「なにしろ僕は世界でたった一人この職業に従っている人間なんだからね」
「世界唯一の民間探偵というわけかね?」
「世界唯一の民間諮問探偵さ。探偵事件の最高にして最後の受理者は僕なのさ」
『四つの署名』より引用
シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)とは、架空の私立探偵である[1]。
英国の作家、アーサー・コナン・ドイルが発表した作品群・シャーロックホームズシリーズに登場する探偵。世界でもっとも有名な探偵の一人であり、ホームズ自身の名が、推理小説における『名探偵』の代名詞としても使われる。推理小説そのものはエドガー・アラン・ポーがその先鞭をつけたが、このホームズの登場とその人気によって、「探偵が難事件を解決する」という『探偵物』の様式が確立した。その結果、探偵物を含む推理小説が、大衆の読み物としての一ジャンルとして大きな人気を博す事となったのである。
ロンドンに居を構える探偵業を生業とするシャーロック・ホームズが、助手兼記録係の友人ワトソン(ワトスン)医師と共に様々な事件を解決に導く。シャーロック・ホームズシリーズの短編・長編はワトソンがシャーロックの事件解決までのあらましを記録し、筋道たてた物語にした上で公表している、という設定のもと執筆されている。(ただし、短編の二つ『獅子のたてがみ』および『白面の兵士』はホームズ自身が珍しく筆をとった、という体裁で書かれている)
イギリス・ロンドンのベイカー街221Bにあるアパートに間借りしている私立探偵。シャーロック・ホームズシリーズ最初の長編である『緋色の研究』でワトソン医師と出会ってからは、彼がちょくちょくアパートを訪ねている。
常人離れした推理力、観察力を持つ。
推理の基礎となる知識も相当なものであり、過去の犯罪事件に精通している事はもちろん、タバコの灰の鑑別に関しての著作があったり、血液検出の為の試薬を自ら作り出したりしている。(しかしこの試薬を使ったという描写は作中では殆ど出てこない)
反面、犯罪と関係のない知識に関しては一般人以下の水準であり、たとえば地動説を知らなかったとしてワトソン医師に呆れられている。もっともこれは単に無知だからというわけではなく、自分の仕事に関係の無い知識は進んで忘れるよう心がけているためである。
格闘技においてはかなりの腕前であり、ワトソン医師によると「棒術、拳闘および剣術の達人」とのことである。ワトソンと出会う前には、ボクシングの大会でアマチュアとして職業拳闘家と興業試合で渡り合ったことも。
『最後の事件』で悪の親玉であるモリアーティー教授と戦ったときは「バリツ」なる日本の格闘技で生き延びる事ができた。
他にもヴァイオリン、変装、ピストルの射撃などといった特技を持っている。特に変装の名手であり、特に浮浪者に化けるとワトソンでさえホームズ本人と気づかないことがあるほど。
マイクロフト・ホームズという兄がおり、ときおり事件の依頼をしてきたり、シャーロックの手助けをしたりしている。それ以外の親族関係については一切ワトソンにも語らず、不明。
鋭い観察力で証拠を見つけ出し、それを元に豊富な知識(過去の犯罪記録や科学的な知見など)を駆使して推理を行い、真相を導く。調査の手駒として、ロンドンの浮浪児たちを幾らかの金銭で雇って組織化した通称「ベイカー街遊撃隊」(ベイカー・ストリート・イレギュラーズ)を使うこともある。
「仕事そのものが報酬」と公言し、引き受ける依頼に関しては報酬よりも、事件が興味深いものであるかどうかを重視する。もっとも金に興味が無いわけではなく、たとえば『プライオリ学校』では「私は貧乏ですから」ときちんと報酬をもらっている。彼が解決した事件の中には、欧米各国の重要人や王族がらみの事件も多く、収入に関してはあまり不自由していない様子。
事件の犯人については基本的には警察に引き渡すが、法律上違法でなかったり、情状酌量の余地がある場合などはホームズの独断で犯人を見逃す事も少なからずある。これについてホームズは『青いガーネット』でワトソン医師に対し「自分は警察の欠陥を補うために雇われているわけではないからね」と述べている。
全能のイメージがあるホームズであるが、犯人を取り逃がしたり、依頼人を殺されてしまったりするなど、時々失敗したりもする。諸事情でワトソン医師によって文章化されていない事件も数多いとされる。
ホームズの頭脳は常に奇妙な事件との遭遇に飢えており、一度事件にのめり込むと寝食をわすれて没頭し、事件以外のことを気にかけなくなる。しかし、彼を満足させるような事件が無い期間が続くと、とたんに退屈を紛らわすため、モルヒネやコカインといった麻薬に手を出してしまう。中毒患者というわけではないものの、医師であるワトソンは健康面から度々これを問題視している。しかし「生還」後はこうした薬物からは完全に足を洗い、以前のような無茶な行動も幾分控えるようになった。探偵業をリタイアした後は田舎で蜜蜂を飼い健康的な余生を過ごしたという。
犯罪事件やそれに関係するいくつかの化学実験以外には興味がまったくなく、とくに女性との恋愛に関しては奥手を通り越して拒絶感すら抱いているため、生涯を独身のまま過ごした。興味のあった女性といえば、ホームズを出しぬいて見事逃亡したアイリーン・アドラー女史くらいのものである。
日本においてもシャーロック・ホームズは多くの出版社から翻訳本が出されており、海外小説としての認知度・人気は高い。古典的な名探偵といえば鹿撃ち帽にインバネスケープにパイプというイメージ[2]を植えつけた作品でもあり、助手的な立場の人間のことを「ワトソンくん」呼ばわりするパロディも随所に見られる。
小説をベースにした推理・アクションアニメ作品として、日伊合作作品の『名探偵ホームズ』が存在する。登場人物は全て犬を擬人化したキャラクターであり、シャーロック・ホームズとワトソンがモリアーティ教授一味の悪事を防ぐべく毎週奮闘するストーリー。子供にもわかり易い内容で、優れたアニメ作品であったため、ホームズといえばこちらの犬ホームズを想起する人も少なくない。
近年だと後述するBBC版「シャーロック・ホームズ」がやはり有名かとおもわれる。
上からだいたい原作(ストランド誌発表当時の)発行順。関連は新潮文庫で統一してあるが、その他の出版社からも様々な訳者、本サイズで出版されているため、自分に合ったのを読むのが吉。児童文庫版は文体および表現が低年齢向けにやさしくなっており、普段小説を読まないひとでも読みやすい。
シャーロック・ホームズのエピソードをドラマ化。ホームズ・ワトソンコンビを描く、サスペンスドラマの傑作。アラサー以上の世代には、ジェレミー・ブレットによる雰囲気たっぷりの名演と露口茂によるストイックな名吹き替えでお馴染みだろう。
汚らしく散らかったベイカー街の自宅、バリツ全開で肉体言語に訴えるホームズ、おなじみワトソンとの毒舌の掛け合いなど、既存の古き良きノスタルジックなホームズ世界のイメージを破壊しつつ現代的リアル路線で再構築した、ハイスピード推理探偵バトルアクションムービー。
英国の放送局BBCで2010年に放映されたテレビドラマ。第3話まで放映されている。2011年秋に第2シリーズが放映予定。日本では2011年8月22日~24日に、NHKのBSプレミアムで第1シリーズが放送される。
コンセプトは「21世紀のロンドンにおけるシャーロック・ホームズとワトソン医師の冒険」。原作のホームズは、19世紀後半から20世紀前半に活躍していたが、このドラマでは現代に活躍を移している。そのためこのドラマではホームズがスマートフォンをいじったり、自らホームページを開設するなどしている。ちなみにストーリーに関してはドイルの原作を下敷きにしてはいるが、筋はほとんどオリジナルである。(たとえば第1話「A Study in Pink」では、死因や事件現場のシチュエーションなどはドイルの「A Study in Scarlet」を踏襲しているが、殺害の動機や犯人は全く違っている)
また、ホームズの社会不適合者としての側面が強く描かれており、警察関係者からサイコパスなどと言われたり、それに対してホームズ自身が自分を「高機能のソシオパスだ」などと返す場面があるなど、過去のホームズ作品とは大きく異なるシャーロック・ホームズ像が見られる。
ちなみに2011年7月現在日本語版DVDは発売されていない。
シャーロック・ホームズに関するニコニコミュニティを紹介してください。
The complete Sherlock Holmes Download(英文でホームズ作品が読めるサイト)
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最終更新:2025/12/10(水) 14:00
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