「とんでもねえ奴と同じ時代にうまれちまったもんだぜ」とは、漫画『蒼天航路』の登場人物、劉備玄徳の台詞である。
その八十七「輝きがもたらすもの」でのワンシーン。
曹操の父・曹崇の護衛を買って出た徐州の牧・陶謙。しかし、陶謙の出した護衛は、泰山郡の山賊の奇襲から逃げ出し、曹崇を見殺しにしてしまう。
これを聞いた曹操は、亡き父の仇を討つため、青州軍を率いて徐州へ進軍。罪のない徐州の民を殺戮しながら、陶謙のもとへ向かう。
一方、公孫瓚の命令で陶謙の救援に行くことになった劉備。関羽、張飛と共に徐州へ向かった劉備が見たのは、川を塞き止める死体の山だった。
「これは曹操の仕業だ!この凄惨な光景のどこに王者の覇業があるというのだ!?」関羽は憤慨する。
その後、陶謙のいる彭城へ着いた劉備たち。陶謙の牧としての覚悟を確認し、護衛を誓った劉備は、その日の暮れ、大軍を率いる曹操の姿を目撃する。
「聞いていたより兵が増えている あれだけの殺戮をした相手からも兵を吸収しておるのではないか」関羽は分析する。
曹操が作り上げた、川を塞き止めるほどの死体の山。これは、徐州の強い日照りによる干ばつで苦しむ飢民を助ける為に作り上げたものだった。曹操は、飢えに苦しむ徐州の民全員を見殺しにするのではなく、大勢の犠牲の下に救える民を救っていた。
この進軍は父の仇討ちが目的ではなく、最初から曹操の天下統一の一端として行われたものだった。
劉備は、そんな曹操の圧倒的なカリスマを前にし、
とんでもねえ奴と 同じ時代にうまれちまったもんだぜ
と笑顔を浮かべながら感嘆するのだった。
ネットでは、常人には理解し難い性的嗜好を持つ者や、最低な発想を基にした超技術を駆使する者へのドン引き敬意を示す際に、この画像が使われることが多い。
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最終更新:2025/12/11(木) 04:00
最終更新:2025/12/11(木) 03:00
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