あかり(第21号科学衛星ASTRO-F またはIRIS:InfraRed Imaging Surveyor)とは、日本の赤外線天文衛星。
日本単独としては初の本格的な赤外線天文衛星で、ISAS:宇宙科学研究所(現 JAXA:宇宙航空研究開発機構の宇宙科学研究所(宇宙科学研究本部))が開発を行い、2006年2月22日にM-Vロケット8号機によって打ち上げられた。2011年11月24日運用終了。
あかりという愛称は軌道投入成功後名付けられた。宇宙の塵で隠されている部分を赤外線によって見通すこととその語感が重なるという理由からであったが、チームは、宇宙の謎の解明に大きな貢献をし、その努力が未来を照らす「あかり」になればとの思いも込めたつもりだったようである。
愛称の候補は他にあかつき、ひとみ、みらい、こたつなどがあった。(赤外線から連想したと思われる)。
「あかり」の記事に記載されている同名の人物や、まして某百合アニメに登場する影の薄い子などとの関連性は恐らく無いだろう。
全長3.7m、重さ950kg。地球の昼夜の境界上空700kmの極軌道(太陽周期軌道)を周回しており、大気や太陽光の影響を受けずに一定の条件で観測を行うことができる。
あかりは宇宙の狭い範囲を拡大して天体を観測する宇宙望遠鏡としての機能を持っている。しかし、主な目的は地球軌道上から全天をくまなく観測(掃天観測) し、宇宙のどこにどのような赤外線発生源(星や銀河)があるかを観測して、詳細な天体のカタログを作成することである。宇宙全体を「あかり」というスキャナーを使って画像として取り込むというようなものだとイメージしてもらうと良い。
口径68.5cmの反射望遠鏡と、2つの観測機器(遠赤外線サーベイヤー、近・中間赤外線カメラ)を搭載している。望遠鏡の主鏡は軽く頑丈なシリコンカーバイト(炭化珪素,SiC)製で表面には赤外線反射率を向上させるため純金のコーティングが施されている。これら望遠鏡と観測機器は液体ヘリウムによって 常に-270℃まで冷やされている。これは観測に邪魔な望遠鏡自体の熱輻射を抑えるためである。
また、搭載された2つの観測機器は様々な波長の赤外線を観測できる。赤外線は波長によって観測に邪魔な星間物質を透かして星雲の向こう側の恒星や銀河を観 測したり、直接星間物質や塵の雲を観測することもできるため、可視光では見えなかった銀河や宇宙の姿や謎を探ることができる。
2008年11月19日に観測成果となる天体カタログが発表された。1987年にアメリカ、イギリス、オランダが共同で打ち上げた赤外線天文衛星IRASのものと比べると3倍近い情報を含んでおり、今後の天文学の基礎資料となることが期待されている。
残念ながら、2011年5月に発生した電力異常により、通信や姿勢制御に大幅な制約が発生し、継続的な科学観測は難しいと判断され、観測運用終了が宣言された。その後安全な運用終了を目指し姿勢制御などを行い、同年11月24日に停波作業を実施、運用を終了した。
しかしながら、同年8月に未知の赤外線放射を観測したことを発表するなど、観測データから新しい発見がある可能性もある。お楽しみは、まだまだこれからである。
まさかの公式擬人化!である。宇宙科学研究所一般公開時に配布された冊子は、一部の間で公式の薄い本と呼称される。ちなみに、展示パネルと冊子で微妙にデザインが違うので、二次創作時には注意しよう!
従来の公式にされた衛星・探査機の擬人化は、あくまで、マスコットキャラクターであり、非公式に有志が描いた物として、はやぶさを女の子として描いた絵が送られ運用室の通路に張られたことや、現代萌衛星図鑑の作者が描いたかぐやの絵が筑波宇宙センターの一般公開時に説明パネルに使用されることはあったものの、いわゆる萌え系のような少女として描かれた物は存在しなかった。(はず)
現在、薄い本は、宇宙研相模原キャンパスの展示室のほか、宇宙研のサイトで見ることが出来る。また、2012年の一般公開では続編が配布された。(漫画は2007年8月、遠赤外線サーベイヤーの液体ヘリウムを使い切ったところで終わっているので、更なる続編の可能性もある)
あかりを搭載したM-Vロケット8号機の打ち上げは昼夜境界線の軌道に打ち上げるため、未明に行われた。そのため、ロケットの炎が暗い空と雲に映えて非常に美しい。MADの素材として使われることもある。
※以下の動画は森の妖精ネタを含みます。
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最終更新:2025/12/12(金) 17:00
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