キエフ風カツレツ 単語


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キエフフウカツレツ

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ああ、キエフな。キエフ風カツレツのキエフだろ?

 

キエフ風カツレツとは1988年製作の映画「レッドブル」において、とあるシカゴの刑事がソ連の鋼鉄マンに放った煽り文句……もとい、料理の呼称である。

この記事では「レッドブル」のセリフを中心に解説する。

 

概要(料理)

パセリやハーブ、レモン汁を練り込んだバターを鶏肉で包み、パン粉をつけて揚げたもの。

要はチキンカツの一種であり、アツアツの状態で切ると中から溶けたバターがソースになって流れ出て来るのが特徴。

発祥については諸説あるが基本的にウクライナ料理と認識されており、現在一般には「チキンキーウ(英:Chicken Kyiv)」の名前で知られる。ただしウクライナがソ連構成国だった「レッドブル」の時代などは、ロシア語風に「チキンキエフ(英:Chicken Kiev)」あるいは「キエフ風カツレツ」と呼ばれることが多かった。

 

概要(映画の名言)

「レッドブル」で「キエフ風カツレツ」発言が出て来るまでの流れをザックリ言うと、

  • ソ連警察のイワン・ダンコ大尉(演:アーノルド・シュワルツェネッガー)は、ソ連領内で麻薬を密売しているビクトル・ロスタ(演:エド・オロス)を捕えるべく、相棒らと共に集会場所のカフェに乗り込むが、ビクトルは相棒らを殺傷してアメリカのシカゴへ逃亡してしまった。
  • ビクトルは現地の密売組織「クリーンヘッド団」と麻薬の高額取引を締結するが、クリーンヘッド団は情報屋のタレコミを受けたシカゴ警察のアート・リジック(演:ジェームズ・ベルーシ)らによって逮捕され、ビクトルは偶然パトロール中の警官に信号無視と無免許運転ならびに拳銃の所持を理由に緊急逮捕された。
  • ビクトルが逮捕された情報を掴んだソ連警察は、「ソ連で麻薬が蔓延している」という身内の恥を晒さないよう、事情は伏せた上でビクトルの身柄をシカゴから引き取ってくるようダンコに命じた。

 という訳で、シカゴにやって来たダンコを、リジックと相棒のギャラガーが空港で出迎えたのだった。

しかし時は冷戦下である。リジックはダンコへの不信感を隠そうともしない。そして、シカゴ市内へダンコ送り届ける車中で以下のような会話になる。

(書いてあるのはテレ朝版の吹替だ。VHS版じゃないんだぜ)

ギャラガー「( ´∀)いい夜ですな。ここんとこ蒸し暑くて……8月のシカゴは地獄の暑さです。特に湿度の高いのに参る」

 

リジック 「()湿度って分かるかい?『空気のジメジメ度』だ」

 

ダンコ  「( ♯゚ω゚ ) ……

 

ギャラガー「(;´∀)……モスクワの夏はどうです?」

 

ダンコ  「( ♯゚ω゚ )暑い。ジメジメは無い

 

リジック 「()どこでこの国の言葉を習った?」

 

ダンコ  「(  ゚ω゚ )軍隊だ。必修科目だった。キエフの外語学校に通った

 

リジック 「()ああキエフな、『キエフ風カツレツ』のキエフだろ?妹の結婚式で食ったぜ」

 

ダンコ  「( ♯゚ω゚ )……

 

料理の概要で触れた通り、キエフ風カツレツは英語で「Chicken Kiev」と言い、原語版でもリジックは「Chicken Kiev」と言っている。日本でもある程度浸透しているが、「Chicken」は「鶏肉」という意味以外に、「臆病者」という侮辱的なスラングとしても用いられる。上記のような会話の流れで、わざわざ「キエフ風カツレツ(Chicken Kiev)」という単語を出したということは……まぁそういうことである。そう言われると、原語版の発声が”Chicken”を強調してるように聞こえなくもない?

「『キエフ風カツレツ』のキエフだろ?」と言われて明らかにムカッとした様子のダンコだが、前知識なく吹き替え版を見た視聴者は「なんかすげぇ煽られてるな」位しか分からないかも知れない。それでもニュアンスがちゃんと伝わって楽しめるのは、リジックの吹替を担当した富山敬の演技力(とシュワちゃんの顔芸)の賜物だろう。

余談

「レッドブル」公開から約3年後の1991年8月、ソ連からの独立機運が高まっていたウクライナの議会において、ロシアを刺激することを恐れた当時の米大統領ジョージ・H・W・ブッシュ(パパ・ブッシュ)が演説し、ウクライナの独立は「自殺的ナショナリズム」「民族憎悪」「地方専制」のもととなると説いた。思想の是非は兎も角、この演説にはウクライナだけでなくアメリカ国内からも非難の声が多く上がり、ニューヨークタイムズの記者が付けた「“Chicken Kiev” speech(キエフ風カツレツ演説)」という名で記憶されることになった。演説の3週間後には圧倒的多数で独立が可決され、その後、年越しを待たずしてソ連は崩壊したのだった。

これは「キエフ風カツレツ」という言葉がマイナスの意味で使われた実例であるが、「レッドブル」と違い、言われたのはアメリカ人である。

散々マイナスの用法を書いてしまっているが、キエフ風カツレツ、もといチキンキーウは美味しいウクライナ料理である。ミニストップがホットスナックとして発売しているほか、外食チェーン「松のや」が期間限定メニューとして提供していたりと、近年は日本でも徐々に知名度が上がってきている。各種レシピサイトに作り方が載っているので、腕に覚えのある人は作ってみてはいかがだろうか。

 

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関連項目

  • カツレツ
  • チキン・コルドン・ブルー(バターではなく、ハムとチーズを鶏肉で包んで揚げたカツレツ)
  • レッドブル
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー(Chicken呼ばわりされるとキレる青年が主人公)

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最終更新:2025/12/07(日) 03:00

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