九州産馬とは、文字通り、九州で生産された競走馬のことである。
現在、日本で競走馬として生産される馬は全国でおよそ7800頭と言われている。この内の大多数は北海道で生産されており、その他には青森県などが時折言及される[1]程度になっている。では南国・九州に目を向けてみると、2023年度の生産頭数は88頭。つまり、九州の競走馬の生産頭数は全国の1パーセントほどということになる。
実はもともと、九州は馬産が盛んな地域であり、特に南九州地方では多くの馬が生産されていた。しかし太平洋戦争後に馬産の中心地が大規模な生産牧場を維持していた北海道に移ったことで、徐々に衰退の一途をたどっていくこととなった。
アングロアラブの生産も盛んであったが、これもアラブ系競走の廃止などから頭数を減らす一因になっている。
このため、現在では生産奨励を兼ねて、小倉競馬場や地方競馬の佐賀競馬場で九州産馬限定競走を行うほか、生産者も努力をして九州産馬のレベルを上げようと努力している。
参考までに、2023年の馬産の地域別の状況を書くが、やはり北海道・日高地域だけで全馬産の80%を占めている。残りのうち18%が胆振・十勝地域で、0.8%を青森県、1%を九州、ごく少数を宮城県及び関東地方で生産している。ちなみに頭数0とあるのは、生産者はいるが2023年に生まれた産駒が0という意味である(ただし秋田県はそもそも繁殖牝馬が0頭)。
ここで軽種馬と書いているが、これはサラブレッド・サラブレッド系種・アングロアラブ・アラブの全てを合計したものである(アングロアラブは2頭、サラブレッド系種は1頭しかいないので、ほぼサラブレッドしかいないが)。
地方 | 都道府県 | 頭数 | 地域 | 頭数 | 町 | 頭数 |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 北海道 | 7630 | 胆振 | 1366 | ||
日高 | 6239 | 平取町 | 170 | |||
日高町 | 1392 | |||||
新冠町 | 1284 | |||||
新ひだか町 | 1934 | |||||
浦河町 | 1366 | |||||
えりも町 | 17 | |||||
様似町 | 76 | |||||
十勝 | 25 | |||||
東北 | 青森 | 65 | ||||
秋田 | 0 | |||||
宮城 | 1 | |||||
関東 | 群馬 | 0 | ||||
栃木 | 9 | |||||
茨城 | 5 | |||||
千葉 | 0 | |||||
九州 | 熊本 | 31 | ||||
宮崎 | 19 | |||||
鹿児島 | 38 |
この他、夏の小倉競馬場では九州産馬限定の新馬戦や未勝利戦が行われている。
佐賀競馬場で開催されている2競走は、元々は小倉競馬場で開催されていた中央競馬の条件戦だった。たんぽぽ賞は500万下(現・1勝クラス)、霧島賞は900万下(現・2勝クラス)だったが、1997年から九州地方競馬3場(荒尾・中津・佐賀)の持ち回り開催となり、中津競馬が廃止された2001年から荒尾開催、荒尾競馬が廃止された2012年から佐賀開催となっている。現在どちらも重賞として開催されているが、かつて中央競馬の条件戦だった名残でたんぽぽ賞は1勝クラス以下、霧島賞は2勝クラス以下の中央所属馬も出走可能となっている。
なお、ひまわり賞のトライアル競走としてひまわり賞チャレンジカップ、たんぽぽ賞のトライアル競走としてノカイドウ特別・ミヤマキリシマ特別、霧島賞のトライアル競走としてえびの特別・大隅特別が開催されている。
なお、北海道が中心になったことで圧迫されていったのはその他の馬産地も同じであり、かつては船橋競馬において「千葉・茨城県産馬限定」が行われていた他、JRAでもヨカヨカの活躍と機を同じくして東北産馬限定競走の実施の検討が話題に上がったことがある。
いきなり、元も子もないようなことを書いているが、これもちゃんと理由がある。
そもそも、九州も馬産地なので、種牡馬はいないことはない。だが頭数が少なく、2023年現在九州にいる種牡馬は以下のとおりである(カッコ内は現在の所在地)。
※このほか、アングロアラブでモンティ・ファルハーンニセイがいる
このうち、ケープブランコ、スクワートルスクワート、ネロは日本軽種馬協会(JBBA)の所有する種牡馬であり、いつ移動するかわからないというリスクもある。それ以外の種牡馬は個人牧場所有のため、おいそれと種付けをするのも難しい。
そのため、牧場で所有する繁殖牝馬を北海道に移動し、種付けしてから九州に戻して生産する……という方法をとる牧場がある。これを多用しているのが竹園正継氏が所有するテイエム牧場である。竹園氏はテイエムオペラオーやテイエムサンデーなど自身が所有する種牡馬を種付けして成功させようとしていたため、このような手法をとっていたと思われる。
北海道の種牡馬を種付けすること自体は九州産馬のレベルアップにつながるが、それだけだとどうしても頭打ちになってしまう。そこで、繁殖牝馬の積極的な入れ替えも同時に行うことで九州産馬のレベルアップを図る生産者もいる。
この手法でレベルアップに取り組んでいるのが、本田牧場の本田土寿氏やストームファームコーポレーションの村山光弘氏である。この2人が生産し、2020年の阪神ジュベナイルフィリーズにも出走した、ヨカヨカ(本田牧場)とルクシオン(ストームファーム)はともに北海道から導入した繁殖牝馬から生産された競走馬である。
ちなみに、ルクシオンの父はエイシンフラッシュだが、これは北海道に移動させて北海道で種付けをした……わけではない。確かにストームファームは北海道にも拠点があるが、そこにいたわけではなく、ルクシオンの母であるヘヴンリーヴォイスを村山氏がジェイエス繁殖馬セールで購入し、その際に受胎していたエイシンフラッシュの子供がルクシオンである。
この方法はどうしても(主に繁殖牝馬の入れ替えに)資金と時間はかかるものの、確実なレベルアップが見込める。現在も徐々にではあるが結果が出てきている。
掲示板
6 ななしのよっしん
2023/04/25(火) 15:29:44 ID: ZD1u1Nd4dX
漫画の話だけどマキバオーに登場するベアナックルも九州産馬とか…え?あいつは馬じゃないって?
7 ななしのよっしん
2023/08/25(金) 08:49:36 ID: f5LSHDD5qK
ひまわり賞3連闘問題
小倉の3週目にひまわり賞があるもんだから3連闘で来る馬が10頭もいることに
1勝クラスにしてでも冬小倉の開催に設定できたらいいのにと思う
8 ななしのよっしん
2024/04/13(土) 16:02:41 ID: kBBk7+yX7q
イロゴトシ中山グランドジャンプ連覇
障害馬で中山得意なのは素晴らしいね
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最終更新:2025/04/27(日) 08:00
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