エリなんとか

エリなんとかとは、ファイアーエムブレム 烈火の剣に登場する架空の人物、エリウッドの別称（非公式）である。

エリウッドの性能の残念っぷりに名前で呼ぶ気にもならなくなったユーザーに名前を忘れたフリをして書き込まれることが多い。エリなんとか"さん"として敬して遠ざけるように使われる事もある。

（蒼炎の軌跡・暁の女神のエリンシアもその名前から稀にこう呼ばれるが、彼女の場合いろいろと優秀なため、上記のような意味はまず含まれない。詳細はエリなんとかという言葉の項参照）

概要

まず挙げられる欠点として、成長率があまりよくない。バランス型の成長でパッとしない上に、何故か他のロードより合計成長率が10%低い。速さに至ってはアーマー系ロードのヘクトルと5%しか差がないレベル。

そして専用職の性能が非常に悪い。
下級職のロードはまだましなものの、上級職のロードナイトが…率直に言ってかなり弱い。まずクラスチェンジ補正が他のロード勢より低い上に、4ポイントもHPに割り振られているのでその他のステがまるで伸びない。そのため最終ステータスが成長率依存で安定せず、激しくヘタれることがままある（もちろん、うまく伸びれば強いのだが…）。特に素早さが満足に伸びなかった場合、主人公なのにラスボスを華麗に倒せなくなる…どころか、反撃で追撃貰って華麗に死ぬ。ヘタすると雑魚敵に追撃されるレベル。
おまけに専用職としての優位点がほとんど…いや、まったくない。

性能比較（体格・移動以外は最大ステータス値）

クラス	HP	力	技	速さ	幸運	守備	魔防	体格	移動	武器
パラディン（一般職）	60	25	26	24	30	25	25	11or12	8	剣槍斧
ロードナイト（エリなんとか）	60	27	26	24	30	23	25	9	7	剣槍

ロードナイトが一般職のパラディンに勝っている点は力の最大値が2高いだけ。それなのに非常に重要な数値である移動・体格で劣り、斧も使えない。しかも守備が2低いので、合計値では完全劣化パラディンである（騎馬特攻も共通してるし…）。ついでにエリウッドの力が最大値を見込める成長率かというと、そんなことはない（LV20時の期待値は24程度）。あんまりな性能に優秀なソシアルナイト（下級職）などと揶揄される。

一方で、同作に登場するロード仲間のリンやヘクトルは特化型の成長傾向＋専用クラスが優秀。エリウッドの欠点が逆に際立ってしまっている始末。

次にクラスチェンジが遅い。エリウッド編だと終章の少し前で、それまでは盛大に足を引っ張る。そしてクラスチェンジ後も満足にレベルを上げることができず、そのまま終章に突入しさらに足を引っ張る…という負の連鎖がよく起こる。

クラスチェンジが遅いのはロード仲間2人も同じだが、彼らは回避や防御が高く、後半にわんさか出てくる騎竜系に強い武器を持っているので前線に出てある程度レベルを上げやすい。一方のエリウッドはそういった武器を持てず、前線で立つのも辛いステータスなのでレベルを上げづらい…。ヘクトル編では多少早いが、焼け石に水である。

そして最後に主人公特権がない。それまでの主人公も、同じ作品に登場するエースと比べて見劣りするケースは多かったのだが、終盤に手に入る専用武器が凶悪な性能だったり、ラスボスに対して特効があったり、輸送隊を引き連れていたりして、一定の活躍の場はあった。

が、エリウッドの場合、輸送隊はマリナス任せなことに加え、サブタイトルも飾った専用武器デュランダルが物凄く重いという、体格に恵まれないエリウッドには致命的な相性の悪さがある。この為、攻撃速度が下がってしまい、ラスボスに追撃出来ないどころか下手をすれば逆に追撃を食らって即死する有様。

元より病弱設定のエリウッドが、強力な力を持った伝説の剣を扱い切れない、というのは設定的には納得できる話だが、他の二人に比べてあまりにあんまりである。戦闘アニメーションだと片手で振り回しているのだが

ちなみにこのデュランダル、前作封印の剣にも登場しているがその時はもっと軽かった。烈火の剣で真の力を引き出したはずなのだが…何故か性能は何一つ変わってない上、前作より重さが増えた（重さ１２→１６）。エリウッドが装備したら攻速が７も下がってしまうのである。明らかに弱くなっている。
きっと封印の剣のディーク（勇者。体格１４）やパーシバル（パラディン。体格１２）辺りが真の力を引き出せば強かっただろう。そうでなくてもせめてエリウッドが後年の強さ（封印の剣でゲスト登場時、引退したエリウッドは体格11のパラディン）だったらまだ……。

そのおかげでこちらのデュランダルにもデブ剣という蔑称が定着している。（そして真の神器はクラスチェンジでようやく使えるようになるまともな間接攻撃武器「てやり」とも）

こうしたことから当然、「エリなんとか」は蔑称としての色合いが強い。（笑）が付かなくても同梱されていると思ってよい。
でもそんな常々悲しい感じのエリなんとかさんに親しみを込めて、と言う意味合いもある。が、まぁ純粋にエリウッドが好きな人には良い顔をしない人もいるので、使い方には気をつけたい。

エリなんとかという言葉

ネットスラング的な意味での初出は諸説あるが、公式にこの言葉が出たのは「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」第11章「流れる血の色は」クリア後のノシトヒとおじさん（仮名。クリミア王国・港町トハ代表）の会話。

敵国デインに媚売るおじさんらは、公には存在を隠されているクリミア王女「エリンシア・リデル・クリミア」を、自国の王女と知らぬままデインの将ノシトヒに密告。会話中、地位も名前も知らぬその「緑色の髪の女」を指し、

「やつらは確か、エリ…なんとかと呼びかけておった気が……」

と発言している。ちなみに、知らぬとはいえ気安くこの名を口にすると後でとんでもないことになるのは、卑しいおじさん（仮名）と卑しい青年（仮名。同上）含むトハ町民がその身をもって証明してくれる。

 

エリンシア性能比較

なお、ユニットとしてのエリンシアは「エリなんとか」と対照的に、蒼炎の軌跡・暁の女神共に優秀である。

• 良好な成長率
  （全体的に良成長。蒼炎は魔力成長が驚異的、暁は初期値が高いうえに力成長率までもが高い） 
• 専用クラス（蒼炎：クリミア王女、暁：女王[クィーン]）が高性能
  （貴重な飛行再移動杖使い＝ステータスに関係なく活躍が約束されている） 
• 最初から上位（最上位）クラス
  （クラスチェンジ不要＝クラスチェンジ時期に悩まされない）
• 強力な専用武器アミーテ
  （使用回数無限・二回攻撃・守備魔防+3。デブ剣と違い成長で攻速落ちカバー可。暁はさらに性能強化）
• 便利な個人スキル
   （暁では途中「慈悲」という最強の削りスキルがつく。他キャラ育成に便利）

このため、当記事の「エリなんとか」扱いされることはないだろう。

関連項目

• ファイアーエムブレム　烈火の剣
• ファイアーエムブレム　蒼炎の軌跡
• 襟木
• 緑風(笑)