星降る石畳を踏んで君はゆく。
1歩半だけ先を、怒ったように忙しなく。もろびとこぞる市場の中を、
その細い脚で縫うように淀みなく、
騒ぐ人波をかきわけて。店先は光で満ちて、
きらめく品々は眩しく鮮やかだ。
甘いホットチョコレートの湯気に、
シナモンの香りが乗って夜を温めている。この冬の日の喧騒の中で
その小さな肩を見失わずに済んでいるのは、
間違いなく君自身のおかげだった。「何してんの、はぐれないでよ」
振り向いて、ぶっきらぼうに君は言う。
頷き返すと、すぐに前を向いてしまう。
ただ1歩半だけ先を、
それ以上決して引き離さないように、
細心の注意を払いながら君はゆく。時折、ちらちらと振り返る視線に、
気づかないふりをして後を追う。
気づいたことがわかったら、
その途端にこの聖なる1歩半が
ぐんと伸びて消えてしまうからだ。聖夜の月明りを受けて君はゆく。
1歩半だけ先を、誰よりも優しく慎重に。
「いじっぱりのマルクト」とは、詩である。
「いじっぱりのマルクト」は、ゲーム『ウマ娘 プリティダービー』に実装されているサポートカード。
なおサポートカードとはウマ娘の育成に関わる要素の1つであり、育成シナリオ内では育成ウマ娘の練習をサポートしてくれるキャラクター(大半はウマ娘だが、内外の関係者もいる)として登場する。
それぞれにテーマとなるキャラクターを元とした各種ステータス上昇ボーナスやランダム獲得スキル、ランダム発生イベントが設定されており、またそれぞれにイラストと、フレーバーテキストである「エピソード」が付属している。
そして2021年の年末に実装となった、ナリタタイシン(ウマ娘)初のレアリティSSRのサポートカードとなるのがこの「いじっぱりのマルクト」である。
イラストはクリスマスムード一色に染まった夜中の街路上で、ハーフコートのポケットに手を突っ込んで少し不機嫌そうに見上げてくるタイシンとなっている。かわいい。まあ不機嫌そうなのはいつもの事なので気にしないとしてというかむしろそれがいい、さりげなくイルカのペンダントをしているのも何気にポイント高い(キャラクターストーリー第6話参照)。
さて、今回問題となったのは冒頭で紹介したエピソードの方である。
このテキストの語り手はおそらく BUMP OF TAISHIN タイトレ(ナリタタイシン担当トレーナー)と思われるが、そこで語られるタイシンの無上の可憐さやいじらしさは勿論のこと、「もろびとこぞる市場」(なおマルクトは独語で市場の意)だの「この聖なる1歩半」だのという BUMP OF CHICKEN もかくやというようなエモ散らかしたリリックに全国のトレーナーたちが悶絶する事態が発生し、実装後に速攻で怪文書と認定されたのは言うまでもない。
このサポートカードの固有イベントシリーズは、同室で何かと甘えさせようとする世話になっているスーパークリーク(ウマ娘)に日頃の感謝を伝えようと、気性難なタイシンがあれこれ悩みつつ奮闘する……という内容。
そのせいか育成サポートは賢さメインとなっている(ちなみに固有ボーナスはスピード)。
固有イベントでヒントが得られるスキルはいずれも発動条件が緩めの持久力キープ系で、2つ目のイベントで中距離スキル「軽やかステップ」または長距離スキル「パス上手」のいずれかを、3つ目で追込レアスキル「眠れる獅子」が入手できる。
「いじっぱりのマルクト」イラストの商品化はよはよ(デジたん脳)。
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最終更新:2025/12/15(月) 22:00
最終更新:2025/12/15(月) 22:00
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