号がついている文字の存在に気が付いただろうか。これらは発音や同音異義語を識別するために付されるもので、以下のような種類がある。
ちなみに面倒だからといってこれらの記号を省略すると、まったく別の意味になってしまうことがあるので、面倒がらずちゃんと記号も書きましょう(ただし、大文字につくアクサン記号は省略しても良い)。
前述の通り、フランス語では語末にある子音字は発音しないことが多い。しかし、すぐ後ろに母音から始まる単語が置かれた場合、その母音と発音が連結して、語末の子音字を発音することがある。これを「リエゾン(liaison)」という。
後ろの単語の母音と発音が結合するのは、発音しない子音字だけではない。発音する子音字も同様に、後ろの単語の母音と発音が連結することがある。この場合は「アンシェヌマン(enchaînement)」という。
なお、je, me, te, ne, le, ce などの後に母音で始まる語が来ると、連結すると同時に母音字が省略されてj', m', t', n', l', c' のようになる。これを「エリズィヨン(élision)」という。
私は:je(ジュ) 君は:tu(テュ) 私たちは:nous(ヌ) あなたは/君たちは:vous(ヴ) ※英語でいうitにあたる単語もil・elleが兼ねる。フランス語では、それが人か物かではなく、男性名詞か女性名詞かで使い分けをする。 ※二人称単数の主語人称代名詞にはtu・vousのどちらも使える。tuは親しい間柄の者に対して用い、vousは丁寧な表現として用いる。 |
なお、フランス語の単語には英語とよく似たものが多く見られる…というか、歴史的に英語はフランス語の語彙を数多く借用してきたので、語彙が似るのは当然といえば当然なのだが。
名詞には「性」と「数」の別がある。特に性に関しては、英文法における性とは異なる部分が多いので戸惑う人も多いだろう。
名詞の性は、人間や動物を表す名詞の場合は、その人間や動物の自然上の性と文法上の性が一致することが多い。それ以外の名詞の場合は、名詞ごとに文法上の性が決められている。
例:
名詞にかかる冠詞・形容詞は、名詞と性数を一致させる。たとえば、女学生を表す名詞étudianteは女性名詞であり、かつ単数形であるので、それにかかる冠詞・形容詞も女性形・単数のものを使わなくてはならない。
例:
ただしこの例の場合、定冠詞le、laはエリズィヨンの規則により l' に変化するため、le étudiante と la étudiante はいずれも l'étudiante と書かれる。
上の例では、形容詞japonaiseが被修飾語である名詞étudianteの後ろに来ているが、これは間違いではない。英語では修飾語を被修飾語の前に置くのが普通だが、それとは対照的にフランス語は原則として後置修飾である。他の例を挙げると、モンブラン“le mont blanc”も元々はmont(山)+blanc(白い)=白い山という意味で、形容詞blancが名詞montを後ろから修飾しているのがわかる。
ただし例外もあり、日常的によく使われる短い形容詞をはじめとして、前置修飾をする場合もある。
例:un beau garçon(美少年:「美しい」という意味の形容詞beauが、「少年」という意味の名詞garçonを前から修飾している)
フランス語初学者を悩ませる最大の要素のひとつは、動詞の活用であろう。
英語の場合は、「三人称単数のときにsをつける、過去形のときはdをつける」といった単純なルールで、ほとんどの動詞に対応できる。
だがフランス語の場合はそうはいかない。まず、最も基本となる形の直説法現在ですら、主語の人称や数に合わせた形に変えなくてはならない。しかもその変化の法則は、規則変化の動詞だけでも複数通りある。時制に関しても、過去に関するものだけで「複合過去」「半過去」「大過去」「単純過去」「前過去」…などいろいろ。だが、これらを全部解説すると余裕で初級の範囲を越えるので、ここではあくまで概要的な説明にとどめる。
まず、英語のbe動詞にあたるêtreと、2通りの規則変化動詞に関して、直説法現在(いわゆる普通の現在形)の活用を紹介しよう。
一人称 単数 je |
二人称 単数 tu |
三人称 単数 il, elle |
一人称 複数 nous |
二人称 単数・複数 vous |
三人称 複数 ils, elles |
|
---|---|---|---|---|---|---|
être | je suis ジュスュイ |
tu es テュエ |
il est イレ |
nous sommes ヌソム |
vous êtes ヴゼト |
ils sont イルソン |
aimer 第一群 規則動詞 |
j'aime ジェーム |
tu aimes テュエーム |
il aime イレーム |
nous aimons ヌゼーモン |
vous aimez ヴゼーメ |
ils aiment イルゼーム |
finir 第二群 規則動詞 |
je finis ジュフィニ |
tu finis テュフィニ |
il finit イルフィニ |
nous finissons ヌフィニソン |
vous finissez ヴフィニセ |
ils finissent イルフィニス |
上の表で赤字で記されているのは活用語尾で、同じ群の規則動詞であればこの活用語尾をそのまま当てはめて活用させれば良い。また三人称の活用は男性形のil, ilsで代表させたが、女性形のelle, ellesでも動詞の活用はまったく同じである。
動詞は人称・数以外に、叙法や時制、態(受動態か能動態か)によっても活用し、形を変える。叙法には以下のような種類がある。
さらに、それぞれの叙法に対して時制がある。直説法で使われるのは、以下の時制である。
※なお、時制は単純時制と複合時制に分けられる。単純時制は動詞自体が活用し、複合時制は助動詞+動詞の過去分詞形の形になって助動詞が活用する。下の表で、同じ行にある時制同士は対応している。
単純時制 | 複合時制 |
---|---|
以上のような諸々の要素が絡み動詞の活用形が決まっていくのだ。めんどくせえ。
なお、フランス語の動詞も、英語と同じように目的語を取ることがある。目的語の位置は、通常は英語と同じで動詞の後ろ。ただし、目的語が人称代名詞の場合は動詞の前に来る。
例:
数詞には基数詞と序数詞がある。基数詞は普通にものを数えるときに使い、序数詞は「○番目の」という意味で使う。
基数詞 cardinal | 序数詞 ordinal | |
---|---|---|
0 | zéro ゼロ | |
1 | un アン | premier(première) プルミエ(プルミエール) |
2 | deux ドゥ | deuxième ドゥズィエム |
3 | trois トロワ | troisième トロワズィエム |
4 | quatre カトル | quatrième カトリエム |
5 | cinq サンク | cinquième サンキエム |
6 | six スィス | sixième スィズィエム |
7 | sept セット | septième セティエム |
8 | huit ユイ | huitième ユイティエム |
9 | neuf ヌフ | neuvième ヌヴィエム |
10 | dix ディス | dixième ディズィエム |
11 | onze オンズ | onzième オンズィエム |
12 | douze ドゥーズ | douzième ドゥズィエム |
13 | treize トレーズ | treizième トレズィエム |
14 | quatorze カトルズ | quatorzième カトルズィエム |
15 | quinze カーンズ | quinzième カンズィエム |
16 | seize セーズ | seizième セズィエム |
17 | dix-sept ディセット | dix-septième ディセティエム |
18 | dix-huit ディズュイ | dix-huitième ディズュイティエム |
19 | dix-neuf ディズヌフ | dix-neuvième ディズヌヴィエム |
20 | vingt ヴァン | vingtième ヴァンティエム |
21 | vingt et un ヴァンテアン | vingt et unième ヴァンテユニエム |
22 | vingt-deux ヴァンドゥ | vingt-deuxième ヴァンドゥズィエム |
30 | trente トラント | trentième トランティエム |
31 | trente et un トランテアン | trente et unième トランテユニエム |
32 | trente-deux トラントドゥ | trente-deuxième トラントドゥズィエム |
40 | quarante カラント | quarantième カランティエム |
41 | quarante et un カランテアン | quarante et unième カランテユニエム |
42 | quarante-deux カラントドゥ | quarante-deuxième カラントドゥズィエム |
50 | cinquante サンカント | cinquantième サンカンティエム |
51 | cinquante et un サンカンテアン | cinquante et unième サンカンテユニエム |
52 | cinquante-deux サンカントドゥ | cinquante-deuxième サンカントドゥズィエム |
60 | soixante ソワサント | soixantième ソワサンティエム |
61 | soixante et un ソワサンテアン | soixante et unième ソワサンテユニエム |
62 | soixante-deux ソワサントドゥ | soixante-deuxième ソワサントドゥズィエム |
70 | soixante-dix ソワサントディス | soixant-dixième ソワサントディズィエム |
71 | soixante et onze ソワサンテオンズ | soixante et onzième ソワサンテオンズィエム |
72 | soixante-douze ソワサントドゥーズ | soixante-douzième ソワサントドゥズィエム |
80 | quatre-vingts カトルヴァン | quatre-vingtième カトルヴァンティエム |
81 | quatre-vingt-un カトルヴァンアン | quatre-vingt-unième カトルヴァンユニエム |
82 | quatre-vingt-deux カトルヴァンドゥ | quatre-vingt-deuxième カトルヴァンドゥズィエム |
90 | quatre-vingt-dix カトルヴァンディス | quatre-vingt-dixième カトルヴァンディズィエム |
91 | quatre-vingt-onze カトルヴァンオンズ | quatre-vingt-onzième カトルヴァンオンズィエム |
92 | quatre-vingt-douze カトルヴァンドゥーズ | quatre-vingt-douzième カトルヴァンドゥズィエム |
100 | cent サン | centième サンティエム |
ちなみに、過去に石原慎太郎が「フランス語は数勘定できない言葉」という趣旨の発言をしたことがある。
都知事の言い分にも一理はある。たとえば「91」はフランス語で"quatre-vingt-onze"(カトル-ヴァン-オンズ)と言う。これは 「4掛ける20足す11」と解釈できる。また「71」は"soixante-et-onze"(ソワサンテ-オンズ)で「60足す11」となる。このような数の呼び方は、フランス語に慣れないものには奇異なものに映るし、「さぞかし算数が大変になるだろう」と思わず心配してしまうのも肯ける。が、それが当たり前 のフランス人にしてみたら余計なお世話であろう。(※このような数の数え方は遠くローマ時代の60進法の名残である。またスイスやカナダのケベック州など では70・80・90にそれぞれ別の単語を割り当てる)。
標準フランス語 | ベルギー・スイス・ケベック等 | |
70 | soixante-dix(ソワサント-ディス) | septante(セプタント) |
80 | quatre-vingts(カトル-ヴァン) | octante(オクタント)またはhuitante(ユイッタント) |
90 | quatre-vingt-dix(カトル-ヴァン-ディス) | nonante(ノナント) |
文化にもよるが、総じて「お洒落な言語」の代名詞的存在である。
「フランス語が喋れます」と言えばそれだけで何だか西洋じみていて格好いい。ただしイケメンに限る。
お菓子や飲み物、雑貨などの商品名・ブランド名によく使われる。
現在日本の多くの大学でフランス語が第二外国語として教えられている。
掲示板
164 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 14:41:38 ID: nZnGJtkcPr
記事内の総話者4億人って絶対盛ってるだろww
ポルトガル語やスペイン語の書き込みは動画サイトでもどのコンテンツでもよく見るけど、フランス語の書き込みなんてほぼ見ないぞ。まぁ話者数≠ネットユーザーだから単純な比較にはならないが。
165 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 17:35:19 ID: AR3npTYiFD
国連の話者統計がこのへん。絞り込み方が分からぬ
https://
Wikipediaだと第1言語話者が8000万、第₂言語話者が2億3000万の3億1000万
https://
ソースになっているのはこれ
https://
166 ななしのよっしん
2024/05/11(土) 21:34:00 ID: +sXmWLiWJO
提供: ゲスト ♫
提供: O3
提供: Pyun Pyun
提供: ゆんなの
提供: 香椎
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/15(土) 20:00
最終更新:2025/03/15(土) 20:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。