それは一般に失敗と言いますありがとうございますとは、2023年2月17日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって行われた「H3ロケット試作機1号機に関する記者会見打ち上げの記者会見」において、共同通信社の鎮目記者が担当者に向けて放った捨て台詞である。
2023年2月17日、種子島宇宙センターにおいて新型主力機となるH3ロケットの試作1号機の打ち上げ作業が行われた。
しかし発射直前に異常を検知。その結果固体ロケットブースター(SRB)には点火されず、打ち上げは予定通りには実施されなかった。
これについてJAXAは打ち上げを中止と発表。記者会見がZoomにて行われたが、共同通信社より以下の質問があった。
それに対して、担当者は以下の趣旨の回答を行った。
しかしこの説明に納得がいかなかったらしく、記者は「わかりました。それは一般に失敗と言いますありがとうございました」と返して質問を終了した。
インターネット上ではさながら誘導尋問のような質問内容と横柄な記者の態度に対して批判が噴出。
確かにライブ配信では補助ブースター「SRB-3」が点火しなかったため中止になったとのとのアナウンスがあったが、その後、異常を検知してシステムがSRB-3への着火信号を送出しなかったことが判明している。
しかし、その段階を踏む前に共同通信はいち早く「打ち上げ失敗」と報じてしまったため辻褄合わせが必要になったのではないか、という憶測が流れている。真偽の程は定かではないが、誘導尋問のような質問をする理由としては確かに考えられる。実際、共同通信はその後もH3に対して「中止」という語を用いた報道を行っていない。
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https://twitter.com/kyodo_official/status/1626397032943583234
なお、NHKや朝日新聞などの他社はこの段階ではあくまで「打ち上がらず」と報道している。また、その後の報道ではJAXA発表通り「中止」と報じている。
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https://twitter.com/nhk_news/status/1626397527380758528
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https://twitter.com/asahi/status/1626399548292882433
また、今回着火しなかったSRBは固体燃料であり、一度着火するともう後戻りはできず燃え尽きるのを待つだけである。しかしなんらかの異常を検知したことで点火信号が送られることがなく、結果として異常がある機体を上空に放たずに済んだと考えられる。
このような異常が発生した際に安全な状況(今回で言えば「点火しない」こと)になるような設計はフェイルセーフといい、ロケットに限らず機械一般の設計思想において重要なものである。実際に記者会見でも「ロケットは問題があった際に常に安全に止まれるように設計している」と説明されている通り、今回はその設計が正しく機能したと言える事例であろう。
なお、SRBの前に点火したメインエンジンは液体燃料であるため、燃料の供給を停止すれば消火できる。
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ITmediaの記事にはやりとりの文字起こしが掲載されている。
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最終更新:2025/12/12(金) 22:00
最終更新:2025/12/12(金) 21:00
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