「それは仕様です」とは開き直りである。
オンラインサービスやソフトウェア製品などについてユーザーサポートに問い合わせをした際に、「それは仕様です。お客様からお問い合わせ頂いた件につきまして、弊社で仕様通りの動作であることを確認いたしました。」というような回答が送られてくる場合がある。
仕様とは「満たされているべき要件」のことであり、仕様が満たされているということは正常な稼働をしているということである。あるユーザーからみておかしな挙動にみえようとも、「仕様通り」に動いている限りそれは「正常」であり、企業側に対応の義務はないのだ。
つまり、「それは仕様です」をひらたく言えば、「予定通りの正常動作なので、あなたのクレームには対応しません(キリッ」ということである。
しかし、ユーザーに仕様書が公開されていないのをいいことに、明らかなバグを「それは仕様です」と言って押し通した無責任な企業やGM(ゲームマスター)が現れたために、ネット界隈などではしばしば「本当にバグであるにもかかわらず、その挙動を(後付けで)仕様と称して、自社で対応する責任から逃れようとしている」という意味で使われる。
アニメ製作に当たっては概ね3つのステップがある。まず原画を描き上げ、原画を元に専門のスタジオが描画・色塗りをし、それを動画にして問題がないかチェックし、最後にそれを放映できるように仕上げるという段階を踏む。
しかし元々取り決めなんてあってないようなものだったアニメ業界では仕様を定義する機会に恵まれず、従って製作先が作製したものが大変なことになっている場合もある。特に海外に発注された作品では色塗りなどのクオリティが低く、場合によっては完全に手を抜かれたインチキフィルムと化したものを突きつけられる場合さえある。
おしなべてテレビ業界では地位が低かったアニメ枠で、放映を「落とす」ということは打ち切りとほぼ同義であったため、例え客(視聴者)の要求案件を満たさなくとも「これが仕様なのだ」と割り切るしかなかったアニメもある。
最初に用いたのはマイクロソフトの有償ユーザーサポートだったと言われている[要出典]。アメリカ本国のユーザーサポートで、原文は"The behavior is by design."だったらしい。お金を払ってまで解決を求めた結果がこれではそのユーザーの怒りと憤りは想像に余りあるものだったに違いない。
皮肉なことに、この話が広まったことで、むしろ問題を指摘したユーザーを黙らせるために「それは仕様です」を使うユーザーサポート手法が普及してしまったようにも思える。
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最終更新:2025/12/15(月) 02:00
最終更新:2025/12/15(月) 01:00
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