スターマン(カービィ)とは (スターマンとは) [単語記事]

スターマン(Starman)とは、『星のカービィ』シリーズに登場する敵キャラクターである。

概要

スターマンという名前、背中でなびくマント…
それってまるで、正義のヒーローじゃないか。

しかし、ご存じのように主役なのはカービィで、
スターマンは残念ながら脇役にすぎないのだ。

それでも、どことなく堂々としているようにみえる。
カービィがやってきても、少しも動じることなく、
マイペースで歩き、たまにジャンプしてみせる。

――大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U フィギュア名鑑

初登場は『夢の泉の物語』。

黄色い星形のボディに青いマントをくくりつけたような姿をしている。星形なのだがなぜか頭が二つに割れており、顔はない。基本的にはそのへんをとぼとぼと歩いており、たまにちょっとジャンプするがジャンプ時は足を揃えるので頭や手足と合わせて逆さの星型に見えなくも無い。
場所によってはマントをなびかせ、水平に滑空していることもある。

吸い込むとハイジャンプの能力をコピーできる。というより、基本的にハイジャンプをコピーするために存在する敵であり、敵として脅威になることはほとんどない。

出現場所も、縦スクロールステージだったり、頭上にブロックが縦に並んでいたり、空中に浮いている敵がいるなど、いかにもハイジャンプを使ってくださいと言わんばかりの地形がほとんどである。

もちもちとした身体にてくてく歩いたり頑張って飛んだりする姿が愛らしく、密かにファンが多い敵キャラだが、この「ハイジャンプ能力と一蓮托生」という立ち位置のせいで長年積薪の嘆をかこってきた。

影の薄いハイジャンプ

なにせ、この「ハイジャンプ」能力がそもそも影が薄かった。

この能力は、その名の通りカービィが高くジャンプするのだが、このとき無敵になるので空中の敵に突進できるというものである。一見地味だが、素のカービィは空中を自由に飛び回れるというジャンプアクションとして反則級の能力を持つ代償として空中機動力が基本的に鈍い。そのため、縦専用とはいえ機敏にジャンプできるこの能力は、使いどころによってはとても頼りになる。

初登場の『夢の泉』では、ハイジャンプでザコ敵やブロックを破壊して回る縦スクロール地形や、隠しスイッチを押すのにハイジャンプとファイアどちらを先にコピーすべきか悩む部屋、そして縛りプレイでもしていない限りはハイジャンプ無双となるクラッコ戦と、随所に活躍の機会があった。

しかし、それ以外の場所で使ってみてわかるとおり、『星のカービィ』は横スクロールアクションゲームなのである。横に進み、前の敵を倒すゲームで縦に飛んでどないすんねん、という根本的な矛盾がこの能力には常につきまとっていた。その後も『夢の泉デラックス』『カービィボウル』『参上！ドロッチェ団』『カービィWii』で登場するもののあまり有効活用されたとは言いづらく、特に『Wii』では散々な言われようだった。

スターマンがハイジャンプ以外の能力を持っていたことはなく、スカキャラとして登場したのも『コロコロカービィ』のみ。そして、ハイジャンプ能力を持っている敵はスターマンしかいない。事実上、ハイジャンプがないと登場できない彼は、そもそも登場機会そのものがあまりなかったのである。

ヘルパーシステムがある『スーパーデラックス』と『スターアライズ』にはハイジャンプ能力が登場しないのでヘルパーとして操作はできない。
しかし、ゴースト能力が使える『参上！ドロッチェ団』に登場するので乗っ取ればスターマンを操作する事も可能。機動力はある方だが上下頭突き攻撃しかできないので敵に当たると接触ダメージ扱いになるので実用性は低い。

ついに主役にのし上がる！…のだろうか？

時は流れて時代は令和、スターマンの産みの親だった桜井政博もカービィの開発から離れて20年以上が経った頃。彼の活躍の場は突然現れた。

『カービィのエアライダー』に、ライダーとして参戦。
エアライドマシンを駆り、フィールドを縦横無尽に駆け回り、マシンを降りてはてくてく歩くスターマンの姿が、そこにあった。Nintendo Switch 2のグラフィックでもちもちとした身体が忠実に再現されたその姿は、プレイヤーからも好評である。一方、「ハイジャンプをコピーできるやつ」としか覚えておらず、名前をここで初めて知ったというプレイヤーも多かった。

原作通り(?)、空を飛ぶのが得意でジャンプすると加速という固有能力と、スペシャル能力・スーパースターマン(マントをなびかせながら前に飛び、体当たり攻撃)をひっさげての登場である。