ウォースパイト(艦これ)とは (ウォースパイトとは) [単語記事]

「Battleship Warspite、出撃する！艦隊、Follow me!」

ウォースパイト（Warspite）とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん～艦これ～」に登場する艦娘である。モデルは大英帝国海軍に所属していたクイーン・エリザベス級戦艦2番艦『ウォースパイト』。

担当声優及びイラストレーターは現時点では非公表。

My information? 了解、待ってて

2016年8月12日から開催されている2016年夏イベント『迎撃！第二次マレー沖海戦』にて先行実装された戦艦娘。

同イベントMAPの第4海域『マラッカ海峡沖夜戦』の突破報酬としてのみ入手可能。艦これ初のイギリス艦娘（ただし英国製としては金剛が先達）である。ゲーム内では「Warspite」と表記される。
突破報酬なので、例によって難易度は甲乙丙どれでも平等に手に入る。特に今回のE4、甲・乙の報酬が本当に甲種勲章しかなかったため、一部の廃人限られた提督以外はさっさと乙以下に下げてウォースパイトを迎えたというケースも多いだろう。

以前から一部の艦娘のセリフで触れられており、いつしか実装されるのではないかと提督の間ではささやかれていたが、この度めでたく実装となった。

金剛・アイオワに続く3人目の英語キャラだが、発音が非常に流暢であり、まるでリスニングCDのようだと専らの評判。提督必聴である。

容姿・性格

気品のある少女の外見をしており、髪型は淡いブロンドのロングストレート。コルセット付きのドレスのような衣装を着用しており、大きく開いた肩から胸元に至るラインや太ももの絶対領域が非常にまぶしい。
胸部装甲の大きさは艦娘全体で見れば申し分ないサイズではあるものの、超弩級な大艦巨砲揃いの戦艦、特に他の海外勢と比較するとやや控えめで、良く言えば非常に均整の取れた上品なプロポーションである。
艤装は58を除いて前例のない椅子型となっており、船体を模した外郭に両脇を挟む形で38.1cm Mk.I連装砲が装備されている。また、マストを杖のように携えており、総じて玉座に腰かける女王様といった風貌である。どこかで見たような･･･？

性格は基本的に真面目で落ち着いており、戦闘時には若干好戦的な一面も見せる（後述する流暢なキングス・イングリッシュの影響で強い語感を与える）勝利の際には自身を誇る事無く艦隊みんなでつかみ取ったものだと発言するなど見た目の優雅さに違わぬ大人の女性という雰囲気を持つ。

時報では英国淑女らしく紅茶を淹れる機会があり、提督に対しては気遣う事が多く終始好意的なものの、さすがにお触りは許容できない様子。ただ、提督に食事を作りあっている(朝食と昼食は彼女が用意し、夕食は提督が作って提供する)等、互いに信頼しあう良好な関係を築いている。

他艦娘との関係

基本的に初見の相手、特に戦艦勢には進んで挨拶に行く社交的な性格で、時報などでは幅広い付き合いをしている。

同じイギリス生まれの金剛とは面識があり、金剛型四姉妹の私室にも訪問するほど仲もいい。ただし金剛は提督とウォースパイトのティータイムを目撃してしまったためか怒っていた。
また、一部で航空戦艦からSuper multi plane「瑞雲」を勧められたりもしているものの、他の日本の戦艦たちに対しても敬意を払っており、特に扶桑型のことを和のアートと評している。
ちなみに当のウォースパイトは瑞雲は積めない。

ドイツの艦にはあまりいい感情を持っていない様子。
というのも、元々WW2当時はイギリスとドイツは敵国であった事に加え、当のウォースパイトが廃艦となる原因になったのはドイツ空軍の誘導爆弾「フリッツX」であるためか。敵国だったのは日本も同じなので、日本の戦艦たちへの反応を見るに、主な原因はやはりフリッツXらしい。
恐らくドイツ艦を指して「あの子たちもいるのね、あきれた」と一旦は発言するも、その後の提督のフォローにより垣根を越えて自ら挨拶に向かっているので、根の深さはあまり心配しなくても良さそうだ。

一方でイタリアの艦娘に対しては微妙なところ。
ローマとリットリオ（イタリア）に対しては、共にフリッツXによって被害を受けた間柄と言う事で親近感を持っているかのように話しているが、ザラとポーラに対してはウォースパイトの方から話しかけるも逃げられている。そりゃ直接交戦してザラとポーラを撃沈したのがウォースパイト率いる艦隊だった訳だからさもありなんと言うべきだが、本人は自覚してなかった模様。ドイツへの恨みはどこへやら･･･。

ゲーム中の性能

武勲と幸運を兼ね備えた艦だけあって、非常に高い性能を誇る。

第一次改装が75とそれまでの改装レベルトップの大和を抜き一部の改二艦に達するのだが（参考までに金剛型改二の改装レベルが金剛・比叡・霧島が75、榛名が80。扶桑型改二は80）、改装前でも十分な性能を誇る。
特筆すべきはそのコストパフォーマンスで、改造前の時点で伊勢型もしくは金剛型改（改二ではない）と同等かそれ以下の燃費でありながら、長門型にあと少しまで迫る各種パラメータを持つ。
そして、改造して各種性能がアップすると、金剛型の改二をほぼ全ての面で上回る性能を持つ（唯一、装甲は比叡改二よりは低いが微差）。火力も霧島改二を超えるということで106もあり、これは全ての戦艦の中で大和・武蔵・Iowaに次ぐ数値。

中でも目を引くのが運の値で、改造前の時点で55、改造すると70にも及ぶ。これは雪風改を抜き、運初期値でも単独トップである。またまるゆ改装してもトップであり、今までは限界値は初霜改二の100（ある条件下でのみ長門改の101）だったが、ウォースパイト改は109まで伸びる。恐らく宝くじも毎回当たる。
戦艦は魚雷を装備できず、運を活かしてカットインしようと思うと主砲3本が必要＝弾着観測射撃など多くの攻撃手段を捨てる事になるためあまり実用されていないが、強烈すぎる個性なのは変わらないだろう。

また未確定ながら運の影響が多少あると言われている回避率に関しても、ここまで高い数値であると影響があるかもしれない。

これだけのスペックを誇っておきながら、改造しても燃費がまったく変わらないので、上述の金剛型の改くらいしか食わないコストで使える。燃料＋弾薬の合計値では伊勢型の改と並んで戦艦最安タイである。恐るべきコストパフォーマンスだ。

ただ金剛型の完全上位互換という訳ではなく、低速であるという弱点がある。
回避率等に影響する訳では無いが、昨今イベント海域では高速統一編成でのみ進めるルートが珍しくなく、その場合はウォースパイトに出番は無い。また、低速である事で連合艦隊の第二艦隊に組み込む事もできない。そういう場合は大人しく金剛型かビスマルク、イベント海域報酬のリットリオ・ヴェネト級やアイオワ級を使おう。

なお現在マンスリー任務「水上打撃部隊、南方へ！」では低速戦艦が3隻指定されているのだが、何故かウォースパイトは低速なのにこれに含まれず、自由枠扱いになってしまう。追加し忘れの不具合なのか、これの前提になる編成任務が大和型・伊勢型・長門型・扶桑型の名指し任務であったことからウォースパイトを含まない編成が正しくて任務の表記変更忘れなのかはまだ分からないが、今のところ編成においては割を食っている状態。

艦種、速力制限の無い場合に低コストな長門型といった感覚で運用するとよいだろう。

持ってくる装備は「38.1cm Mk.I連装砲」。主砲一本で異国の地にやってきたようである。
改造すると同主砲をもう1本と、対空機銃の「QF 2ポンド8連装ポンポン砲」を持ってくる。

主砲は火力+18で命中・対空+1と、既存装備と比べてあまり特徴が無い。現状はまだ不明な部分があるが、改修とフィット補正に期待である。

QF 2ポンド8連装砲、通称ポンポン砲は単体での対空値トップタイを誇る+10で、さらに摩耶改二など一部の艦娘の専用対空カットインの発動キーになれる機銃。

私の史実、Admiral. ぜひ胸に刻んでください

建造されてから二回の世界大戦において最前線で戦い抜き、戦いあるところウォースパイトありと謳われた武勲艦、それがウォースパイトである。艦名は『戦争を軽蔑する者』を意味し、ロイヤルネイビーで代々受け継がれてきた由緒正しき名前である。ウォースパイトの詳細は該当項目も参照されたし。

時は第一次大戦前。海軍力の強化を図るドイツ帝国に対抗し、イギリス初となる超弩級戦艦『オライオン級』を建造した大英帝国では、更に海軍力で優位に立つべく、既存の超弩級戦艦の火力を上回る戦艦を建造することが計画された。当時の海軍大臣ウィストン・S・チャーチルの強力な後押しもあってその計画は実行に移され、結果建造されたのがクイーン・エリザベス級戦艦である。『ウォースパイト』はその2番艦として1912年に起工、翌年11月26日に進水、1915年3月8日に竣工した。
余談になるが、同じ英国製の金剛より約1年半遅れの竣工で、起工から就役まで榛名、霧島、及び扶桑と同年である。国産金剛型の姉妹より1ヶ月ほど就役が早かったため、艦これにおいては現状で金剛、比叡に次いで3番目の年長者。そして終戦まで生き残っているため、艦齢もぶっちぎりで長いIowaに次いで2位。

建造当時、他に例がなかった38.1cm42口径MkI連装砲を4基搭載したことによる大火力と、新設計の缶を搭載することで既存の戦艦を超える速度と航続距離を誇った。名実ともに当時世界最新鋭の戦艦として誕生したウォースパイトは、試運転を行った後にクイーン・エリザベス級戦艦のみで構成される第5戦艦戦隊に配属された。この時の訓練中に姉妹艦バーラムと衝突事故を起こしている。

修理されて第5戦艦戦隊に復帰した後、史上最大の海戦とも呼ばれるユトランド沖海戦にて初陣を飾る。ウォースパイト他第5戦艦戦隊はドイツの主力艦と交戦し、ウォースパイトはドイツ軍から15発もの砲弾を受け、舵が故障したために旋回を続け、更に集中砲火を浴びることとなる。甚大な被害を受けながらも奮戦したウォースパイトは激しい戦いを生き延び、結果として味方艦を救うこととなり、兵士から賞賛と尊敬を得た。しかし、この際の舵の故障は完全には直らず、最後まで悩まされることとなる。

第一次大戦が終わってからは、地中海をメインに活動。第二次大戦が勃発するまでの間に二度の近代化改修を受け、最終的に航空機の格納庫やレーダーを搭載するなどして竣工当時とは全く別の艦に生まれ変わった。第二次大戦が勃発すると、船団護衛をした後にノルウェー方面に侵攻したドイツ軍を叩くべくノルウェー沖に出撃。1940年4月13日の第二次ナルヴィク海戦においては駆逐艦部隊を指揮してフィヨルドに突入、ドイツ駆逐艦部隊を壊滅せしめ、ナルヴィクにも砲撃を行った。

ノルウェーで活躍したウォースパイトは地中海に戻り、今度は対イタリア戦線に投入される。アレクサンドリアから出撃したウォースパイトを旗艦とする地中海艦隊はカラブリア沖海戦、マタパン岬沖海戦などで活躍。マタパン岬沖海戦ではザラやポーラとも交戦、一方的にこれを撃破している。しかし、このすぐ後に姉妹艦バーラムがUボートによって撃沈され、クイーン・エリザベスとヴァリアントはイタリア軍の人間魚雷によって大破したため戦線離脱を余儀なくされ、クイーン・エリザベス級戦艦として稼働しているのはウォースパイトとマレーヤのみとなる。

ウォースパイトも無傷とはいかず、アメリカで修理を受けていたが、真珠湾攻撃によって太平洋戦争が勃発すると東洋艦隊に転属となり、日本に対抗すべくインド洋に派遣された。しかし、日本軍と直接戦果を交えることがないまま古傷の舵の故障が再発し、本国に帰還している。
改めて舵を修理した後、1943年7月には連合国軍によるシチリア島への上陸作戦『ハスキー作戦』を支援するために出撃し、ドイツ軍に対して艦砲射撃を行った。この際、ドイツ軍から苛烈な爆撃を受けるもこれをかいくぐって作戦を成功させたため、アンドリュー・カニンガム中将から受けた評価から、敬意をこめて『オールド・レディ』と呼ばれるようになる。

しかし、1943年9月、サレルノに上陸した連合国軍が劣勢になったのを受けて再度砲撃支援任務に戻ったウォースパイトは、16日にドイツ軍のフリッツXが2発命中したことにより大破。幸いにも死傷者は少なく、完全な沈没はしなかったが、機関部の被害は甚大であった。イギリスのロサイスにて修理が行われたものの、3番砲塔は修理されないままであった。
1944年6月にはノルマンディー上陸作戦に参加し、アメリカ軍の上陸支援を行った。この時再びフリッツXの攻撃を受けるが、この時は大事を逃れている。しかし、砲身交換のためにロサイスへ戻る途中で機雷に触雷し、スクリューや舵に損傷を受け、速力は15ノットにまで落ち込んでしまった。

最終的に、1944年11月のワルヘレン島への艦砲射撃を最後に予備役に編入され、終戦を迎える。戦後、イギリス国内では博物館としての保存を求める声もあったが、1947年にスクラップとして売却されることとなり除籍。途中、曳航策が切れて漂流するなどのトラブルもあったが予定通り解体は実施され、その輝かしい戦歴にピリオドを打ったのであった。

史上最大の水上艦同士の決戦であるユトランド沖海戦を初陣として30年近くに渡って最前線で戦い続け、幾度の損傷を受けても不死鳥のように立ち直り、終戦まで戦い抜いたウォースパイトは第二次大戦において最も活躍した戦艦として現代でも称賛されている。

また、『Warspite』はその後も引き継がれており次代はイギリス海軍の純原子力潜水艦の祖であるヴァリアント級の2番艦が襲名している（1991年に退役したが、現在も放射能処理の関係で健在）