これはだめかもわからんねとは、先行きがもうない。本当に絶望的な状況に陥った時に用いられる言葉である。
語源は1985年(昭和60年)に発生した日航機墜落事故での機長が発した台詞。
ボーイング社の修理ミスによる後部圧力隔壁の破損から生じた、垂直尾翼による機体の安定性喪失と油圧系喪失による操舵の制御不能という最悪の状況下でも約30分の飛行を懸命に続けたが、離陸から約33分後の約18時45分ごろ (推定)、山が近づいた際に発せられたこの台詞がボイスレコーダに残っており、これが偏向的に報道されたことで有名な言葉となった。
その後18時50分には「がんばれがんばれ」と機長が副機長を励ます声も記録されているが、飛行機はこの後、18時56分ごろ高天原山に接触し墜落。4名が奇跡的に生存したが、他の乗客乗員は犠牲となった。詳細は日本航空JAL123便墜落事故の項目を参照。
自動車でどこかでこぼこした原野にでも行って※1
ハンドル、ブレーキ、カーナビを全て破壊して、アクセルだけを使い※2
途中にどんな障害物があろうとも時速100km以上を保ったまま
※3原野のどこかにある駐車場に※4
どんぴしゃで車庫入れを行って下さい※5
その際、大切な家族友人知人を呼んで、満員になるまで同乗させて下さい。※6
※1:尾翼破損により機体の安定性が失われ激しく揺れていました
※2:油圧系が全滅していた為エンジン以外の制御は不能なうえ、レーダーからも消えました
※3:航空機では失速=墜落です
※4:地上から見ると広大な空港も、上空数百~数千メートルから見ると小さな点でしかありません
※5:航空機の操縦でもっとも繊細な操作を求められます
※6:機長・副機長・航空機関士は乗員乗客計524名もの命を預かっていました(123便はほぼ満員状態でした)
どっからどう見ても絶望的ですね。
常人ならパニックに陥って、すぐに墜落してもおかしくない状況だったと思われますが、123便の操縦士3人は「これはだめかもわからんね」のような言葉を漏らしつつも、始終冷静に制御不能の機体の操縦を試み、エンジン制御のみで30分間もの間、機体姿勢を維持するという神業をやってのけました。事故後、日本航空がシミュレーターを使用して、この事故と同じ状況を作り出し、他のパイロットに操縦させたところ、5分で墜落したそうです。いかに123便の操縦士たちが、尽力したかがわかります。JAL123便は墜落時に山の斜面を滑り降りるように墜落したため、奇跡的に4名の生還者が出たのですが、これはパイロット達の必死の努力の賜物に他なりません。
類似的な言葉には逮捕寸前に書きこまれ、そのインパクトから名言のひとつとなった「もうだめぽ」があり、同じ軽い雰囲気で使用するものも居るが、語源の絶望感・悲壮度は相当乖離するもので、また、当事者に対する強い不当な悪意をもって使われた言葉でもあるため、安易に使うべき台詞ではありません。
「もうだめぽ」は、1人の男性が逮捕される直前にネット掲示板に書き込んだ言葉ですが、「これはだめかもわからんね」は自分含め500人以上の他人も死ぬかもしれない状況の中で機長が発した言葉です。
軽い内容で使用するネットユーザーはそもそもこの語源を知らない年齢層と思われ、これを機にこの言葉は軽いものではないことを認識してほしい。
なお、その他「どーんといこうや」という言葉などもボイスレコーダに記録されているが当然ながら山腹にどーんと墜落することを指しているのではなく、スロットルを空けろという意味であった、が当時はその意味を理解しない報道各社などに「山腹にどーん」という意味で扱われ機長・クルーやその家族に相当の非難が向けられたという。
この事故の3年前に、着陸中に機長が精神病を発症して異常操縦を行い多数の死傷者を出すという事故があったため(機長は心神喪失により不起訴)、この事故でもパイロットの異常操縦や操縦ミスを疑う指摘があり(実際は事故発生時点で操縦不能)、事実無根の激しい誹謗中傷がなされ、その中で「これはだめかもわからんね」の言葉も操縦の責任放棄であると悪意を持って解され、それがさかんに報じられたために有名となったのである。
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最終更新:2025/12/07(日) 06:00
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